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坂ダ!

***坂道ダッシュ!☆EXOの妄想BL小説です。***

憧れの人39【完】

妖精さんは僕のものスピンオフ第2弾!

【ベッキョン・チェン】

melody fairy:遊園地発信のアイドルグループ
"歌のお兄さん"をコンセプトにした、親子をターゲットに活動する。

children:melody fairyのファンの名称

ベッキョン:歌手の卵
スホ:俳優の卵
セフン:人気モデル
チェン:ミュージカル俳優
レイ:中国で活躍中のタレント



[ベッキョン]


初回のめっちゃ夏祭りは大成功に終わった。

その日からネットでのファンクラブ会員や遊園地の来る人が明らかに増えたらしい。

気がつけばもう、"めっちゃ夏祭り"は遊園地の人気パレードと並ぶ混雑になっていた。



「チェン~、カイみたいに僕もステージにチェンを連れていきたいよ。」

「また言ってるっ!俺は嫌だからね。」



「だってぇ~…」


べりっ


「ちょい!くっつきすぎだっつの!!」



二人を引き剥がすのが最近俺の仕事。

日に日に仲よくなっていくレイとチェンを見るのが流石に辛くなってきた。



レイと目が合う。

にっこりと微笑む。



…もしかしたら、俺がお邪魔虫なのか?

なんて思ったりもする。



だってレイといる方が明らかに雰囲気は柔らかいし言いたいこと言ってるような気もするし…

カプでずっと一緒にいる時間が増えてるから尚更?


「ベッキョナ~酷いよ。」

「レイが変なこと言うからだよ。

変なことはしないでね。」



チェンがレイを見て笑ってる。



俺はほんとに二人の邪魔…

してるわけじゃないよな?




とくんと胸が痛くなる。

俺が漫画の所謂…ライバル役?


ズキン


そう思うと二人の間に挟まるのがちょっと憂鬱になってきたのだ。




***********

-数日後-



俺は、練習の合間…チェンを見ていた。



「はぁ…」

「最近絡んでこないね。」

「え?」



レイが俺をじっと後ろから見ていた。



「ぎゃっ」


思わず後退りする。


「いや、べ、別にっ」

「ふーん…」




そう言って隣に座った。

う…なんか緊張する。




レイとこんな風に二人でいるなんて…




「レイ…俺、聞きたいことがあるんだけど。」

「いいよ、なんでも聞いて。」



ああ…

ここで言っちゃっていいんだろうか?



「チェンと本当にカップルだったり…する?

な、なーんてっ!」



つい…なーんて!

と、言ってしまった…!




俺のバカッ

ほんとのことなんて言うわけ…




「あー、僕はもうすでに振られてる。」

「え?!

あ…そ、そうなの…?」



レイはなんてことないように頷いた。



「うん。」



ほっとしたようなそうでもないような…

だってそれでも気まずくなく仲良しだ。



「毎日"愛してる"って囁いてるけどね~。

ガード固くって。」



「あ、愛をさささささっ…?!」


ちょっと心が追い付いてないっ!


「チェンには、本気だと思われてないみたい。

でも、本気だよ?」

「お、俺だって…本気だっ」



はっ…

思わず口を食い縛ってるところを見られた。



「あ~やっぱり好きなんだ!」



レイはにこにこしていた。



「わ、悪いかっ」

「んー?悪くないむしろライバルがいると燃えるから。」




「はぁぁ?!」




「おーい、集合しろ~」




スホひょんが号令をかけた。

レイが握手を求めてきた。







「ベッキョンの気持ちが分かってよかった。」

「へ?」



「お互い正々堂々と闘おう。」



レイは笑顔を俺に向けてきた。



「え、ああ…!」




その手を握ると…




「いだだだだだっ」



思いっきり手を潰すように握られた。



「なーんて言うと思った?

絶対負けないよ?」



やっと振りほどかれた。

ジンジン痛いっ!



「こ、このや…」


するとずんずんスホひょんがやって来る。


「お前らーっ何やってンだッ!!

練習するぞっ」





「「はーいっ」」





これから、俺たちはチェンをモノにするべく…

正々堂々…いや、卑怯なやり方も込みで戦うことになった。





【終わる】


鍵コメC様。
リクエストありがとうございました。
途切れ途切れになりほんとに申し訳ありませんでした。

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憧れの人38

妖精さんは僕のものスピンオフ第2弾!

【ベッキョン・チェン】

melody fairy:遊園地発信のアイドルグループ
"歌のお兄さん"をコンセプトにした、親子をターゲットに活動する。

children:melody fairyのファンの名称

ベッキョン:歌手の卵
スホ:俳優の卵
セフン:人気モデル
チェン:ミュージカル俳優
レイ:中国で活躍中のタレント



[ベッキョン]


「全く、なんなんだッコソ練するならすると言えっ!」

スホひょんがずんずん歩いてきた。


「それ、コソ練じゃないです。」

と、カイが突っ込む。


「ひっそりしっとりこそこそちちくり合う…

それがコソ練…です!」

「ああ、そうなんだね~」



レイさん納得。



「って、ちっがーうっ!

変な教え方するなっ!」

と、ミンソクさんが突っ込む。


ずっとレイと練習していたチェンがこっちにやって来た。


「はぁ~、ちょっと休憩~」

「お疲れ様~」

と、ギョンスが飲み物をチェンに渡す。


「あ、ありがと。」

チェンはそのミネラルウォーターをゴクゴク飲んだ。


レイの練習は結構大変らしい…


「チェンさ…無理してない??」

「え?」

「あと数日でカップルダンスとか…

普通無理だって。」


レイは無茶振り過ぎる。

それをチェンに負担する必要なんて…


「ん~、まぁそうなんだけど…」

と、ハの字眉になった。


「こーゆー無理はいいかなぁ~って。」

「え?」

俺はチェンを見た。
玉の汗が額からすっと頬へ落ちる。

「あはは、変だよね。

無理だって思いながら逆にやってやろうって思えてくる。」



きゅん…



「チェン…」



か、カッコいい…

なんだこのナムジャ感…!



レイの無茶振りはチェンにとってプラスになるのか?

それってお互いが切磋琢磨で良い関係…に、なるのか?


あまり認めたくない…
でも、本当にそうだとしたら…!



「あ、でもレイにお尻もまれるのはちょっと勘弁だけどね~」



れ、レイーーっ!!

やっぱり許せんッ!!



ここから、チェンを取り返すべくペペロゲームや焼き肉で隣になろうとしたり…と、いろいろ試みるが…





毎回レイに勝てない日々が続くのである。








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憧れの人37

妖精さんは僕のものスピンオフ第2弾!

【ベッキョン・チェン】

melody fairy:遊園地発信のアイドルグループ
"歌のお兄さん"をコンセプトにした、親子をターゲットに活動する。

children:melody fairyのファンの名称

ベッキョン:歌手の卵
スホ:俳優の卵
セフン:人気モデル
チェン:ミュージカル俳優
レイ:中国で活躍中のタレント



[ベッキョン]


「スホひょん、俺も朝練行くわっ」



バンッ…

俺はスホひょんの部屋を出た。



「え?!ちょ、打ち合わせは…

っていないっ!」



荷物を持ってすぐに寮を出た。

スホひょんに捕まるわけには行かないのだ!



チェンが危険!

レイと一緒にいるのだ…!
(ミンソギひょんやカイもいるけど。)



タタタタ…

すると誰かが追いかけてくる。



「…あれ、ギョンスも付いてくるの?」

「あれじゃ、何回も練習させられていつ終わるかわからなそうだ。」



確かにっ…!



「じゃ、一緒に行こう!」


俺たちはふたりで練習場に向かった。


遊園地の中は広い。

やっと、練習場に着いて階段を登っていた。



「ねぇ」

「ん?」


ふいにギョンスが話しかけてきた。


「ベッキョンはチェンが好きなの?」

「ゴホッ…な、何言って…!」



突然の質問に思わず喉が詰まる。



「んふふ、やっぱりそうなんだ…」


にやにやする。


「わ、悪いかよっ!」

「いや、むしろいい…応援するよ。」


お、応援…?


「そりゃどうも…」

「レイさんは要注意だよね。」



「え?!」

「危険な香りがする。」



か、香りッ?!



「チェンも誘惑されないといいけど。

ま、誘惑したもん勝ちだよね。」




ガチャ…




「ミンソクさん!」



カイがドアを開けた瞬間こちらを見た。

しかし、俺は違う方を見ていた。



某童話アニメーションのように二人で手を合わせ目を合わせている二人…



そう、レイとチェン!!

な、ななななななななっ!!!

びしっと、指を差す。





「おまえらー!抜け駆けしやがって!」





レイ許すまじっ

…と、思ったが俺らを見てニコニコしてるチェン。


「あ、ベッキョナ~、ギョンスも!

二人とも朝練にきたの?」

「お?おおおおおう。」



正確には四人が朝練に行ったと聞いたから来ただけだけどっ



「レイがカイにダンス教えてもらうって言ってたんだけど、覚えが早くてすぐ終わっちゃって…で、今俺がカップルダンスの指導されてるとこ。」


ハの字眉で笑うチェンにドキドキしていたら話を聞き逃しそうになった。


「か、カップルダンスだって?!

めっちゃ夏祭りの?!」



って、期間ないのに?!



「うん、レイがしたいって。」



横でチェンの肩を撫でながらレイが頷く。

こ、こいつ…!



「俺も力になりたいなって思ってて、でも力不足で…」

「何言ってるの~、僕がわがままなんだよ。」



な、なんだこの空気ッ



「もうちょっと二人で練習するから、また後でね。」

「え。ちょ…」

と、行こうとするとギョンスに止められた。




「とりあえず今は身を引くべき。

さ、練習練習。」


と、床に引っ付いてるのに服を引っ張られた。

ち、ちっさいくせに力つぇぇっ



ずるずるずる…

な、なぁぁぁんでぇぇ~




「カイ、ダンス教えて。」

「あ、はいっす!」




そのあとは遠くから暫く二人を見守るしかなかった。




***********



「体をこう、くねらせるんですよ。」

「こう?」



練習は意外に楽しかった。



「そそ、お腹をもっと引っ込めてって違うっその引っ込めるじゃなくて骨盤をこう…」



「あっは~ん」


カイの腰のタイミングでアテレコする。


「ぶはっ…!」



カイが吹き出してお腹を抱えた。



「やめてよ…こっちは真剣なのにふふ。」



ギョンスも微動だにしないが肩が震えている。

結構いい感じ?


「なんだよ、この部分は"あっは~ん"ってアテレコがぴったりだろ?」



脚をこう大股で腰をゆっくりと動かす動作は、カイがやるとそりゃもうエロティック~ひと夏のアバンチュール~である。



そう、男版"あっは~ん"なのである。

女は虜になること間違いなし☆



カイは俺が真似するとすっごい笑顔で笑いを堪えて顔が破壊される。

それが可笑しくて調子にのって何度もやる。


「そ…や、やめ…くくくくく」

「も、ベッキョンやめろって…」


おお、ダンスに集中出来ないレベルに至ってしまったようだ。


「カイ、もーベッキョンはいいから教えてよ。」


ギョンスが俺に背を向けてダンスを開始しようとする。

チラッと見てまた笑うカイ。


「っ…そうっすね、くく」

「あー、ギョンスずるい!

カイを独り占めするなよぉ!」



いつの間にか結束されてる二人。



「だって~ベッキョナがいると集中できないよ。」

「そーだそーだっ」



「お前らっ俺をハブるなっつの!」

「真面目にダンスしてよ。」

「真面目にやって"あっは~ん"なんだって」



「ぶはぁっ」



カイがまた吹いてお腹を震わせた。



「も、埒が明かないっす!

ギョンスひょん、歌教えて下さい~」

「うん、もちろん。」



まさかの歌練?!



「カイ~俺も教えてやるぞ?」

「ベッキョンは不意打ちで笑わせるからやです。」




「何ーー!?」


ギョンスが耳を押さえてる。


「ほら、カイ始めよ。」

「おいっ俺も入れろ。」



「もー、10分は無駄してるって。」



え、もう10分も経ってるの?

ミンソクさんいなくね?

と、思ったらいつの間にかミンソクさんが隅っこにいる。



チェンが背中を撫でてる。

え、具合悪い…?

カイに伝え…



ガチャ!

ドアが開いた。




「おまえらーー!

なんで、俺を置いてくんだぁぁ!!」





なんと一気に騒がしくなり…

結局、そのまま普通の練習になった。







しうちゃんの存在が薄い…

『妖精さんは僕のもの18』

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レイ:中国で活躍中のタレント



[ベッキョン]



「ベッキョナ、ギョンス~ちょっと来て。

打合せしよう。」



朝ご飯を終えると、俺とギョンスはスホひょんの部屋に呼ばれた。


「打合せってなんすか?」

「もっちろん、インタビューだっ!」

「ええ?!」



スホひょん…

か、関係ないのにっ



「打ち合わせって具体的に何をするんですか?

内容もわからないのに…」


ギョンスが真面目な顔でそう言った。


「もちろん、二人に関することに関しては自由に答えていい。

しかし…これはビジネスだ!」


「「え?」」


「二人は仲良く話ながら毎日の公演の日程、CDやDVDの宣伝、あわよくばファンクラブの入会募集も頼む!」



ど、怒濤過ぎるしっ!!!



「そ、それ番宣みたいな感じじゃないですかっ!
俺らは自分で発信するわけじゃなくインタビューされる側で…ギョンスもなんか言えって!」


俺はスホひょんに抗議した。

ギョンスは聞いてるのか座ったままだ。



「…面白い。」

「え?!」


俺はギョンスを見た。


あ、あの顔だ…

ポッキーくわえた時と同じ顔!!


「やりましょう。

スホひょんの貪欲な姿勢、気に入りました。」

「おお、引き受けてくれるか!」



何故かギョンスとスホひょんが手をぐっと掴んでいた。



「えぇ?!

ギョンスど、どーすんだよ?!」



「それを今から考えるんだろ?」



にやりと笑う。

う、うそーん…




***************


「お二人のペペロゲームが話題になってるみたいですね。」

スホひょんがマイクを向ける。

「あ、はい…僕もビックリしたんです。

僕達毎日遊園地でコンサートしてるんですが、合間にミニゲームみたいなものを挟むんですよ。
で、それがたまたまペペロゲームで…ギョンスがこうぐっと来て…あ、これ最近出たCDなんですけどこれをくわえますね。」

「んっ…んん」

「ここからは僕が説明すると…僕らはあまり接点がなくて…あ、不仲とかではなくカプというのをファンの方の投票で決めてるんです。

今回は意外な一面があったらしく…そのカプ投票に変動がありました。

みなさんの愛を感じましたね。」


にっこり笑うギョンス
※DVD見せながら。


「カーット!」


スホひょんが言った。


「いいっ!!オッケー!本番もよろしく!」

「ほんとにこれやるの?」



なんで俺がCDくわえないと…



「今更ですけど、カイとミンソクさんはいいんですか?」

「あーっそうだったな!

よし、連れてこよう!」



ガチャッ

と、スホひょんが部屋を出た。



あー、よかったっ!

俺みたいにミンソクさんもCDくわえさせられればいいっ!



…が、しかし!

すぐにスホひょんがとぼとぼ帰って来た。



「もぬけの殻だった…」

「「え?」」

「みんなご飯食べたあとすぐに朝練に行ったとチャニョルが…」


朝練?!


「うわー、ラブラブ大作戦実行中っすねー!

って、みんな?」



「ああ、チェンとレイも。」

「えーーーーっ」





ぬ、抜け駆けーっ!!!








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憧れの人35

妖精さんは僕のものスピンオフ第2弾!

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セフン:人気モデル
チェン:ミュージカル俳優
レイ:中国で活躍中のタレント



[チェン]


朝起きると、レイは居なかった。



「…?」


少し言い過ぎたかな…

何処かでしょげてたりして?


しかし、リビングに行くとレイはスホと話をしていた。



こんな早く何してるんだ?



「"めっちゃ夏祭り"のことなんだけど…」


こしょこしょ二人で話してるみたいだ。


「え、来週だぞ?!」

「わかってる。

でも、チェンとどうしてもやりたいんだ。」



…な、何の話?



「あ、チェン!丁度よかった!

こっちこい~」



スホひょんが手招きする。

俺はおずおずとそちらに向かった。



「おはよ、チェン。」

「…おはよ。」


朝はいつも通りだ。

何か言おうとする前に先に言われた。


「レイがめっちゃ夏祭りから参加する予定なんだけど、カップルダンスもやりたいって。」

「え?!」


カップルダンスは全く練習していない。

レイが居なかったのもあるし、参加意志が無かったからだ。



「今日から練習参加するからよろしくね。」


レイの無謀さにびっくりする。


「レイ、めっちゃ夏祭りのダンスもあるけど、それ以外の定例の公演もあるんだよ?

まだ来たばっかりだし慣れてから…」


と、言ったらにこにこしていた目が開く。

どきり。


「でも、やるなら徹底的にやりたいんだよね。

早くみんなに追い付きたいんだ。

だから協力してくれない?」



俺が何ヵ月も練習してきたことを一気にやるだって?


何それ。

自分は何でも器用にこなすっていいたいのか?



「…俺もいっぱいいっぱいだし。

カイに教えてもらってよ。」



はっ…俺、何でこんなこと。

思わず口に手を添える。




「うん。わかった。」




レイは気にしてないようで笑っていた。

なんか胸が痛くなる。


「っ…」


違うのに…

ただ、そんな慌てて一気にやらなくてもいいんじゃないかって思っただけなんだ。




いや、少しだけその無茶なやり方にいらだちそして…

羨ましいと思ったのかもしれない。





カップルダンス…か。





**********

そのあとはメンバーが起きてきて、リビングはとても煩かった。



昨日のペペロでドベクが急上昇。

取材が入ったらしい。



そして、圧倒的なカイミンが写真騒ぎで一気に落ちて…

そんな話の流れを耳で聞き流している間、カップルダンスが頭の中をぐるぐると回っていた。



隣にいるレイを見ると…

その流れを見てるかと思いきや動画でダンスの振付を見てる。



努力家なんだな…

俺もいつのまにかこのメンバーと一緒にいて仲間意識は出来たものの、ライバル意識が薄れていってしまってるのかもしれない。



カップルダンス…

やっぱり…




「れ…」



声を掛けようとすると、レイはカイの方へ向かった。



「カイ~、今日早めに行こう?

ダンス確認したい。」


「あ、いいっすよ。

久々ですもんね!」

「わーい\(^-^)/

助かる。」

と、二人で動画を見ながら話を始めてしまった。



「動画穴が空くほど見たから体動かしたい…」

「あ、いいっすよ。

すぐ行きましょうか?」

「じゃー、30分後に。」

「りょかいです」


レイが部屋に入った。

追いかけようとすると、カイがミンソクさんに声を掛けた。



「…あ、ミンソクさんもですよ!」

「えっ…俺も?!」



「一緒に行動!」



カイは準備をするためか部屋に入ってしまった。

ミンソクさんは、ゆっくりコーヒータイムを楽しんでいる。



練習、一緒にするのかな?



「ダンス練習するんですよね?」


俺はミンソクさんの隣の椅子に座る。


「うん?」

「俺もいいですか?」


思わず口に出していた。


「もちろん、俺に許可とらなくてもいいし。」


そうだよね。

遊園地の練習場は解放してる時間は自由に使っていいことになっている。



ふんわりとコーヒーの香りが漂う。

いい匂い…



「飲む?」



思わず頷いた。

コーヒーを飲むと大分もやもやとした頭が冴えてきた。


「カイとレイって仲良かったんだな~

二人でダンス練習するとか。」



ミンソクさんには話しとかないと…



「実は、レイが俺とカップルダンスしたいって言ってて…」

「え…」

「でも、俺レイに教えられるほどうまくないし…
カイにお願いしてって言っちゃったんです…すみません。」


「い、いや…気にするな」



ミンソクさんはコーヒーを飲んでいた。

怒っているようにも見えなかった。



はぁ…

レイとカイがカップルダンスならお互いダンスが上手いしお互い切磋琢磨する感じだろうな…

このまま、二人が意気投合してやっぱり二人でダンスしたいとか言ったら…



嫌だ。



「俺…レイと一緒にカップルダンスしたいんです。」

「え…」



俺は、ミンソクさん以上に自分が言った発言に驚いていた。


何いってんだ?

無理に決まってるのに…

止まらない…!



「はっきり言ってダンスは得意ではありません。

でも、ダンスしてるレイみると…やっぱり近づきたいって思うんです。」



「チェン…」



これが自分の心の奥底の本音かもしれないと思った。



もっと、貪欲になりたい。

他人の力を借りるかもしれないけど、自分も輝きたいのだ。



「俺も近づきたい。」

「え?」

「みんな肩書きが、あってそれなりに別のところで人気があって

…ちょっと自分を卑下してた。」



心が軽くなった。

ミンソクさんに話してよかった気がする。



「ミンソクさん、自分の評価低すぎです。

カイにマジ惚れされてるんですからぁ自信もってくださいよ!」


自分のことがはっきりしたことで、ミンソクさんをケアしてあげないと思ってしまった。



アイドルはこれじゃ駄目だ。

自信に溢れていないといけないのだ。



ミンソクさんの場合はカイに愛されることだと思う…多分。



「な、なんだよそれ…!」

「カイ、二人で一つのベッドで寝たって言ってましたよ?」

「あれは!!!」

「あはは、やっぱりマジなんだぁ♪」



ミンソクさん顔が真っ赤だ。

かわいい。

年上なのにからかい甲斐がある。



「チェンだって!!!!」

「え?」

「な、なんでもない…」 



え、俺?

それ以上は口を閉じて言わない体制だ。



「コーヒーありがとうございます♥

では、15分後に♪」



ま、いっか。

俺は考えることをやめて、急いで支度をすることにした。





『妖精さんは僕のもの13』

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