
【セフン・シウミン】
練習が終わり、しうひょんはスマホをいじりながらスタジオを出ていこうとする。
多分、また電話をしに行くんだろう。
「しうひょん…」
「何?」
「ちょっと質問したいんですけど…」
しうひょんは面倒臭そうに僕を見た。
「デート…って実は初めてなんです。だから、どんな場所に行けばいいか…教えて欲しくて。」
「…カフェとか、適当に行けばいいんだよ。」
早く会話を終わらせたいらしい…
明らかにイライラしている。
「カフェ…ですか。」
なるほど…と、一息ついてからまた質問した。
「では、夜は?よくある夜景が見えるところで食事がいいんですかね?」
「…そんな金、あるのか?」
「ないですけど。」
はぁ…と、ため息を吐かれた。
「背伸びせず、年齢にあった付き合っ方がいいんじゃないか?
夜景は…歩けば十分だろ…?」
「なるほど…そうだ!しうひょんが彼女と行った場所行ってもいいですか?」
「は?」
多分、苛立った…。
上手くいってればノロケながら話してくれるような内容なのに、
上手くいってなければ、ただの拷問…
そんな話したくないだろう。
さぁ…次はどう出る?
ああ、いい加減に黙ってほしい。
セフンは彼女が出来て、幸せなのかも知れないが…
俺は、人のアドバイスをするほど今幸せじゃない。
自分のことでいっぱいいっぱいだから…
彼女のことだけを考えたい。
しかもさ、なんで俺の思い出の場所にセフンがデートに行くんだよ…!
嫌に決まってんだろ?
…でも、俺はセフンを突き放すことはできない。
だって俺は、恋人と順調に上手くいっていると偽っているから。
セフンは、デートがわからないからただ教えてほしい。
それだけだ。
「やっぱり、ダメですよね。二人にとって、特別な場所…ですもんね。」
俺が黙っていたので、嫌がっているとわかったんだろう。
「すみません。」
ペコッと頭を下げてきた。
特別な場所…か。
彼女との思い出の場所を、人に話すことで
何か…変わるんだろうか?
「わかった。教える。」
何もしないよりマシかもしれない。
「え?!いいんですか?」
セフンは目を輝かせ、俺に抱きついた。
「あ、ああ。」
今はこの状況が苦しくて苦しくて堪らない…
口に出来ないこの思いを…
どうにかしたいんだ。
「ありがとうございます!」
お前のためじゃない。
俺のために。

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多分、また電話をしに行くんだろう。
「しうひょん…」
「何?」
「ちょっと質問したいんですけど…」
しうひょんは面倒臭そうに僕を見た。
「デート…って実は初めてなんです。だから、どんな場所に行けばいいか…教えて欲しくて。」
「…カフェとか、適当に行けばいいんだよ。」
早く会話を終わらせたいらしい…
明らかにイライラしている。
「カフェ…ですか。」
なるほど…と、一息ついてからまた質問した。
「では、夜は?よくある夜景が見えるところで食事がいいんですかね?」
「…そんな金、あるのか?」
「ないですけど。」
はぁ…と、ため息を吐かれた。
「背伸びせず、年齢にあった付き合っ方がいいんじゃないか?
夜景は…歩けば十分だろ…?」
「なるほど…そうだ!しうひょんが彼女と行った場所行ってもいいですか?」
「は?」
多分、苛立った…。
上手くいってればノロケながら話してくれるような内容なのに、
上手くいってなければ、ただの拷問…
そんな話したくないだろう。
さぁ…次はどう出る?
ああ、いい加減に黙ってほしい。
セフンは彼女が出来て、幸せなのかも知れないが…
俺は、人のアドバイスをするほど今幸せじゃない。
自分のことでいっぱいいっぱいだから…
彼女のことだけを考えたい。
しかもさ、なんで俺の思い出の場所にセフンがデートに行くんだよ…!
嫌に決まってんだろ?
…でも、俺はセフンを突き放すことはできない。
だって俺は、恋人と順調に上手くいっていると偽っているから。
セフンは、デートがわからないからただ教えてほしい。
それだけだ。
「やっぱり、ダメですよね。二人にとって、特別な場所…ですもんね。」
俺が黙っていたので、嫌がっているとわかったんだろう。
「すみません。」
ペコッと頭を下げてきた。
特別な場所…か。
彼女との思い出の場所を、人に話すことで
何か…変わるんだろうか?
「わかった。教える。」
何もしないよりマシかもしれない。
「え?!いいんですか?」
セフンは目を輝かせ、俺に抱きついた。
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どうにかしたいんだ。
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