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坂ダ!

***坂道ダッシュ!☆EXOの妄想BL小説です。***

人気☆の神様1

【シウミン・セフン】


久しぶりのフンミンです。

昔話の話を基盤として作ってみました。
ファンタジーに近いかと…









ある日、少しふっくらしたシウミンというアイドルになったばかりのの青年がおりました。

彼は働けども働けども一向に人気は出ません。




しかし、毎日のように早起きをしてコーヒーを飲んでからトレーニングをして一生懸命仕事に励んでおりました。




「痩せたような…?」

しばらくして…

「ああ、また太った…」




と、繰り返しなかなか自分の中のベストの体重になりません…

食べることがすきなシウミンは
維持することがとても難しかったのです。




"厳しいことを言うけど、自己管理能力がないね…"

と、最近先輩から言われてしまったのでした。




「はぁ…俺はアイドルとしてダメなんだろうか?」





一人、項垂れていると…






『そそ、アイドルなんて諦めちゃえ。』





「え?!

誰だ?!」




独り暮らしの筈なのに声がしました。

シウミンは声がする方に振り向きました。







「「え?」」








そして、出会うはずのない二人の視線が合うところから物語りは始まります。














ボロボロの黒服を身に纏う…

白くてスレンダーな体…の、男。




「あー…聞こえるの?

僕の声。マイクテストマイクテスト。」



なんて、いいながら声の調整?をしている。

思ったより中身は子供っぽいな。

男ではなく、少年だった。





「誰だお前。」

「神様。」




「は?」




俺は、ひょろりとした不法侵入者を睨み付けた。



「だから、不人気の神だよ。」

「ふ、ふにん…?」



人気がないってことの、不人気??



「シウミンさんのところは安定して人気が出ないから居心地がいいんだよねぇ~」

と、俺を抱き締めてくる。




「うわっ、なんだよ!やめろ!」

俺は彼を引き剥がそうとした。

「大丈夫、不人気なひとには特に問題ないから♪」




「ち、違う!」




な、なんか…

ふわっと…香りが!




「お前、さては風呂に入ってないな?!」




「は?」




「とりあえず入れ!!

入ってから話しは聞こう!!」

「ちょ、何言って…うわ!」




俺は有無を言わせずに彼の服を剥ぎ、シャワーの蛇口を捻る。



おお。

水も滴る…ってやつか?




「っ…冷た!

神様ぞんざいに扱って!」

「いいから黙ってろ!」




と、ごしごし洗い出す。




「とりあえずこれ着て。」




ボロボロの服を脱がし、とりあえず俺のパーカーを着せる。

もともと、大きめの服を買ってるので彼も少し余裕があった。




「コーヒー飲むか?」

「コーヒー嫌い。」




仕方なく、牛乳を温めてやるとコクコクと飲みだす。


「で、家出か?

家族は?」


「は?」


「とりあえず今日は遅いから泊まっていけ。

明日はちゃんと帰るんだぞ?」


俺を呆れた顔でジーっと見つめる。




「僕のこと、勘違いしてません?」




全く、口の減らないやつだ。




「わかったわかった。

布団しいてやるから、今日は寝なさい。」


「…全然わかってない。」


「ん?何か言ったか?」





「なんでもないでぇ~す。





敷いた布団に彼はいそいそと入り…

寝そべっていた。







変態の話は、煮詰まっておりますため、少々お待ちを…


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【シウミン・セフン】


久しぶりのフンミンです。

ある昔話の話を基盤として作ってみました。



シウミン:人間(デビューしたてのアイドル)
セフン:不人気の神様








彼は、僕が寝転がってるときもなかなか洗面所から戻ってこなかった。

やっと出てきたと思ったら隣のベッドに寝転がりすやすやと寝息を立てる。





僕は眠ってる彼に近づき…

その顔を見つめた。





知らない人を簡単に泊めるなんてちょーっとお人好し過ぎるんじゃないの?

だから僕なんかにくっつかれちゃうんだよ。






ふふ、可愛い顔なのに僕のせいで人気が出ないんだね。

僕は彼の唇をみながら己の唇をぺろりと舐めた。





僕は、不評こと不人気の神。

規模は問わず、僕が憑くと人気が出ない地味な生活を送るはめになる神である。





僕の兄みたいに気まぐれな性格だと人気絶頂なアイドルに憑いたりする。





いろんなことが明るみに出て…仕事がなくなったアイドルや俳優たち…

それはだいたい兄のハニートラップのせいだったりするのだ。




兄曰く…

『人の不幸はあま~い蜜の味だよ、セフナ』

とのこと。




でも、僕は違う。

僕は兄のような絶大な力はない。




兄みたいに大物アイドルを相手にするにはそれだけ大きな力が必要なのだ。

力がなければ彼らのオーラに目が眩んで死んでしまうかも知れない。





そんなやってらんないしぃ。

疲れることは極力したくない。





そんな死を覚悟するなら、芽が出ないアイドルに憑いていたほうがマシ。

たった一日のフルコース料理ではなくてご飯を毎日食べれればそれでいい。







「シウミンさんは僕の3食昼寝つきだよ。」






彼の半開きの唇をなでた。





***********




いつの間にか僕は眠るという行為をしていたらしい。

今まで一度も眠ったことがないというのに。




あんまり好きじゃないコーヒーの匂いが強烈で起きた。





「お、起きたな?

顔洗えよ?」




顔?

そんなん洗ったことないし…

うろうろとしていたらこちらにシウミンさんが来た。




「洗面所はこっち。」

と、案内される。




バシャバシャ…

「ほら、タオル。」




彼から貰ったタオルで顔を拭くと、なんと服が畳んであった。

至り尽くせりとはこのことだな。




「…僕の服」

「あ、早起きしたからやっといた。」




なんと居心地がいいのだろう?

ますます別の場所には行きたくなくなった。




ん?

なんかいつもと違うと思い匂いを嗅ぐと…

柔軟剤の香りまで付いてる。




「す、すまん…

なんか臭い気がして…」




臭いって…そんなこと言われたことないのに。

結構ショックだ。





「何日放浪したかわからんが…

ちゃんと家に帰んなきゃだめだぞ」






しかも、まだ家出少年だと思われてるし

ま…いいけど。











「家に帰れって言っただろ?」

「帰りません。」




そう言って彼は俺の後ろから離れない。




「おい、付いてくるなよ。」

「どこでも憑いていきますよ。」



彼は、洗ってあげた黒いボロボロの服を身に纏う。

どう考えても不審者だ。




ここからは関係者以外立ち入り禁止だし…大丈夫だろう。

と、思っていたが彼はテレビ局の中までするすると入ってきた。




不思議だ。




マネージャーとでも思われたんだろうか?

それとも…?




俺は頭をふるふると頭を横に振り
考えることを放棄した。




**********




今日の仕事は、写真撮影。

…だったんだが。




「え?!どーゆーことですか?!」




「あれ?事務所から聞いてなかった?

他の人を起用するって言ってたよ?」


ADの人が説明する。


もちろんそんな話は聞いてなかったはずだけど…

もしかしたらとメールを確認するとそんな内容が書かれた文章がぽんと直前に送られていた。




「…そ、そうだったんですか。

あ、はい分かりました!」




と、俺はとぼとぼとスタジオから出た。

久しぶりの仕事だったのに…。




帰り支度をすると…肩をポンポン叩かれる。

振り向くとボロボロの服のあいつだった。




「なんだよ。」

慰めるつもりか?




「僕、あれ飲みたい。」

「は?」




廊下に張られまくってる最近人気上昇中のアイドルのポスター…

が、手に持っているタピオカミルクティーを指している。




「わかったわかった。

また今度。」


全体そんな気分じゃないし
軽く流そうと思ったのに。



「今がいい。」

「え?今?」



ぐいっと俺の手をとり…



「うん、今から~」

「え?おい、ちょっと!!」




無理矢理外に出た。








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【シウミン・セフン】


久しぶりのフンミンです。

微ファンタジーです。



シウミン:人間(デビューしたてのアイドル)
セフン:不人気の神様










「お待たせしました。」

注文したバブルティーが来た。




シウミンさんは、さっきまではなんでもないって顔をしてたけど…

椅子に座るとだんだん顔がしかめっ面になっている。




「はぁ…」





彼は頭を抱える。

多分今日のことで凹んでるに違いない。





ふふ…

もっと凹んで苦しんで。

それだけでお腹いっぱいになれる。






…わけがなく。






「シウミンさぁん、お腹すいた。」

「え?」





「ドーナツたべたい!」

「ちょっ…」




と、横に置いてある財布をサッと盗みレジへ向かった。






暴飲暴食で、更に太っていただいて…

今後のスケジュールをまっ白にしないとね☆




そして契約更新できないように…いや、アイドルを引退させて

ほのぼのとした生活を送らせないと。






ずーっと一緒にいたいからね。










ついに家出少年が俺の財布に手を出したかと思ったら
どっさりドーナツを買ってきた。




「これ食べて☆」

「これ食べてって…俺の金だよな?」

「ほらほら、温めたから!」



とか、言って俺の口に無理矢理押し込んできた。




もごもごもご…

ふわふわして…うまい。




家出少年なりに俺を元気付けようとしたのだろうか?

ドーナツは買いすぎだが…




「僕ももーらい。」

と、ブルーベリーが掛かったドーナツを頬張る。





あ。

ブルーベリー…




なんて、俺は彼をじっと見てしまった。




「ふ、食べたかったですか?」

「いや、別に…」





彼は、ブルーベリーのジャムがトロリとついたドーナツを頬張る。

予想通りに手がベトベトになり、指をペロペロと舐める。






むぅ…

悔しいが年下のくせに色気がある。

人間離れした…





はっ…

俺は何を考えているんだ。




頭をふるふると横に振る。




「シウミンさん?

もう食べないの?」





「食べる!」





本当は食事制限をしていた筈なのに、二個目のチョコドーナツを頬張ってしまった。




もごもごとしている俺をこいつはじっとみる。





「もんもご?(何だよ?)」

俺は、咀嚼しながらも睨み付ける。





「食べてるシウミンさん

かわいい。」






己の唇に付着しているブルーベリーをぺろりと舐めたあと

…ふにゃあと、年相応の顔で笑った。








駄々漏れセフン…

明日は「近距離」です。
よろしくおねがいします!


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【シウミン・セフン】


久しぶりのフンミンです。

微ファンタジーです。



シウミン:人間(デビューしたてのアイドル)
セフン:不人気の神様








─数日後─




「おはよぉございます。」




キコキコキコキコ…



シウミンさんは朝から家にあるエアロバイクで運動している。




「おー、おはよ。

顔洗ったか?」




汗がぽたぽた額から流れている。

タンクトップもびっしょりだ。



ちっ…

昨日もお菓子を食べさせることに成功したのに、運動したら意味ないじゃないか。




何だかんだ家に居座ることに成功して、いろいろ理由を付けて食べさせることも出来てるのに
"アイドル"としてのプライド?があるのか運動を怠らない。


それでも、僕がいるからいいことなんて一つもないんだけれどね。





「今日は、バックダンサーの仕事なんだ!」

「ふーん。」




どうやら、急にダンサーが怪我をしてしまって急遽頼まれたらしい。


デビューしてるのにバックダンサーの仕事するのも変だって思わないんですかね?

普通はなんで?って思うはず。





「久しぶりに踊れるぞー!」

と、普通に練習も楽しそうだし。





まぁ…

最近は諦めたのか早く家に帰れって言われないからいいんだけどね。





*********



「おはようございます、おはようございます!」

と、シウミンさんが事務所に入ると挨拶する。




そんな時…

「セフナー!!」





だきっ…

後ろから抱き締められる。




ま、まさか…この声は間違いなく。

振り向くと…





「久しぶりぃ~何十年ぶり?

何百年ぶり??」

「る、ルハン兄さん…」




キラキラしたオーラが半端ない…

それは、神の力と比例する。




「セフン…?」



シウミンさんが僕の方を振り向いて首を傾げる。



「ん?そのお饅頭誰?」

「お…?」



ああ、シウミンさんショック受けてる…!?



「え?!

お饅頭俺のこと見えるの?!」

と、シウミンさんに抱きついた。




「見えますよ、そんなキラキラオーラですから。」

「え~やっぱりぃ?」



と、ご満悦だ。



「セフンの兄のルハンでぇ~す☆
よろしくね!」

「シウミンと言います。

確かに雰囲気は似てますね。」





似てないし!





シウミンさんは嫌がらず抱きつかれたままだ。

ちょっといらっとする。



「兄さん、ちょっと離れてください!」

「えぇ~モチモチで気持ちいいのにぃ~」



と、ベリベリと剥がす。

シウミンさんもシウミンさんだ!

僕には臭いとか言ってひっぺかす癖に…!!




ルハン兄さんは耳元で僕に囁く。




「セフナぁ、饅頭可愛いねぇ…今後どうゆースケジュール?

どん底から盛り上がらせといて結婚バラエティーで熱愛でどん底予定とか?

そのあと俺に憑かせてよ、俺のこと見えるなんて貴重だし!」




「嫌です!

こつこつ太らせてるんですから!」





そんでもって離れる気もない!





「はぁ?

まだそんな生ぬるいやりかたやってんの?

長く憑くだけ情に流されるぞ。

お前は人気の神じゃない、不人気の神なんだ、流されたら…消えr」






「わかってるよ!!」





と、言ったらシウミンさんが振り向いた。

はっ…僕ったら。




「わかってるならよし。」

ルハン兄さんがニコって笑う。




「なんでもないよ。

兄弟喧嘩だから気にしないで~」

と、去ってしまった。






シウミンさんはちらちらと僕を見ている。





「セフン、大丈夫か?」

「大丈夫です、いつも兄とはあんな感じですから。」





情に流された末路くらいわかってる。






だから…

今日こそは…








その時の…

僕とシウミンさんのことを避けた人物がいたような気がしたけど振り向かなかった。












はぁ…

まさか、足首を捻っちゃうなんて…




「シウミンさん、元気だして?

湿布張れば治るって言ってたでしょ?」

「…そうだけど。」




怪我をしない、風邪引かない。丈夫な身体が自慢だったのに。

とりあえずバックダンサーの仕事はできたけど今後はどうなるかわからない。





ピンポーン!

「チキチキ一羽!お持ちしました~」





「ほらぁ~チキン出前したから食べて食べて」

「お前また勝手に!!」



と、拳をセフンにぶつけるフリをする。

そしてセフンはぺろっと舌をだす。



…なんて言うのも最近はいつものやり取りみたいになっている。




「醤油味おいひぃ~シウミンさんも食べて食べて!」

ぱくっと、チキンを差し出されて勝手に口が開く。




モグモグモグモグ…




最初は勝手に頼んで!って思っていたが…最近はそんな風に二人で食べるのが普通になってきた。





元気付けてくれてるんだ…よな?





「今日はシウミンさんビールも飲んじゃえ~」

と、冷蔵庫からビールとコーラも取り出す。





ぷしゅ…

と、一口飲むとチキンの脂っこさがサッと舌から消えて爽快だ。



ごくごくと飲んでしまう。



「ぷはぁ…」



おいしい…ビールに罪はない。



「いい飲みっぷり~

2本目のむ?」




セフンはにこにこと笑う。





「このままじゃ、ビールっ腹になる。

数少ないファンがまだいるのに…。」



「えー、いなくなってもいいじゃん!」

「おい!」



いつもは怒らないが酔っぱらってるのか声を荒げてしまう。

…が、セフンは動じない。



「ビールっ腹でも僕は側にいるよ。」

「え?」





「ぷくぷくしてもずーっと側にいてあげれる。」



俺をじーっと見つめて…
チキンをモグモグしている。






「それも…いいな。」






「え?」

「こうやってセフンが慰めてくれたら…

毎日頑張れる気がする…」




一人じゃ…辛いけど…

こうやって、一緒に居てくれたら…

嫌なことがあったら…こうやって笑って次に行けばいい。





「シウミンさん…」

「んー?」

「酔ったんですね?」

「酔ってねーし…」




彼は、椅子に座っている俺を抱き起こす。

ふわぁん…と香りが霞む…




「や…めろ。酔ってない!」

「良いから!」




と、無理矢理からだを抱き締められて…

セフンの香りが充満する。





「や、嫌だ…やめろ、ダメだ。」

「シウミンさん?」





俺は…ぎゅっとセフンの、体にしがみつく…






「セフンの香水の匂い…すっごく好きなんだ。」





朦朧としてきて…

おかしくなってしまう…






臭い疑惑解消…


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【シウミン・セフン】


久しぶりのフンミンです。

微ファンタジーです。



シウミン:人間(デビューしたてのアイドル)
セフン:不人気の神様










人にはどこかしら弱い部分がある。

その部分に突け込むのだ…

じわりじわりと…





*********




シウミンさんとの出逢いは…

とある芸能人プロダクションで誰に憑こうか物色しているときだった。




狙いは、ちょっと意思が弱そうな練習生…

そんなのは見た目や雰囲気ですぐわかる。





シウミンさんは、今まで見たなかでも一番アイドルには不向きに見えた。

服もダサいし、髪の毛ももっさりしてるし…
何より自信なさげだった。





だから違う意味で気になったのだ。

"こんな子がアイドルになれるのw?"って。





僕が近づくとだいたいの子は、欲望のままに動いてしまう。

でも、シウミンさんには全く変化はなかったのだ。

こつこつダンス練習をして、歌の練習もして…誰も見ていないのに影で努力していた。










いや、…僕だけが見ていた。





















「セフン…」

「シウミンさん」



そんな強情なシウミンさんが遂に堕ちた。



「もう、俺ダメだ…

苦しい…辛いよ。」

「シウミンさん…」



僕にしがみついてきて…僕は彼をベッドに寝かせる。

それでも離れてはくれない。






「お前だけは俺の味方だよな?」

「はい。」







「お前だけ側にいれば…」

「…もう、黙って?」

「セフ…んんっ」




僕は彼がこれ以上喋らないように口づけを交わす。



「や、…」

「嫌じゃないくせに…
シウミンさんはずっと僕の口を見てたでしょ?」

「はぁ…

ん…見てた、ずっと…」






シウミンさんは…もう僕の言いなり。

僕が描いていた方向へ進み出す。






それは…

ずっと僕が望んでいたことなのに…。






「シウミンさん、僕のこと好き?」

「セフン…好き、好きだ。」






なんで、僕は嬉しくないんだろう?










─翌日─




「シウミンさん、シウミンさん。」

「ん…?」




どうやら、俺は眠りこけていたらしい。

隣でセフンが俺のほっぺをむにむにと触る。



ふ…

なんだか凄く心がくすぐったい、




「今日はエアロバイク、乗らないんですか?」

「うーん…今日は乗らない。」




セフンが触っていた手がとまる。




「…太っちゃいますよ?」

「太っても…俺の側にいるんだろ?」




お前が側にいて…
ご飯を一緒に食べて…
ときどき買い物をして…




それって凄く幸せなんじゃないかな?




「いますよ…ずっと一緒に。」





セフンが…

苦笑いした気がする。





「でも、シウミンさんはそれでいいの?」






あれ?

それって幸せなんだよな?

違うのか?




俺は彼の頬を撫でた。




「セフン、どうして泣きそうなんだ?」

「え?」






ずっと側にいるって言ってるのに…

どうして?






「シウミンさん…僕は…

なんでシウミンさんを幸せに出来ないんだろう?」

「え?」



撫でていた手を止める。






「僕だけが幸せでも意味ないのに。」






セフンはどこか苦しそうで…

撫でた俺の手を愛おしそうに頬擦りして掴んだ。





「俺は幸せだよ?」





それを聞くとセフンは微笑み泣きながら、俺のほっぺを摘まんだ。





「ほら、顔浮腫んでますよ。

アイドルなのに…」

「アイドル…?」





「忘れたんですか?

大勢ドル目指すんでしょ?!」






てせどる?





はっ…

そうだった!








俺はガバッと起きた。





「セフンも起きろ!

行くぞ!」





しかし、セフンは首を横に振り支度をしなかった。




「僕は行きません。」

「え?具合が悪いのか?」



コクンと頷く。



「じゃあ、お金置いとくから辛かったら薬買うんだぞ?

終わったら直ぐに帰るから!」







「はい。いってらっしゃい。」









それが、セフンとの最後の会話だった。













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