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坂ダ!

***坂道ダッシュ!☆EXOの妄想BL小説です。***

てのひらダンス01

【シウミン・チャニョル】

《社内恋愛》

教育係:シウミン
新入社員:チャニョル


いつアップしようかな?と思ってて放置してたので出してみようと思います。

珍しいかぷで嫌な方がいたらすみませぬ

m(__)m





こ…

これは一体どういうことだ?!




俺の隣には、氷結童顔こと教育係のミンソク先輩が眠っていて…




お互いに真っ裸だ。




こ、ここどこ?!

ほ、ホテル?!




「うぅ…ん…」


み、ミンソク先輩が、目を開けました。


「チャニョル…?

起きてたのか??」




「ミンソク先輩

こ、これは…どーゆー…ひゃっ!」



すると、ミンソクさんは俺の腰を撫でてきたのだ。



「チャニョル、大丈夫か?」

「え?…元気ですけど。」



「ならいい。」



ミンソクさんは、パンツ1枚履いてトイレに向かった。

俺は呆然とその様子を見ていた。




背中を俺はずっと見ていた。

いなくなると辺りを見回す。



ごみ箱の中に使用済みのコンドーム…

は、発見…!






そういえば…

体が怠いような気もする。






"あ、あぁ…!

そこ、いい…ぁぁん!!"




ミンソク先輩の腰を掴み無我夢中で腰を振る俺…

ふつりふつりと思い出してきた。





やっべぇ…

やっちまった。





「チャニョル、風呂入んないの?」

「は、入ります!」




トイレから出てきたミンソク先輩が声を掛けてくれて
俺はバスルームへ向かった。




ミンソクさんが気だるそうに俺をじっとみる。

うぅ…怒られる5秒前?




「言っとくけど…

お前が言ったんだぞ?」

「え?」





「"俺としたい"って…」





ま、マジですか。

俺がそんなこと口走ったせいで氷結童顔のミンソク先輩とこんなことになるなんて!




じーっと見つめて…

土下座して謝ろうかと悩んでいると…




「まだ、足りない…?」

「へ?」



視線は下へ降りている。

俺の股間は、朝の生理現象でこんもりとしていた。




「ちが…ん…んぅ!」




同時にキスをされながらバスルームへ…





キスをされて朦朧としながら…

俺はミンソクさんと出会ったところから考えていた。









三ヶ月前、俺は第二新卒として入った。

ミンソク先輩が俺の教育係である。



「おい。

何回言わせれば気が済むんだ?」


「え?」



「"え"じゃない!

誤字脱字多い!お前見返したことないのか?

やり直し。」




俺が作った資料をべしっと返された。




そう、スパルタである。

俺が朝礼で怒られるのはもうグループでの恒例のようになった。



「チャニョルは俺と同行、いいな?」

「は、はい…。」



げっ…また?!

予定を書き直すはめに…!

俺はいつ一人立ちできるの?!



俺とほぼ同時に新入社員で入ってきたカイが朝礼が終わると駆け寄ってくる。

カイとは部は一緒だがグループは別だ。



二人で給湯室へ向かう。



「えー?

またミンソク先輩の同行っすか?!

いーなー」




「全然よくねーよ…」



ほんとに嫌。

俺だって一人で行動したい…!



「だってやっぱり可愛いくて~

ハムスターみたいっす!」




可愛いのは見た目だけだよ!

全然かわいくねーよ!!




カイは新入社員なのにもう仕事をちょこちょこ取ってきてる。

…俺は同行の合間に営業もしてるためそんなに時間が取れないのだ。




ミンソク先輩は俺を雑用係にするつもりなんだ。

絶対そうだ…!



-また別の日-



「チャニョル、この見積書作っといて」

「え?」

「30分以内で。」

「えぇえ!?」




ほんと人使い粗ぇ…

ほんと嫌!やだやだ!!




席に戻って試行錯誤してたら事務のギョンスが俺に駆け寄ってきてくれた。

仕事的には先輩だが、年齢は一緒である。



「大丈夫ですか?」




ギョンスは俺に丁寧に敬語で話し掛けてくる。


「大丈夫じゃねーよ!助けてぇ~」



はぁ、と一息つかれた…が。

カチャカチャとパソコンをマウスでいじり…

共有フォルダを出した。



「ここにフォーマットありますから、これに数字入れればいいんですよ。」

「おぉ~すげぇありがとう♪」



ぺこってお辞儀をして席に戻る。




ギョンスぅ…めちゃくちゃかわいい!

近づいたときちょっといー匂いしたし…

男だけど全然ありだな。




俺の教育係とはぜーんぜん違う!!

俺の心のよりどころ!天使!!




心がピュアピュアなんだ!




って思っていたが昨日の飲み会で雷が落ちた…


部での飲み会でギョンスが一人になるチャンスを窺っていたら…

カイと二人で外にいるのを見つけてしまったのだ。



ちょっと待った!と前に出ようとしたら…

明らかに雰囲気が違う。



「あいつ、いいのは顔だけだな。

使えねぇ…」

「あいつって誰ですか?」

「チャニョルに決まってんだろ?

マジでなんもできねぇんだよ。

何度言っても覚えねぇし。」




ぎょ、ぎょんす…口悪っ!!

がぁぁん…!




「あはは、俺は羨ましいですけど…

イケメンは何だかんだ得ですよね~」



な、なんだよ!

さらっと嫌みかよ!!



「カイはチャニョルがタイプなの?」

「僕はぎょんす先輩がタイプですよ?」


「…え?」




あれ?無言…?

二人の距離…近くない?!




「ギョンス先輩…顔、真っ赤っすけど?」

「う、うるさ…」




また無言になって…チラリと近づいたら…




「ん…」




ちゅ、ちゅーしてる…!!!!

ちゅーしてるし!!





俺のマイドリーム!!

うおぉぉぉ!!




「うわぁぁぁん!!」




…そっから俺は落ち込んで落ち込んで飲んで飲んで…飲みまくってぇ…





記憶がねぇ。

さっっぱりと。












「ん…ぁ…ん…」





そして今…

なんで俺はミンソク先輩と厭らしいキスをしながら風呂に…





「ぁ…」


風呂は音が響きやすい。

くちゅくちゅとした音が響く。






ミンソクさんのツンとした胸が目に入った。

職場で暑くて脱いだ時シャツから浮き出ていたことを思い出す。

そんときは嫌でも目に入って気色悪いなって思ってたんだけど…




ピンクとか…マジかよ。

エロ過ぎるだろ?




「ひぁ…」

好奇心で、女の子の時みたいに弄ると…

女の子以上に敏感な反応をする。




やばっ…

生理現象じゃなくて本気で起きてきやがって…!!




「ぁぁん…」




あー…

もー、どーでもいいや。

俺は考えることを放棄して彼の体に吸い付いた。






狙ったわけではなくお風呂ばっかりです。


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てのひらダンス02

【シウミン・チャニョル】

《社内恋愛》

教育係:シウミン
新入社員:チャニョル






「申し訳ございませんでした!

あの日のことはなかったことに…!」




月曜日、朝…

俺は部屋の壁に向かって一人練習していた。




あの日は、どうかしてた!

ほんとに!!



あの日、お風呂が終わるとミンソク先輩はジムにいかなきゃと言い出し
俺も一緒に先輩のマンションから出た。

そう、ホテルじゃなくて先輩のアパートだったのだ。




「んじゃ。」

「お疲れ様でした。」




まるでいつもの会社帰りのようだった。




そして次の日は日曜で休みだった。

ずっと落ち着いて考えてたけどなぜそうなったのか全く思い出せない…!



先輩のピンク色のアレばっかり思い出して、さらに下のアレも可愛くて…

いや、流石に致してない、致してないぞ!!




…すみません、致しました。(独り身の勝手な懺悔)




そして月曜日…ついにきてしまったのだ。

俺はあの日のことは、無かったことにしようと言う答えに行きついた。




だってなんでそうなったか覚えてないんだもん…

その場の勢いとしかいいようがない。



俺はスーツをきて会社に向かった。



部での飲み会の次の日は、上司たちにお礼の挨拶回りをしないといけない。

大目にお金を払ってもらったお礼でもある。




いつもより早めに会社に行くと…

ミンソク先輩は既に座っていてパソコンを開いていた。





「お、おはようございます!」

「おー」


パソコンに顔を向けてて全くこちらを向かないミンソク先輩。


「の、飲み会ありがとうございました。」

「おー。」



あぁ、氷結!!

こ、言葉が出てこない…!




暫く黙ったまま突っ立っていると…




「なんか用か?」

「いえ、なんでも!」




「はぁ?…突っ立ってると邪魔なんだよ。」




くぅぅ…

お、一昨日と全然態度違う!




…あ、でもお互いに忘れたい過去かもしれない。

そう思うとちょっと寂しくも感じる。

いそいそと席に着いた。




一昨日はあんなに可愛かったのに。

俺は、気持ち良さそうによがる顔を思い浮かべた。



"んぁぁ…"



あ、やっぱしかわいーかも…




「いだっ!」

べしっとファイルで叩かれた。




「何ぼけっとしてんだよ!」

「べ、ベッキョン!」



イライラしている同期…

因みに部は一緒だが課が違う。



「おん前、酔いつぶれるの禁止!

デカい図体の奴が酔っぱらうとめんどい!!」

「…と、いいますと?」

「覚えてないのか?!」



俺はどうやらすぐに酔い潰れたらしい。

もう一件と煩い俺をミンソク先輩が責任もって付いてったらしい…




「マジでミンソク先輩に土下座!

わかったな!?」




ひいぃぃ…

挨拶する前にいってくれよぉぉ!





*********


「すみません、少しお話よろしいですか?」

と、ミンソク先輩に恐る恐る声を掛けた。


「ん?」

「ちょっと…ここじゃ話せないので…」


カフェスペースに来るように促す。

…が。



キーンコーン…

お昼のチャイムが鳴った。




た、タイミング悪っ!!!!

固まった俺にミンソク先輩は声を掛けた。




「昼、一緒行く?」

「は、はい!」



なんと、ミンソク先輩はとんかつ定食の店に連れていってくれた。

同行してたのにも関わらず…実は、初めてである。





お昼時なのにそこは誰もいなかった。

ミンソク先輩曰く、穴場らしい。





「で、話ってなんだ?」



がぶりっ…

ミンソク先輩はそのあつあつのとんかつ…ではなく、千切りキャベツを頬張った。



もごもごしてる…

ハムスターみたいでかわいい…

ではなく!




「そ、その…えっと…謝りたくて」

「謝る?」




ミンソクさんにじっと見つめられる。

俺はテーブルに頭を擦り付けて頭を下げた。




「す、すみませんでした!!

凄い酔っぱらったみたいで!!」





必死に謝ると…

ミンソク先輩はとんかつにかぶりついてお茶を飲んだあと言った。



「いいよ、別に。」



先輩が上から見下ろしていて正直威圧感がある。

見てられなくて下に視線を降ろす。

と、ミンソク先輩はテーブルまで視線や首を少し下げた。





「それより俺とのアレ、覚えてる?」

「え…?」





俺はドキリとした。




先輩のうるりのした瞳。

ぷっくりと油で濡れた唇…

そして首筋…




忘れられるわけ…ない!

あんなこと、こんなこと…!




「なぁ。

今、俺エロいことされてる?」




「へ?!」




「お前の脳内で。」


酷く冷静に言うから水を飲んでると息が詰まった。


「ごほっ…!

ち、ちがっ…」

「ふぅ~ん。」



ミンソク先輩はニヤニヤしている。



「因みにどこが好き?」

「え…?!」


ミンソク先輩は俺の胸らへんを凝視する。


「ここ?…それとも…?」

と、下半身に視線が…

わっわわわわわ

何いってるんですか!」



「静かにしろ。」

って言われて口を人差し指で押さえられた。



「んっ…」


そしてその人差し指を突っ込まれて…


「舐めて?」




高飛車そうな先輩が俺を見つめるのだ。



俺は逆らうことなく指を舐める。

だって怖いからだ!

好きでやってる訳じゃない!



その顔を見て満足そうな先輩。



「ふ、犬みたいだな。」



バカにされてるのに嫌じゃない…



はっ…

なにしてるんだ俺!


「こ、こんなとこで

か、からかわないでください!」



指を口から引っこ抜いた。





「あ、あの、あの日のことなんですけど…」

「ん?」

「…なかったことに。」




「え?何?聞こえない。」

「なかっ…「お待たせしましたぁ~葵定食です~」




俺の声は掻き消された。

俺の定食はメンチカツや、ささみ大葉入り、そしてとんかつの彩りみどり…



「で、何?」



じろり…

と、大きい瞳が俺をまっすぐと見つめる。



しゅるしゅるしゅる…

完全に萎縮した。




「な、なんでもありません…」




うわぁぁぁぁん!!

タイミング悪すぎる!!





「そうか?

じゃあ、早く食べたら?

すみません、キャベツおかわり。」



ミンソク先輩は俺が黙っている間ぱくぱく食べてるためもうカツはなくなっている。



うぅ…



「…おいしい。」

「だろぉ?」




キャベツをもごもご食べる先輩はやはりかわいい…




「いらっしゃいませ~」


そして、食べ終わる頃にお客さんが来た。

そのお客さんは沢山席が空いてるのに目の前にやって来る。


「隣、いいかな?」

「え?」




彼は蔓延の笑みでミンソク先輩を見ている。



「ミンソク、やっぱりここにいた。」




ミンソク先輩の目はまんまるに開かれた。



「る、ルゥハン?

…どうしてここに。」



ルゥハン…さん?

会社の人だろうか…見たことないけど…




すげー、イケメン…!




「本社に用事があってね…

今中国から帰ってきたんだ。

丁度お昼だったけど、ミンソクならここにいるかなって…」




「…ああ、そう。」

ミンソク先輩は財布を取り出してお金をテーブルに出した。



「俺らはもう飯食べたから、ごゆっくり。」

「え?

ミンソク、ちょっと待ってよ。」



ルゥハンさんは、ミンソク先輩の手を掴んだ。



「…なんだよ。まだ用か?」



ミンソク先輩は睨み付けていた。



「せっかく会えたのに…」

「お前はいいけどな、俺らは貴重な昼休みなんだよ。」


暫く掴んでいたが、ルゥハンさんは手を離した。




「…わかったよ。

また連絡する。」



ちらっと俺と目があった。



「あ、雰囲気悪くてごめんね?

後輩君」

「え…あの」



俺に向かって言った。

無理矢理笑ったように見えた。



「行くぞ」

すると、ミンソク先輩がぎゅって手を握ってきた。



お店を出ると俺はそっこー聞いた。



「ミンソク先輩!

あ、あんな扱い酷くないすか?!」




「いーんだよ…!

それより…」




ドキリ…

ミンソク先輩の目が俺をまっすぐと見つめる。






「キスしたい。」







ルゥハンさん登場。


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てのひらダンス03

【シウミン・チャニョル】

《社内恋愛》

教育係:シウミン
新入社員:チャニョル







「キスしたい。」

「へ?」




俺は、目が泳ぐチャニョルを会社の個室のトイレに連れ込み…


「ちょ…せんぱっ…んんっ!!」




一方的に夢中でキスをしていた。

むしゃくしゃする気持ちを掻き消すために。



-三ヶ月前-




「もう我慢できない。

別れよう。」




何度目かの別れ話。



「ミンソガ怒らないで~?

いつもみたいに許してよぉ。」



ルゥハンは、いつものようにじゃれてくる。

そして…


「で、仲良ししよ?」

と、耳元で囁いてくるのだ。




ルゥハンの手が俺の胸を撫でる…

それをはね除けるために立ち上がった。




「しない!

今度の今度こそさよならだ!

出てけ!」




「えぇ~?」





ついに同期のルゥハンを振った。

ルゥハンの浮気は、もう癖のようなものでいつも俺を裏切っては謝ることを繰り返していた。


いつもこのパターンだ。

"仲良しエッチは格別なんだよねぇ"



って…いつもいつもいつも!!

俺のこと全然考えてなかった。



限界なのに、だらだらと流されてしまいなかなか別れることが出来なかったのだ。




何故かって?

もちろんあの"顔"だからだ。

あの顔で求められたら誰だってコロッといってしまうだろう。





はぁ…

俺はやたらいい顔が好きらしい。





…かなり好物だ。





顔が良ければすべてよし。

綺麗なものは側に置いておきたいのだ。

だから、結果的に中身が微妙な奴ばかり付き合ってしまう。





しかし、痛い目を見た。

顔だけじゃダメだ!





次付き合うのは中身もまともな奴!!

…と、目標を決めた!




そのあと丁度よくルゥハンの海外転勤が決まって、あいつは俺になんも言わずに中国に向かった。





もう完璧に終止符が打たれた。

意外にあっけなかった。





これを期に恋愛は暫く休もう。

仕事に集中しよう。





そう思っていたら…なんと激務の最中に中途が入ってくると上司に言われた。


「ミンソク君、中途採用の教育係になってくれるかな?」

「教育係…ですか?」


俺は眉間にシワを寄せた。


「なんで今なんですか…」

「まぁ、最近第二新卒枠ってのが会社に導入されたからね…

試験的に定期採用してるみたいだ。

で、今回はこの部署らしい。」

「はぁ…」


結局、誰にも割り振ることが出来ず自分が教育係になった。


「パク・チャニョルです。

よろしくお願いいたします。」


そして、誰が見ても振り返るようなイケメンが俺の前に現れた。

高身長…そしてその顔に似合わない低音のボイス。




うわっ…顔面ストライク!




が、しかし…

一瞬で気持ちは萎えた。




社内恋愛なんて冗談じゃない!

ルゥハンの場合は転勤したからいいものの振られた場合、別れた場合リスクが高すぎる…




神は、意地悪だ。

折角仕事に集中しようと思っていたのにこんな奴を俺の側に置こうとするなんて!





プライドをズタズタにして…できれば辞めて欲しかった。

しかし、いつやめるかわからないから側に置いておく。

そう、俺がしていることは矛盾していた。




結局、彼の顔が好みだから側に置いておきたいのだ。





目の保養。

それだけのために。












それだけだった…んだが。

飲み会でついにやっちまった。


「うわぁぁぁん!!ベッキョナー聞いてよ!!」

「うるせーよ!

そんなでかい声じゃなくても聞こえてるよ!」



部の飲み会…チャニョルが泥酔していた。

解散になったのに勢いは納まらない。



「もぅいっけぇぇん!」




ベッキョンが嫌々ながら肩を抱いている。


「お前、酔っぱらい過ぎなんだよ!

タクシー呼ぶから一人で帰れ!」

「いやぁだぁ~!一緒いくぅ~」

と、明らかにバランスが悪くて千鳥足で上手く歩けない。



「うわわっ、重いって!」



無視しようと思ったが反射的にベッキョンの体を支えようと前に出た。


「大丈夫か?」


よろめいたベッキョンを支えると…

目があった。



"もちろん、手伝ってくれますよね?"

的な子犬のような視線。



仕方なく空いているチャニョルの肩を下から支えるように肩を組む。




「ありがとーございまーす!」



…全く。

明らかにお願いしたくせに。



「もう一件ぇぇん!!」

「わっ」

と、ベッキョンではなく俺に抱き付いてくる。



「さ、触るな…!」



リーチが長くがっちりと抱き締められて逃げられない。

体を動かしても無駄な抵抗だった。




ああ!

過剰なスキンシップは困るんだってば!



逃げたい気持ちで歩いていると、今回の主役…

昇進した課長が手招きする。




「ベッキョン君~二次会行くよ~!」

「はい!…あ、でも…僕…」

と、こっちをチラッと見られた。




はー…




「ベッキョン、二次会行きたいんだろ?

俺がチャニョル送ってく。」

「え?!ほ、ほんとですか?」

「おー。」


ぶっちゃけ二次会に行かなくていい理由になったから結果オーライだ。




「ありがとうございます!」

と、何度も言われて彼は二次会へ向かった。










「おい、タクシー掴まった…って、

チャニョ…?!」


やっと掴まったタクシーに乗せようとすると居なくなっていて近くの飲み屋に入り込んでいた。


「すみませ~ん、ふたりぃ!

生二つ!!」

「ちょっ…お前は勝手に…!!」


「あいよ!」



仕方なく、俺はチャニョルが座った隣のカウンターに座る。

突っ伏したまま寝ている…。

…かと思いきや起き上がった。



「うおぉぉぉ~聞いてくださぁい。」

「なんだ?」



「好きな子をとられましたぁ!」

「好きな子?」

「はいぃ…。慰めてください…」



「…ヘタレだな。」

「ひ、ひどぉおおおおい。」



と、言って生ビールを極々飲み始めた。



「どーせヘタれです。」

「おー。」




「どうせ!ヘタれですよぉ!

うわぁぁぁん!!」



う、うざい…。



散々叫んだあとリバースして寝やがるし。

チャニョルの家がわからず結局自分のアパートへ向かった。



「ベッドで寝るな、お前は床!」

「うぅ…苦しい。

…吐きそう…!」



「吐きそう?!脱げ!」



自分の部屋着くと、急いで彼のネクタイを緩めた。

ふわりと、アルコールの臭いと汗臭さが混じった匂いがした。




久しぶりの人肌…

そして匂いにどきりとする。




いやいやいやいや…!

頭を振り払う。




彼のワイシャツのボタンをプチリプチリと取り外していく。




汗びっしょりの彼のワイシャツを脱がすだけ…

ズボンがシワにならないように脱がすだけ…


「うぅ~ん…」



それだけで何も他意はない…はずだ。

ドキドキドキドキ…



つい、シャツの臭いをすん…と、嗅いだ。

最近はご無沙汰だったため体が疼く。




もうちょっとだけ…

すん…すん…




「…何してるんですか?」

「え?」



起きるはずのないチャニョルの目がぱっちりとしていて俺を見ていた。



「べ、別に…なんでも」


まずい…

俺は見ていられず視線を外す。


「俺のこと、慰めてくれるんですか?」

「バカか…早く寝ろ。」




俺は、さっさと服を脱がせるとその服を洗濯機に入れ込んだ。



このまま風呂に入ろうと服を脱ぐ。

バスタオルをとろうとすると目の前にいて抱き締められた。




「チャ…?」

「凄くいい匂い…。」


「ひゃっ…」


俺の体を抱き締めて…

すんすんと臭いを嗅ぐ。


「反応いいですね…エロ。」

「ば、ばか…やめろ。」


逃げようと身じろぐ…

流石に俺も変な気分になっている。



じりじりと近づく…

ああ、逃げられない。



「…先輩が俺のこと誘惑したんでしょ?」

「え?」



酔ってるはずなのに、彼のアレがお腹に当たる。



彼はキラキラした瞳で俺を見つめ…

ゆっくりと近づいてきて…



「ん…」

唇が重なった。




誘惑されてるのは俺のほうじゃないのか?

久しぶりのキスをはね除けることなんて出きるはずもなく…




あとは流されるままだった。









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てのひらダンス04

【シウミン・チャニョル】

《社内恋愛》

教育係:シウミン
新入社員:チャニョル

ルゥハン:??





な、なんだよ…!

ミンソク先輩が誘ってきたくせに…(そしてまんまと乗った俺。)

一時のチャイムが鳴ったとたん




「早く戻れよ。」




って!!!!

俺のJr.はどうすりゃいいんだよ!!

くそぉなんて自分勝手な先輩なんだぁ!

と、先に戻ってきたら…




「チャイム鳴ってんぞ。」

「ちょ…」



ベッキョンが大きな声でかつわざとらしくいい放つ。

みんなの視線がこちらに集中して刺さるほど痛いっ…!

その視線に耐えられずヘコヘコお辞儀をしてしまう。



「なんで聞こえるように言うんだよ…!」

「イケメンだからちょっとくらいダメだって許してくれんだろ?」

「な、なんだよそれっ酷くね?!

ミンソク先輩みたいな扱いすんなよっ!」




「はぁ?誉めてるし…」

「え?誉めてるの??」



わけがわからなくなっていると…




ざわっ…

何か雰囲気の違いに顔を上げたが、視線の先は俺ではなかった。




営業部の部長に挨拶している人物がいてその人を見ている。


「きゃー!ルゥハン課長来てる!

挨拶しなきゃ!」

「挨拶の前に化粧直し!」

「「だねー!」」

と、女性社員は色めき立ち…化粧室に向かってしまう。



俺もその方向をみると…



「あ、あの人…!」

「え?知ってんの?」



とんかつ屋でみた…

ミンソク先輩がぞんざいな扱いをしたイケメン!



「知らないけど、さっき見た!」

「はぁ?」



すると後ろからギョンスが通りすぎ様にぼそりと話す。


「あれは、海外営業部のルゥハン課長だよ。」

「「えっ…」」



俺たちはビックリして振り向いた。

「ぎょんす…さん。」←何でかさん付け。



「飛ぶ鳥を打ち落とす勢いの出世コースまっしぐら…なんと天使のような甘いマスクにも関わらず物腰も柔らか…

抱かれたい&結婚したいNo.1の連続記録保持者…」

「へぇぇ…」



だから、なんかここのフロアの雰囲気がピンクっぽいのか…!



女子、女性の眼差しが熱い…

も、モテの大御所…!



「今日帰って来たのは、もしかしたら…会議に託つけた実はお見合いとかじゃないかなぁ?」

「え?!み、見合い?!」

「ま、あくまで予想だけどね。

海外にいるのにわざわざ帰ってくるなんてよっぽどじゃないと…」



「い、今でもあるんすか?

そ、そーゆー見合いとか…」



俺もそんなこと言われたらどうしよ…!←



「ほぼないけど、あれだけ目立てば目に留まっちゃったのかもね。

ま、それだけ能力的にも上の人は逃したくないってことだよ…

縁故が一番手っ取り早いからね。」




うはぁ…

とにかく凄い人っぽい…




カチャカチャカチャカチャ…

ベッキョンはその間隣でパソコンで社員情報を見ていた。



「ミンソク先輩と同期なんですね~」


と、ベッキョンが言った。

確かに、タメ口だったしな…


「そう、昔は仲良かったよ。」

「…昔?」



俺は耳を傾けた。



「そ。前はこの部署にいたからさ。」

「えー?!あのキラメンが?!」


ベッキョンは目をキラキラさせてぎょんすさんに聞いている。

ぎょんすは頷いた。


「懐かしいなぁ…

ミンソク先輩にいっつもルゥハン課長くっついてて…」

「えぇ?!」



あの氷結ミンソク先輩に引っ付いてた?!

お、恐ろしい…!

凄い人だ…



「うん、ルゥハン課長あまりにもベタベタするから最初すんごい迷惑そうにしてたんだけど…

いつのまにか二人がいることが当たり前になってたな。」

「へぇ…」



そうなんだ…

何だかもやもやしてきた。



ベッキョンはふむふむと話を聞いていたが…納得したように言った。



「なるほどねぇ…

ひたすらくっついてた同期があっさり昇進か…

ミンソク先輩もそらチャニョルにイラつくわな。」




「な、なんで俺出てきたんだよ!」


「あったり前だろ!

お前が仕事できねーとミンソク先輩の昇進に響くだろ?」

「そ…」



そうなの…?



きゃー…

悩んでたら色めき立ちたった声がこちらにきた。


真っ直ぐにこちらにやって来る。



「ギョンス、久しぶり~。」

「ルゥハン課長、お久しぶりです。」



うわっ…

笑顔がかわいい…!

女の子みたいだ。



「これお土産ね。」

「わー、ありがとうございます。」


ルゥハン課長はきょろきょろを回りを見回す。


「ミンソクは?」

「あ、外出してます。」

「…そっか。」




すると、俺と目があってこちらをじっとみた。



「君、ちょっといいかな…?」

「え…?

俺、いや僕ですか?」




「そう、君。」




ルゥハン課長はにっこりとまるでダイヤのような輝きで笑った。








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てのひらダンス05


【シウミン・チャニョル】

《社内恋愛》

営業部教育係:シウミン
新入社員:チャニョル

海外営業部課長:ルゥハン





俺とルゥハン課長が向かった先は…一階にあるカフェだった。

ここのビルの社員は二割引で飲むことができる。

お昼を過ぎたばかりだからかここの社員の人は居なかった。



「奢るよ、なに飲む?」

「え…っと、じゃあアメリカンで。」


とにかく一番安いものを選択っ…


「了解。じゃあ席取ってて」

「は、はい!」



暫くするとルゥハン先輩がコーヒーを持ってきてくれてテーブルにことりと置いた。



「はい。どーぞ。」

「ありがとうございます。」


俺は、ふー…と熱いので冷ましているとルゥハン課長は普通に飲んで言った。


「ごめんね、急に…びっくりしたでしょ?」

「え…いや」



「顔がひきつってたよ?」

「す、すみません…!」


ふふっと笑う顔も、ほんとにふんわりしていて…栗色のふわふわした髪が彼の笑顔をより引き立てる。

ほんとに女の子だったらコロリであろう。

ゴキ○リみたいな表現ですまないが…それくらいの殺菌、滅菌効果抜群である。




「いや、別になんてことない話なんだ。

…ミンソク、元気かな?って思って。」

「え?」




ミンソク先輩??




「げ、元気…だと思います…けど。」

「あ、ほんと?」



ってかさっき会ったのに…なんでわざわざ俺に聞くんだ?

不思議そうな顔をするとルゥハン課長は続けて話した。



「俺、ミンソクと同期なんだ。」

「さっきぎょんす…さんに、聞きました!」

「そっか…転勤をきっかけにちょっと話難くなっちゃってさ…」



少し悲しげな表情…

そんな顔をされると課長ということも忘れて肩を抱きたくなる…




って、俺誰でもいいのかよっ!

一人突っ込みする。




「なんかイライラしてたっぽいからさ…

俺がいない間に何かあったのかなって…心配になっちゃって。」




ミンソク先輩、あんな冷たい態度だったのに…ルゥハン課長は優しいな!




マジで天使!!




「だ、大丈夫です…。

俺が仕事出来ないからミンソク先輩はイライラしちゃてるだけなので…」

「え?」

「ミンソク先輩は俺の教育係なんです。」


ルゥハン課長の目がちょっと見開いた気がした。



「へぇ…教育係なんだ。」



コーヒーをまた一口飲んだ。



「俺、いっつも叱られてばっかりで…

そのせいでイライラしてるのかもしれないです…すみません。」





「…怖いんだ?」

「え、はいっ!」




即答するとルゥハン課長はぷっと笑った。



「ミンソクは、いいやつだよ?

…叱られて今はちょっと怖いって思うけど…

ちゃんと君のこと一人前にしたいって思ってるから。」



「そ、そうですよね。」



同期の悪口みたいなことを言って不快に思ったかもしれないっ…焦ってるとぽんっと肩を叩かれた。



「…でも、やっぱし怖いよね?

わかるよ~俺も最初そうだったし。

そんときはまた俺に相談しなよ?

ミンソクの愚痴なんて他の人には言えないでしょ?

あ、なんならライン教えとこっか?」




「は、はひ…」



ふわり…と、また笑ってくれて…

俺もふにゃ、ってゆるんで笑ってしまった。



ルゥハン課長はミンソク先輩のフォローもしつつ…

俺の愚痴も聞いてくれた。





凄い…

凄いよこの人…!!







そう、俺はこのとき完全に心を許してしまっていたのである。










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