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坂ダ!

***坂道ダッシュ!☆EXOの妄想BL小説です。***

指輪

短編です。
暗い…





切ないというか、後味が悪い…

それでもみたい方はどうぞ↓




【セフン・シウミン】


しうひょんが、貴金属がついた指を上に向ける…





「へへ…」





明らかに嬉しそうな顔…

答えはもう、わかりきっている。






「彼女ですか?」


「ああ…」





ニヤつきが止まらないみたい。

幸せそうな顔…





「もう、何年でしたっけ?」

「…えっと、練習生のときに付き合ったから…」







「…4年ですかね?」

「そうだな~…」




絶対忘れてないくせに…


その忘れたフリは、なんなんですかね?




しうひょんの、彼女がいる年月は、僕の片想いの期間でもある。





一緒に居られない期間もあったけど…

ずっと、側にいた…。

少なくとも、彼女なんかよりも。





絶対、奪えると思ったんだ。

必ず、振り向かせるって…

でも…タイムリミットは近づいているらしい…





貴方の笑顔は

貴方のその指は…

すべてあの、彼女のものなんですね…?




改めて考えると、無性に苦しくなってきた。




怒りではなく、痛さ。

痛くて痛くてたまらない…

ピリピリと身体の皮膚が剥がれるような…




しうひょんの指に光るアレ…。






こんな貴金属ごときで、何を縛れるというんだ…


こんなもので…


こんなものが欲しくて欲しくてたまらないなんて…





「シンプルでさ、いいだろ?アイツが俺に似合うだろう?って、選んでくれたんだ」




指輪にチュッとキスをするしうひょん…





ああ、


今すぐに貴方の指輪を奪い…

飲み込んでしまいたい。





そして、貴方は僕に怒りをぶつければいいんだ…そして、僕を嫌いになればいい。


貴方に怒りを向けられるだけで、


嫌悪感を抱かれるだけで…


こんなにも僕が嬉しいと…


貴方はわかりますか?





貴方の中に、少しでも僕がいるという喜びが…





「そうですね…」


「だろ?」





この気持ちは…

多分報われない…。


END


つい、書きたくなってしまいました。


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指輪*続1

【セフン・シウミン】




『もう、無理。やっぱり遠すぎる。』





そう、彼女に言われた。

それでも、繋ぎ止めておきたかった。

それでも、足掻きたかった。

4年という歳月は…

彼女にとって不安な日々でしかなかった。

そして、二人に大きな溝をもたらした…





俺はいつでも側にいるよ…






そう言う意味を込めて、

本当は俺から彼女にプレゼントした。




セフンには、格好つけて、

さも、幸せそうにしてみたけど…





心は、不安でいっぱい。





この、指輪という

特別な意味を持つ貴金属に…すがり付いている。




彼女には渡したが、付けてくれてるかなんてわからない。




だから、俺は、シルシと称してずっとつけている。ずっと・・・





見てるか?

俺は、お前のものなんだ…

寂しいときは、この指輪にキスをするよ…。





君も…そうであるといいな。





しうひょんは、ことあるごとにあの指輪にキスをする。

最初は、苛立ちしかなかったが…




次第に違和感を覚える。


おまじないのような…


何か。






しうひょんが指輪をはめてからみんなのからかいは酷い…


その中に入るのも嫌で、一人でぼーっとしてしまう。





トイレでもいって…落ち着いて。

頭でも冷やすか…







【話がしたい。いつ空いてる?】




メールは何日か前にしたはずなのに
連絡は来ない…。


指輪が届いたか聞きたかったのに…



スマホのバイブレーションがなる。

あ、電話?!




「ごめん、ちょっと外すわ!」

「幸せもの~!」




からかわれたけど、この電話が切れないことに必死な自分がいた。



とりあえずトイレに誰もいないことを確認して、電話をとる。




「もしもし?あ、俺…」


『うん…』



「届いたか?」

『…』

「どうした?」

『…もう少し、この指輪…早く届いたら良かったのにな。』




「え?…どういう意味だ?」

『…』

「明日、時間が空くんだ。いつものカフェで、19時、ずっと待ってるから!」





切れた…


聞こえたのだろうか…?




意味なんて…怖くて聞きたくない。

でも、会えば何か変わるきがして…



こんなブログでも、足を運んでいただいていつも本当にありがとうございます。

まことに勝手ながら、更新は不定期になると思います。
よろしくお願い致します。


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指輪*続2

【セフン・シウミン】




たまたま、足音が聞こえて隠れてしまった。



そして、

全部…聞いてしまった。

明日、会うのか…

指輪について楽しそうにしていたしうひょんとは少し違った気がする。





まさか…

上手く行ってない?





いや、喜ぶのはまだ早い。

これまでも、二人は何度も別れて元サヤに戻っていた。




宿舎をこっそり抜け出し、

「別れたい」と言う

彼女を慰めに行く。





その度に、一喜一憂してきた。





多分今回もすぐ元に戻る。

会えるなら尚更…。






―翌日―




いつもより、そわそわしたしうひょん。

今日は、彼女と会う予定。

仕事が、長引いて…会えなければいいのに…


***************


「スホ、ちょっと外出してくる。」

仕事は予定通り終わり、しうひょんが、私服に着替え玄関に向かう。



「わかった…。ペンや、カメラには気をつけて。」

スホひょんは彼女に関しては深く言えないみたいだ…





様子を見に行こうと、一瞬思ったが、

彼女を見たくもなかったので

やめた。






結局、元に戻るだけ。

僕は、見守るだけ。







19時…いつものカフェで1人…彼女を待つ。


会った時、彼女は指輪をしてくれているだろうか?


久々に、何を話そうかな…?


スホには、スキャンダルにならないように釘を刺された…けど。







バレても構わない。なんて思った。






それくらい…

アイツが大事だ。

繋ぎ留めておきたいんだ。




ガラス張りの店内で、外が見えるカウンターに座る。


「あ…」






雨だ…

しうひょんは…濡れてないかな…?




「しうちゃん、傘持ってったかな~…?」

るぅひょんが、ベランダを見ながら言った。



「さぁ…彼女と、相合い傘でもしてるんじゃないですか?」




考えたくもないのに、容易に想像できる。




「そっか。心配する必要ないか。」

るぅひょんは、カーテンを閉めた。




ないですよ…。

期待しただけ…空しいだけですから。





―深夜0時―


「繋がらない…。」


スホひょんが、帰らないしうひょんの携帯に何度もかけ直す。





「まさか…お泊まり?!」

るぅひょんが騒ぎ立てる。






生々しすぎて虫酸が走る…

本当にやめてほしい。





「それだけは、絶対駄目だ!」

苛立ったスホひょん…




マネージャーに言わないようにいろいろと、考えてみてるみたいだけど…。



早く、言えばいいのに…



そうすれば、今後外出なんかしないだろうし…









ドサッ



玄関で大きな荷物が倒れたような音がした。


「?」


みんな、気付かないみたいで

一人で玄関に向かう。



まさか・・・



「しうひょん?」




ずぶ濡れのしうひょんが倒れていた。

咄嗟に抱き上げる。



余程辛かったのか、抱き上げたら首に腕を回された。

ドキッとしてしまう…





「スホひょん、しうひょん帰ってきました。」

「え?!」

心配したみんなが駆け寄る。

「ミンソク!どうしたんだ?!」




ソファーにしうひょんを寝かせた。

「傘…忘れて」



「と、とにかく着替えないと!」

スホひょんがしうひょんの着替えを探しに向かった。







彼女は、来なかった。




カフェの営業時間が終わり、



外で待っていたが、雨を避けるものがなかった為、こんなに濡れてしまった。



指輪を、指先で弄り…

無意識に何度もキスをしていた。

それだけで、時間なんか気にならなかった。

気づいたら、深夜になっていた。

スホから、何度も電話、メールが来ていた。

帰ろうと思ったら…




体がちょっと重かった。

まさか、太ったのか?

さらに自己管理しないと…




重い体を必死に動かしてたら、

宿舎についた頃には息も絶え絶えだった。



ふわっと…

誰かが、俺を抱き起こしてくれた…

久々の人肌を感じて…すがり付いてしまった…ような気がする。





今日はリビングに寝かせてもらった。


「明日は、朝は練習だけだから、休んで。」
スホが言った。

「いや、大丈夫。」

「駄目に決まってんだろ?!」

「…すまん。」

「とにかく、帰ってきてよかった。」





心底心配させてしまったみたいで申し訳なく思う。

ごめんな…こんなひょんで・・・





「ありがとう。明日午後から頑張るよ。」






夜、リビングにいるしうひょんの様子を見に行く。

勝手におでこの冷却シートを張り替える。






「うぅ…」

少し、うなされているみたいだ。

そっと、手を握る。

熱い…




指に固いものが当たる…

忌々しい指輪だ…





しかし、しうひょんが何度もキスをしていたのを思い出す。



しうひょんがするように…

僕も指輪にキスをする…




そして、手の甲に…

無駄な、行為を暗闇の中で繰り返した。





こんなことをしても手に入ることはない。

しうひょんが、同性に好意を持つなんて有り得ないのだから…

せめて、せめて今だけ

この一瞬だけ

この忌々しい指輪を・・・僕と貴方のものだと感じたい。






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指輪*続3

【セフン・シウミン】




しうひょんは、午後から普通に仕事をこなしていた。

やっぱり、あの指輪にキスをしている。



今日は…
いい気分だ。

まるで、本当にキスをした気になる。




すぐに空しくなるけれど…





昨日寝てる間に…なんてできるわけなかった。

しうひょんは、魘されながら彼女の名前を繰り返していた。




彼女の名前は呪文…。

呪文で僕は彼に近づくことは出来ない。






はぁ・・・。


練習の合間、何度も何度も電話やメールをしたが、

彼女は全く出なかった。




最後に、留守電を入れる。




「何度もごめん…これを聞いたら連絡してほしい。愛してる。」




振り向いたら…


セフンがいた。









集合がかかったので、しうひょんを呼びに行くと

何度も電話したような内容で話していた。



「セフン、まさか、聞いてたのか?」


こわばっている表情…


「え?…集合かかりましたからすぐに、来てください。」

聞こえてないフリをして、スタジオに来るように促す。

「あ、ああ…」





やっぱり…

上手くいってないんだ。

自然と、口角が上がる。




もちろんしうひょんからは見えないように。




「最後のは聞こえましたよ。」

「え?!」




振り向いて、しうひょんを見つめた。

「愛してるって…言ってましたね。幸せそうで何よりです。」

いいなぁ・・・って表情を見せる。

「あ…ああ」

しうひょんは、ビックリしながらも平静を保とうとしている。





上手くいってないことは多分秘密にしたいはず…






プライドが高い貴方は…

自分から弱みなんて見せない…





でも、僕はそれを見たいんです。

貴方が、弱みを僕に見せるのを。





「しうひょん…僕にも、彼女が出来たんです。」

サラッと嘘をついてみる。

「え…?」

「みんなには、秘密ですよ?」





「あ、ああ…」

どうでもよさそうに聞いている。

「幸せそうなしうひょんから、色々教えて欲しいな…」





少し顔を歪めて笑う貴方…

嘘を…突き通せますか?





久しぶりに2個アップしました~(^-^)

指輪は見たい方がいるかわかりませんが…
じわじわシウミンを責めて(攻めて?)いきたいと思います。


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指輪*続4

【セフン・シウミン】




練習が終わり、しうひょんはスマホをいじりながらスタジオを出ていこうとする。

多分、また電話をしに行くんだろう。



「しうひょん…」


「何?」


「ちょっと質問したいんですけど…」


しうひょんは面倒臭そうに僕を見た。


「デート…って実は初めてなんです。だから、どんな場所に行けばいいか…教えて欲しくて。」

「…カフェとか、適当に行けばいいんだよ。」




早く会話を終わらせたいらしい…
明らかにイライラしている。




「カフェ…ですか。」

なるほど…と、一息ついてからまた質問した。

「では、夜は?よくある夜景が見えるところで食事がいいんですかね?」




「…そんな金、あるのか?」

「ないですけど。」

はぁ…と、ため息を吐かれた。




「背伸びせず、年齢にあった付き合っ方がいいんじゃないか?
夜景は…歩けば十分だろ…?」

「なるほど…そうだ!しうひょんが彼女と行った場所行ってもいいですか?」




「は?」





多分、苛立った…。






上手くいってればノロケながら話してくれるような内容なのに、

上手くいってなければ、ただの拷問…





そんな話したくないだろう。

さぁ…次はどう出る?







ああ、いい加減に黙ってほしい。




セフンは彼女が出来て、幸せなのかも知れないが…

俺は、人のアドバイスをするほど今幸せじゃない。




自分のことでいっぱいいっぱいだから…
彼女のことだけを考えたい。






しかもさ、なんで俺の思い出の場所にセフンがデートに行くんだよ…!

嫌に決まってんだろ?






…でも、俺はセフンを突き放すことはできない。

だって俺は、恋人と順調に上手くいっていると偽っているから。




セフンは、デートがわからないからただ教えてほしい。

それだけだ。




「やっぱり、ダメですよね。二人にとって、特別な場所…ですもんね。」

俺が黙っていたので、嫌がっているとわかったんだろう。



「すみません。」

ペコッと頭を下げてきた。




特別な場所…か。





彼女との思い出の場所を、人に話すことで

何か…変わるんだろうか?




「わかった。教える。」

何もしないよりマシかもしれない。




「え?!いいんですか?」

セフンは目を輝かせ、俺に抱きついた。




「あ、ああ。」




今はこの状況が苦しくて苦しくて堪らない…

口に出来ないこの思いを…

どうにかしたいんだ。





「ありがとうございます!」





お前のためじゃない。

俺のために。









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