
【カイ・シウミン・セフン】
##シウミン##
数年後…
『"あんにょん朝だよ"、はーじまーるよー!!』
「ベッキョン先輩出てるね。」
コーヒーを飲みながらセフンを見た。
朝の情報バラエティ『あんにょん朝だよ』の月曜パーソナリティーに抜擢されていた。
「あー…」
セフンは何てことない顔でスーツを羽織り、ネクタイを締める。
ベッキョン先輩は、テレビに出たら瞬く間にお茶の間を掻っ攫った。
時代劇ドラマのモノマネでブレイクしたのだ。
そして愛嬌があって可愛かったら売れないわけない。
「歌手デビューも控えてるってジュンミョナが言ってた…」
「えぇ、元店長凄いね。」
マネージャーの仕事もそつなくこなすとは…
「でも、ベッキョナが遊ぶ暇がないってボヤいてました。プライベートも全部一緒だって。」
「あはは、そりゃ大変だ。」
テレビ越しで、ミニゲームをしてるベッキョン先輩はやはり可愛くて面白い。
だらだらと朝番組を見ながら時間が過ぎていく。
『はーい、CMの後は…MCT reveの登場です!』
「えぇ?!ミニョン出るの?!俺、録画したっけ?!」
「一週間前から録画してまつ。」
「なんだ、よかったぁ」
ドンヒョクがミニョンにベタベタしてないかチェックしないとっ
「じゃあミンソギ、先に行きます。」
「おー、いってらっしゃい。」
ムスッとしながら振り向くセフン。
「…ちょっと待って。」
「ん?」
「行ってきますのチューは?」
キュンッ…かわいいっ
ちゅっ…
そのまま抱きつく。
「今日は会食終わったらすぐクラブに行くから…」
「うん、待ってる。」
「セフナ、遅いっ」
しびれを切らしてヨンホさんがやってきた。
「すみません、ヨンホさんいつも。」
「いえいえ、仕事ですから。」
セフンは、ホストの仕事の傍ら母親のミリさんの仕事も手伝うようになった。
セフン曰く、俺が店長をクビになったら支えてくれるためらしい。
何とも頼もしい限りだ。
「じゃ、行ってきます。」
「ふぁぁ、俺は出勤まで一眠りしようかな。」
朝はセフンを送り出すために早起きしている。
「ミンソギ、昼から打ち合わせじゃなかった?
2号店の店長と。」
「あーっ、そうだったっ」
俺は、ホストから店長になりバタバタしている日々を送っている。
「おはようございます。ミンソギひょん。」
ニッコリ下がり眉は今も健在だ…
「おはよ、ジョンデ。
2号店順調みたいだな。」
「おかげさまで。
ミンソギひょんが宣伝してくれたからでしょ?」
ジョンデはイーシンさんの秘書をしていたが、帰国後2号店の店長を任されていた。
「姉妹店だしね。」
ジョンデが店長になってからメキメキ売上が上がってきている。
そして、1号店はベッキョンが居なくなり売上は下がったままを一応キープしている。
「俺のところ今月はペア強化月間なんだ。
2号店は盛り上がってるか?」
ベッキョンとセフンをかけて勝負したあの日以降、ペアは固定ではなく、挙手制になった。
これは、ホストも姫も推しの為にモチベーションが上がるので3ヶ月に一度行われている。
「はい、ユータが人気で毎回盛り上がってますよ。」
「おお、それはよかった。」
2号店は、ユータ率いる、ジェヒョン、テヨン、ジョンウが異動している。
1号店も頑張らないと…!
「こんばんは!ショータローと」
「ソンチャンです!」
「かわいい~」
「そうなんです、僕のショータローはかわいいんです。」
「いやいや、僕のソンチャンも可愛くないですか?」
「きゃー」
新人を羨ましそうに見ている現No.1ホスト…
「チャニョル先輩?」
「…若いっていいですね。」
「ああ、二人でいるところをスカウトしたんだ。癒やされるだろ?」
仲良しは癒しだ。
「…うぅ」
俯くチャニョル先輩…
「え?」
「ギョンスぅ…ぐすん…」
しまった…!
ギョンスを思い出してしまったのかっ!
「お、落ち着いてチャニョル先輩…修行から戻るまでの辛抱でしょ?」
「うぅ、2年は長いよぉぉ…」
ギョンスは専門学校を卒業後、板前修行で日本に向かってしまった。
将来は韓国で小料理屋を開くすることが目標らしい。
「…あ、そう言えばミンソギてんちょー。
ニュース見ましたか?」
他のことを思い出したらあっさり泣き止む。
「何の?」
「ジョンインですよ、海外で有名になってから今韓国で注目されるようになったから逆輸入って言われてます。」
「おー、そうなんだ。」
と、言いながら勿論知っている。
最近、SNSからニュースになりそのミステリアスさで話題になっている。
「え、一度も連絡取ってないんですか?」
「とってないよ。」
そう、あれから一度も連絡していない。
ガチャ…
扉が開いた音に反応し、玄関に向かう。
「おかりなさいませ‥」
「ただいまミンソギ!」
それは、キラッキラした…
「え?」
「会いたかった!」
カイこと、ジョンインだったのだ。
呆然としてる俺…
「うわー、ここ変わってないですねっ」
「わー、カイだ!元気?!」
「チャニョリも元気そうですねっ!」
チャニョル先輩が来たので、慌てて離れる。
…のに、またくっついてくる。
「ミンソギ、家引っ越したでしょ?
だからこっちに来ました。」
「それは…セフンと一緒に住ん」
そして、その間を誰かが割って入ってきた。
「何して…え?!」
ちょうど仕事から帰ってきたセフンだ。
セフンもジョンインの顔を見ると固まっていて、黙って抱きしめられている。
「セフン、久しぶり!」
「久しぶり」
しかし、思い切り離れた。
セフンは俺をぎゅぅと抱きしめた。
「その様子じゃ、別れてないのかぁ…残念っ!」
全く残念そうではない様子で言われた。
いや、寧ろ嬉しそうだ。
「有名人が何しにここに?」
セフンは俺を守るように抱きしめたままだ。
「今日は二人にお礼を言いに来たんだ。」
「「え?」」
「ミンソギに別れを告げた時のことずっと忘れられなかった。選んだ選択を後悔しないために前に突き進んでたから連絡もずっと出来ずにいたんだ。」
…
「でもやっと少しずつ自分のこと認めて貰えるようになってきて…自信も持てるようになってやっとこの選択でよかったと思えるようになったんだ。
今の自分がいるのは、ミンソギとセフンのおかげだよ。
だから、ありがとう。」
「ジョンイナ…」
「本当にありがとう。ミンソギはやっぱり僕の唯一無二だ。」
ジョンインは手を広げる。
「ダメっ」
セフンは手でガードする。
「なんだよセフンケチだな~
これは挨拶、信頼の証のハグだって~!」
「ダメなもんはダメッ」
よくわからないが、俺はセフンに抱きしめらられ、セフンはジョンインに抱きしめられている…
なんだかこの光景が懐かしい。
笑顔が太陽みたいなジョンインに、一見冷たそうな風のようなセフン…
振り回されて、大変だったけど楽しかったことも思い出した。
はっ…殺気?
「ジョンイナ、後ろ…」
笑顔だが明らかに怒っているテミンが立っていた。
「わー、テミナッ
なんでいるのさっ」
「もちろん、監視だよ。」
慌ててテミンのところに駆け寄るジョンインが微笑ましく思えた。
「あ、もう行かなくちゃ…」
ジョンインが腕時計を見ながら言った。
「もう行くのか?」
「うん、連絡して…いいよね?」
ジョンインはセフンを見た。
「連絡は…ミンソギにしないで僕にしてくだたいっ」
セフンが言うとジョンインは笑って頷いた。
「あ、待って二人ともっ
サイン頂戴~!」
【おわり】
長い長い間お付き合いいただきありがとうございました。
お休みが多くてほんとに申し訳なかったです。
セフンがずっと我慢してた後のおまけは明日投稿します。

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##シウミン##
数年後…
『"あんにょん朝だよ"、はーじまーるよー!!』
「ベッキョン先輩出てるね。」
コーヒーを飲みながらセフンを見た。
朝の情報バラエティ『あんにょん朝だよ』の月曜パーソナリティーに抜擢されていた。
「あー…」
セフンは何てことない顔でスーツを羽織り、ネクタイを締める。
ベッキョン先輩は、テレビに出たら瞬く間にお茶の間を掻っ攫った。
時代劇ドラマのモノマネでブレイクしたのだ。
そして愛嬌があって可愛かったら売れないわけない。
「歌手デビューも控えてるってジュンミョナが言ってた…」
「えぇ、元店長凄いね。」
マネージャーの仕事もそつなくこなすとは…
「でも、ベッキョナが遊ぶ暇がないってボヤいてました。プライベートも全部一緒だって。」
「あはは、そりゃ大変だ。」
テレビ越しで、ミニゲームをしてるベッキョン先輩はやはり可愛くて面白い。
だらだらと朝番組を見ながら時間が過ぎていく。
『はーい、CMの後は…MCT reveの登場です!』
「えぇ?!ミニョン出るの?!俺、録画したっけ?!」
「一週間前から録画してまつ。」
「なんだ、よかったぁ」
ドンヒョクがミニョンにベタベタしてないかチェックしないとっ
「じゃあミンソギ、先に行きます。」
「おー、いってらっしゃい。」
ムスッとしながら振り向くセフン。
「…ちょっと待って。」
「ん?」
「行ってきますのチューは?」
キュンッ…かわいいっ
ちゅっ…
そのまま抱きつく。
「今日は会食終わったらすぐクラブに行くから…」
「うん、待ってる。」
「セフナ、遅いっ」
しびれを切らしてヨンホさんがやってきた。
「すみません、ヨンホさんいつも。」
「いえいえ、仕事ですから。」
セフンは、ホストの仕事の傍ら母親のミリさんの仕事も手伝うようになった。
セフン曰く、俺が店長をクビになったら支えてくれるためらしい。
何とも頼もしい限りだ。
「じゃ、行ってきます。」
「ふぁぁ、俺は出勤まで一眠りしようかな。」
朝はセフンを送り出すために早起きしている。
「ミンソギ、昼から打ち合わせじゃなかった?
2号店の店長と。」
「あーっ、そうだったっ」
俺は、ホストから店長になりバタバタしている日々を送っている。
「おはようございます。ミンソギひょん。」
ニッコリ下がり眉は今も健在だ…
「おはよ、ジョンデ。
2号店順調みたいだな。」
「おかげさまで。
ミンソギひょんが宣伝してくれたからでしょ?」
ジョンデはイーシンさんの秘書をしていたが、帰国後2号店の店長を任されていた。
「姉妹店だしね。」
ジョンデが店長になってからメキメキ売上が上がってきている。
そして、1号店はベッキョンが居なくなり売上は下がったままを一応キープしている。
「俺のところ今月はペア強化月間なんだ。
2号店は盛り上がってるか?」
ベッキョンとセフンをかけて勝負したあの日以降、ペアは固定ではなく、挙手制になった。
これは、ホストも姫も推しの為にモチベーションが上がるので3ヶ月に一度行われている。
「はい、ユータが人気で毎回盛り上がってますよ。」
「おお、それはよかった。」
2号店は、ユータ率いる、ジェヒョン、テヨン、ジョンウが異動している。
1号店も頑張らないと…!
「こんばんは!ショータローと」
「ソンチャンです!」
「かわいい~」
「そうなんです、僕のショータローはかわいいんです。」
「いやいや、僕のソンチャンも可愛くないですか?」
「きゃー」
新人を羨ましそうに見ている現No.1ホスト…
「チャニョル先輩?」
「…若いっていいですね。」
「ああ、二人でいるところをスカウトしたんだ。癒やされるだろ?」
仲良しは癒しだ。
「…うぅ」
俯くチャニョル先輩…
「え?」
「ギョンスぅ…ぐすん…」
しまった…!
ギョンスを思い出してしまったのかっ!
「お、落ち着いてチャニョル先輩…修行から戻るまでの辛抱でしょ?」
「うぅ、2年は長いよぉぉ…」
ギョンスは専門学校を卒業後、板前修行で日本に向かってしまった。
将来は韓国で小料理屋を開くすることが目標らしい。
「…あ、そう言えばミンソギてんちょー。
ニュース見ましたか?」
他のことを思い出したらあっさり泣き止む。
「何の?」
「ジョンインですよ、海外で有名になってから今韓国で注目されるようになったから逆輸入って言われてます。」
「おー、そうなんだ。」
と、言いながら勿論知っている。
最近、SNSからニュースになりそのミステリアスさで話題になっている。
「え、一度も連絡取ってないんですか?」
「とってないよ。」
そう、あれから一度も連絡していない。
ガチャ…
扉が開いた音に反応し、玄関に向かう。
「おかりなさいませ‥」
「ただいまミンソギ!」
それは、キラッキラした…
「え?」
「会いたかった!」
カイこと、ジョンインだったのだ。
呆然としてる俺…
「うわー、ここ変わってないですねっ」
「わー、カイだ!元気?!」
「チャニョリも元気そうですねっ!」
チャニョル先輩が来たので、慌てて離れる。
…のに、またくっついてくる。
「ミンソギ、家引っ越したでしょ?
だからこっちに来ました。」
「それは…セフンと一緒に住ん」
そして、その間を誰かが割って入ってきた。
「何して…え?!」
ちょうど仕事から帰ってきたセフンだ。
セフンもジョンインの顔を見ると固まっていて、黙って抱きしめられている。
「セフン、久しぶり!」
「久しぶり」
しかし、思い切り離れた。
セフンは俺をぎゅぅと抱きしめた。
「その様子じゃ、別れてないのかぁ…残念っ!」
全く残念そうではない様子で言われた。
いや、寧ろ嬉しそうだ。
「有名人が何しにここに?」
セフンは俺を守るように抱きしめたままだ。
「今日は二人にお礼を言いに来たんだ。」
「「え?」」
「ミンソギに別れを告げた時のことずっと忘れられなかった。選んだ選択を後悔しないために前に突き進んでたから連絡もずっと出来ずにいたんだ。」
…
「でもやっと少しずつ自分のこと認めて貰えるようになってきて…自信も持てるようになってやっとこの選択でよかったと思えるようになったんだ。
今の自分がいるのは、ミンソギとセフンのおかげだよ。
だから、ありがとう。」
「ジョンイナ…」
「本当にありがとう。ミンソギはやっぱり僕の唯一無二だ。」
ジョンインは手を広げる。
「ダメっ」
セフンは手でガードする。
「なんだよセフンケチだな~
これは挨拶、信頼の証のハグだって~!」
「ダメなもんはダメッ」
よくわからないが、俺はセフンに抱きしめらられ、セフンはジョンインに抱きしめられている…
なんだかこの光景が懐かしい。
笑顔が太陽みたいなジョンインに、一見冷たそうな風のようなセフン…
振り回されて、大変だったけど楽しかったことも思い出した。
はっ…殺気?
「ジョンイナ、後ろ…」
笑顔だが明らかに怒っているテミンが立っていた。
「わー、テミナッ
なんでいるのさっ」
「もちろん、監視だよ。」
慌ててテミンのところに駆け寄るジョンインが微笑ましく思えた。
「あ、もう行かなくちゃ…」
ジョンインが腕時計を見ながら言った。
「もう行くのか?」
「うん、連絡して…いいよね?」
ジョンインはセフンを見た。
「連絡は…ミンソギにしないで僕にしてくだたいっ」
セフンが言うとジョンインは笑って頷いた。
「あ、待って二人ともっ
サイン頂戴~!」
【おわり】
長い長い間お付き合いいただきありがとうございました。
お休みが多くてほんとに申し訳なかったです。
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