fc2ブログ

坂ダ!

***坂道ダッシュ!☆EXOの妄想BL小説です。***

4.ミラクル★チェンジ

【セフン・ベッキョン】

「チェンジ」「CHANGE」のさらにスピンオフです。




_/_/_/セフン_/_/_/


僕の姿のベッキョニがとんとんと日程を設定し、次の日飲み会は開催されることになった。
個室で、他のお客はいないので帽子もマスクもサングラスも外して快適だ。


「「乾杯」」


ビールと、コーラとソーダとウーロン茶のグラスが真ん中に集まりカチンと音を鳴らす。

ゴクッゴクッ


「ぷはっ仕事終わりのビールうまぁ~」


ビールの宣伝のように美味しそうに喉越しで飲むシウミンことミンソギひょん。


「ミンソギひょん、おっさんみたいですよ。」

「妖精は年齢関係ないもん。」

「わ~自分で言いますぅ?」

「…」


ジョンイナとミンソギひょんがまたイチャイチャしそうだ。

ミンソギひょんがこちらを向く。

ドキッ
睨んでたのがバレたか?


かなり正確に言うと僕ではなく
僕の姿のベッキョニを見ていた。


「セフニ、今日は誘ってくれてありがとう。」


誘ってないけどそーゆーことにしておく。


「いえ」

「?何でベッキョニが言うんだよ~」


バシッ

と、ミンソギひょんに叩かれてハッとした。


やばっ


ミンソギひょんは、ベッキョニがふざけて返答したと思ってるみたいだ。

セフニ(ベッキョニ)の視線が痛い。



「ベッキョニ疲れてまつかぁ?
ま、じゃあ飲みましょうか?」


僕のモノマネをする僕の姿のベッキョニが無理矢理ビールを飲ませようとしてくる。

おぉぉ…

「あわわセフニ、ベッキョニひょんはお酒駄目だよ。」

それを制してくれるジョンイナ…


「ジョンイナ…」


う、そーゆー優しいところやっぱり好き…
だけど…ジョンイナはミンソギひょんが好きなんだよね…


勝手に喜んで勝手に凹む。


「じゃあミンソギひょん、どうぞ!」


僕の姿のベッキョニは凄く俊敏で
既にミンソギひょんに瓶ビールを注いでいる。


「お、おお…気が利くなありがとセフニ…」

「どーいたましてぇ」


にこにこな僕(ベッキョニ)
その様子をじーっと見てるジョンイナ…


「ミンソギ、ひょん!僕だって気が利きます!
早く飲んで注がせてっ」

「何言ってる?急かすかなっ」

「ミンソギひょんはい!
お肉でとぅ~」

ささっと、お肉とおかずをお皿に乗っけている僕ことベッキョニひょん。

「おぉ、セフニ気が利k…」

「僕も気が利きますっ」


ほんとは、僕とジョンイナが二人で食事をする予定だったのに…
正直見てるのが辛い…


「ミンソギひょん、あーん」


自然の流れでスプーンを持ってく…
僕…じゃなくてっ


ぱくっ

食べたのはミンソギひょんじゃなくてジョンイナだ。


「じょ、ジョンイナ…大丈夫?」


僕はジョンイナにお水を注いだ。

もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ…


そして、水を飲む。

ごっくんっ



「あの、今しかタイミングないのでいいます。
僕とミンソギひょん、お付き合いすることになりましたっ」


隣に座るミンソギひょんもビックリして固まってたが、頷く。


「え、えーそうなの?
わからなかったぁ~、おめでとうぉ」


発言したのは僕だ。
ベッキョナだから知らないふりをしてお祝いする。

ちゃんと笑顔は出来てるはずだ。
問題の僕の姿のベッキョナは言葉を発しなかった。


「だからセフナ、あーんとかダメだからね。」


ジョンイナに注意されて…
3秒くらい止まっていたけど…


「えー、ふざけてもだめ?」

「ダメだよっ」





普通に喋っていた。





*******************


食事が終わったあと、別々で帰ることになった。
僕の姿のベッキョニが気を利かせて先に二人をタクシーに乗せたのだ。


僕たちはアプリでタクシーを呼び待っていた。


「あの」

「んー?」

「ミンソギひょんのこと好きでしたよね?」

「はぁ?…俺はみーんな好きだよん?」


はぐらかすベッキョニひょん。


「僕、ジョンイナのこと好きだったんです。」

「…え?」


やっと顔を上げた。


「少し前に失恋しちゃったんです。
今回は悪あがきの食事会でした。」

「おま、そーゆーことは先に言えよっ
なーんか違和感は感じてたけどさっ」

「ごめんなさい。
でも、ベッキョニの楽しそうな顔見てたら言えなかったです。」
 

「はぁ?!」

 
プップー…


最悪なタイミングでタクシーが来て、僕たちは車に乗り込んだ。

隣に座ったが無言が続く。
怒らせちゃった…かも。

タクシーを降りたあと、どう謝ろうか考えていた。
振り返る前に、僕の頭がベッキョニの肩に伸し掛かっていた。

 
「…気づかなくてごめんな?」

「え?」

「俺、そーゆーのは結構敏感なんだけどなぁ。」


…僕のこと考えてくれてた?


「いえ、忍ぶ恋だったので…」

そう、好きなんて言うつもりがなかった忍ぶ恋。
ジョンイナが誰と付き合おうと何も言えないのだ。


でも、嬉しい。
自分の事を心配してくれて。


「ほら、ベッキョニも白状してよ~」


少しふざけて言ってみたけど
やっぱりはぐらかされる…かな?




「お前、酒飲めるんだよな?」

「…え?」








にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

おまけ拍手
PageTop

3.ミラクル★チェンジ

【セフン・ベッキョン】

「チェンジ」「CHANGE」のさらにスピンオフです。




_/_/_/ベッキョン_/_/_/


俺はチャニョルとギョンスの違和感に気付いていた。
みーんな気づいてないみたいだけど…さ。


干支のコンセプトの撮影時、うさぎのカチューシャをあっさりと付けたギョンスは明らかに違う奴だと思ったのだ。
で、チャニョルはなんかいやに大人しかった。

まさか、カチューシャに仕掛けがあるとか?
脳波で操作されてるとか??
そのとき撮影に使ったカチューシャをスタッフさんにお願いして全部貸してもらいことにした。

抱えたダンボールを見つめる。


…にしても、この量を全部一人で確認するのはなー。



ガチャ…

お、セフン発見…!



ラッキー!
手伝ってもらおう♡



「お、セフナいいとこにいたっ」


明らかに逃げようとするセフンをガッシリと捕まえた。


「ちょーっとまったぁ、付き合えっ」



*************************


「多すぎません?」


明らかに面倒臭そうなセフンだが気にしない。


「へへ、お願いして借りてきちゃった~
ほら、俺センイルパーティーあるから最高に可愛い俺をみんなのカメラに収めないといけないわけよ?」

「そーゆーのって、スタッフさんにお願いすればよくないですか?」

「チッチッチ…可愛いは自分で作るのだよ。
セフン君。」

「なるほど…」


あぶね、とりあえず納得したようでよかった。

まさか、ギョンスとチャニョルの様子が変だったから、実験してるとか言ったらそれこそ『くだらな。』って言われて帰りそうだ。


「ってことで、セフンの分。」


とにかく手っ取り早く終わらせたい。
そして俺は電波のピリッとか嫌だ。


「え、僕はいいですよっ
センイルも終わったしっ」

逃げるセフンに近づく。

「いいじゃ~ん、ギョンスみたいに嫌なわけじゃわないんだろん?」


「あ、でもこの撮影の時はむしろノリが良くて…ん?」


スチャッ

俺はセフンが好きな肉食動物(男らしい)の狼カチューシャを持った。

セフンは見た目は大人だが、中身は赤ちゃんである。
枕もぬいぐるみもベットにたくさんある…


「僕は付けませんよ?」

む。強情だな。

「えー、固いこと言わずに付けちゃいなよ~」

「いいですっ…!」
  


セフンが身体を逸したのでバランスを崩した。

どさっ


セフンの胸にダイブした感覚があったが
そのあと一気に体重を体に感じた。


重いっ!

セフンの奴、俺のこと思いっきり押し返しやがたな?!



「重てぇ~、本気で嫌がらなくてもいいじゃ
…ほえ?」



目を開くとそこには、キュートな俺…と、視界は広い胸板と肩…


すぐに理解した。
俺はセフンと入れ替わってることに。


「おまえ…でかいな。」

そして〇〇〇。
感覚で言うとなんかずっしりしてる。

「何がですか?」 

押し付けられて、感覚が強調されている。
そこに重さを感じるのだ。

「ナニがだよ。」


むにっと元の姿の俺の〇〇〇を握るとびっくりするセフニ。


「ちょ、やめてくださいよっ」

「俺のナニ触って何が悪いんだよっ」 


触ってわかる、ボリュームの違い…
む、虚しくなんかないぞ?!


「俺のナニ?…って、えぇ入れ替わってる!」

「今更かよ。」


やっとセフンが入れ替わりに気付いたらしい。


ピーン…!

そうか、これか!



「あの…」

「…よし、俺は今日からセフンとして生きる。」

「キュートでセクシーなべくちゃんはお前に譲るよ…」



やっと謎が解けた…!



「え?」

「アディオス!」









部屋に出たあと、俺はすぐにチャニョルの部屋に向かった。

ギョンスの様子が変だったのは…
二人が入れ替わったからだ!



絶対そう!



バンッ

チャニョルの部屋のドアを足で開けた。



「おい、チャニョラ!」



なんとチャニョルの部屋にギョンスがいて…
チャニョルにギョンスが壁ドン(古いのか?)されている。


「せ、セフン?!ど、どうした?」  

と、慌てふためいているギョンス。

「あ?」


様子がおかしいっ


「ど、ドラマの練習に付き合ってもらっただけなんだよ!ねーチャニョルぅ?」


壁ドンチャニョルは無言。


「あー…えっと」



もし、練習ならギョンスが壁ドンじゃない?
ってかお前ら入れ替わってんだろ!!

と、ツッコミたいがそんな雰囲気ではない。


チャニョルの恨み節オーラが凄い…


「ごめんちゃいっ
忘れちゃったわぁ」


「はぁ?」

チャニョルに睨まれ…

「…セフン?」


動揺してるギョンス。



はっ…俺、今セフンだった!!



「すみまてんっ、なんか酔っ払ってたみたいですぅ」



バタンッ

あわわわっ



何でこの俺が動揺してんじゃーいっ!!

このベッキョン、べくちゃんは完璧なアイドル様なんじゃいっ



俺はセフン、マンネのセフン…
可愛いセフン…!




俺はセフンになりきる特訓をこなし、次の日に備えた。







にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

おまけ拍手
PageTop

2.ミラクル★チェンジ

【セフン・ベッキョン】

「チェンジ」「CHANGE」のさらにスピンオフです。




_/_/_/セフン_/_/_/


僕を演じるベッキョニひょんは完璧だった。
むしろ僕よりなんかカッコいい。


パシャ

パシャ…   


びしっと、決めポーズを決める僕の姿のベッキョニ… 
かと思ったら、ふざけてカメラに近づいている。

そして、カメラチェック…
口に手を添えて僕の姿のベッキョニが一言。


「うっわ、イケメンだな俺。」


(え?!)

ああ、スタッフさんびっくりしてる…!


僕といえば…


「ベッキョンさん、今日はなんか落ち着いてますね。」

「え…」


やばい、なんか疑われてる?


「ベッキョニひょ~ん
大丈夫ですか体調~?」


ガシッ

僕の姿のベッキョニひょんが後からがしっと抱きついてくる。

腕つよっ、て自分の腕だけど!
 

「元気出してくださァァィ!」

そしてくすぐりっ

「え、ちょ、くすぐらないでっ ひゃははっ」


それにはスタッフさんたちも笑ってる。


「仲いいですね~!」

「ちょ、助けてくださいっ」


結局、逃げようと寝転んだら
服が汚れるからと僕がこっぴどく怒られた。














休憩時間は撮影中のジョンイナばかり目で追ってしまう。
撮影が終わったジョンイナはそのままミンソギひょんに一直線だ。


「ミンソギひょん~、僕どうでしたか?」

「ちょっ、近いぞ?」

「もっとイチャイチャしたいです。」

「ば、ばかっ」


はぁ…

バカップル誕生の瞬間に立ち入ってしまった。
周りを見渡しているミンソギひょんと目が合う。
 

はっ、まずいっ


「すみま…」

「ベッキョニッ」


ズンズンと歩いてくるミンソギひょん。


「?!」


あ、そうか…僕はベッキョニひょんだった。


「ごめんっ」

目の前に来たと思ったらパンッと叩きながら手を合わせて頭を下げる。

「え?」

「センイルパーティー、マネひょんに確認したんだけど移動距離が遠くて難しいって。」


…あ、ミンソギひょんが来る予定だったんだ。


「あ、はい…大丈夫です。
仕事ですし…」 

「でも本当に行きたかったし…」


項垂れるミンソギひょん。

ガシッと、手を掴まれる。

ビクッ


「直接行けないけど、他に何かあれば何でもするから!」

ミンソギひょんとほぼ真正面だ。
背が同じくらいだから、なんか不思議だ。


「は、はい…」


その目力に圧倒される。
ベッキョニひょんとはパーソナルスペースが近いのかな?


「ミンソギひょん次撮影ですっ早くっ」

「おー、わかった。」


ジョンイナがミンソギひょんを呼ぶ。


「じゃ!」



まるで軍隊のように45度の角度で敬礼して
ミンソギひょんが走って撮影に向かったあと…



「ベッキョニひょん、今ミンソギひょんと何話してたんですぅ?」
 

いつの間にかいたベッキョニ、いや僕。


「え…あぁ…センイルパーティー行けなくなったて…」

「え?」


一瞬だけ固まる僕の姿のベッキョニ。


「あ、そっかぁ…それなら仕方ないかぁ~」

「…ちょっとショックです?」

「いや、別に俺はエリがいればいいし。」


腕を組み頷く僕ことベッキョニ…


「そうですよね、それ以外なら何でもするからって言ってましたけどお断りし」

「何でも?!」

  
がばっと顔に近づいてくる。


「ちょ、近いっ」

「ああ、ごめんごめんつい。」


ベッキョニってパーソナルスペース近いってわかってたのに、それが自分の姿だからか気になってしまう。



「セフニ!」 

ジョンイナが僕の姿のベッキョニを見て叫んだ。
僕は僕を見た。

するとベッキョニがはっとする。


「…あ、俺か。
どうしたぁ、ジョンイナ?」

「昨日のことだけど…」 

えっ?!

「昨日のこと?」


ま、まずい…

ベッキョニひょんに昨日失恋したこと言ってないから状況わかんないのに…!

 
「うん、ごめん。
謝って済む問題じゃないけど…」

目配せしてるのに全然こっち見ないしっ

「…いいってことよ。
で、飯奢ってくれるんだよな?」


「「?!」」



ラッキー!
昨日の話とたまたま繋がってくれたーー!!



「あ、うん…もちろん!
セフンが好きなもの食べよう!」

「えー、どうしよっかなぁ~」



いや、待てよ?

このままだと…
僕参加出来ないてこと?!



「あー、いいなっ俺も行きたい!」

「「え?!」」


思わず挙手した。


「え、ダメ?」


精一杯ベッキョニのマネしたけど似てない?かな??


「駄目じゃないですけど…」

「うん、いいよん。」

「ぶはっ」


けろっとタメ口なセフン(ベッキョン)に爆笑するジョンイナ。


「あ、じゃあせっかくだしミンソギひょんも誘っていいですか?」

「もちろん!」




僕の姿のベッキョニひょんは即答した。








にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

おまけ拍手
PageTop

1.ミラクル★チェンジ

【セフン・ベッキョン】

「チェンジ」「CHANGE」のさらにスピンオフ

セフンとベッキョンのお話です。
セフンがカイ君に失恋したあとから始まります。




_/_/_/セフン_/_/_/



僕とミンソギひょんの間でしどろもどろしてるジョンイナが言った。



「えっと…僕はミンソギが好きだから…」

 
そんなことわかっていた。


「…もういい。」

わかっていたけど… 

「ごめん。」


謝って欲しいわけじゃない。


「別に?
あ、ご飯は奢ってよね?」

「はい…」



ジョンイナの声を聞いたあと扉を締めた。

パタン…











はー…

僕の方がずっと前から好きだったのに…

先の定義…なんて、恋愛には関係ないのだ。



「あー…」



"ミンソギが好きだから…"

あそこまではっきり言われると清々しい。
しかし、好きの気もちがなくなるわけじゃない。



「お、セフナいいとこにいたっ」



ゴタッ

廊下をゆっくり歩いていたらダンボールを持ったベッキョンに遭遇する。



「どれが可愛いと思う~?」

と、ベッキョンはうさ耳のカチューシャを装着した。


ダンボールにはカチューシャと被り物が沢山入っている。

犬、猫、ハムスター?いや、ネズミ?
トラや、狼もなんでもござれだ。


「あー、似合うと思いますよ。
じゃあ僕はこれで…」


ベッキョニに付き合う気分ではない。


「ちょーっとまったぁ、付き合えっ」


部屋に戻ろうとすると、服の裾を握られていた。
結局ベッキョニひょんの部屋に連れ込まれていた。


ベッキョニひょんがダンボールを床に置いてカチューシャを一つ一つ並べている。


「多すぎません?」

「へへ、お願いして借りてきちゃった~
ほら、俺センイルパーティーあるから最高に可愛い俺をみんなのカメラに収めないといけないわけよ?」

「そーゆーのって、スタッフさんにお願いすればよくないですか?」

「チッチッチ…可愛いは自分で作るのだよ。
セフン君。」


垂れうさ耳カチューシャを付けたあと決め顔で言われた。
確かにベッキョニは、ファンを楽しませることを一番に考えている。

そのアイドル魂は、他の事務所のアイドルも見本にするほどだ。


「なるほど…」

うさ耳と顔の決め顔が全く馴染んでないけど、納得した。

「ってことで、セフンの分。」

ガサゴソと、被り物を漁る。

「え、僕はいいですよっ
センイルも終わったしっ」


知らぬ間に、距離が近い。
そして、


「いいじゃ~ん、ギョンスみたいに嫌なわけじゃわないんだろん?」


確かに装着されてぶん投げるほどではない。


「あ、でもこの撮影の時はむしろノリが良くて…ん?」


目をキラキラさせたベッキョニひょんが、手に狼のカチューシャを持っている。



「僕は付けませんよ?」

「えー、固いこと言わずに付けちゃいなよ~」

「いいですっ…!」
  


上半身を逸らすと、なんとそのまま倒れてきた。

どさっ



重いっ…!

そう言おうと思っていた…が。



ビリッ

軽く頭に静電気のようなものを感じた。

目を開けると…



ん?



僕は僕に跨っている…?

え…どーゆーこと?



「重てぇ~、本気で嫌がらなくてもいいじゃ
…ほえ?」



多分ベッキョニもフリーズしていた。
…が、一瞬だった。



「おまえ…でかいな。」

「何がですか?」

「ナニがだよ。」


ムニッと、握られる。


「ちょ、やめてくださいよっ」

「俺のナニ触って何が悪いんだよっ」

「俺のナニ?…って、えぇ入れ替わってる!」

びっくりして飛び起きた。

「今更かよ。」


しかし、僕の姿のベッキョニひょんは…
やたら冷静である。

もしかしたら、戻し方を知ってるとか?



難しい顔(でもバラエティっぽい。)をしているベッキョン…



「あの…」

「…よし、俺は今日からセフンとして生きる。」

すくっと立ち上がった。

「キュートでセクシーなべくちゃんはお前に譲るよ…」


髪の毛を掻き上げる。


「え?」

「アディオス!」


ガチャ!

バンッ










「えぇ…」









にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

おまけ拍手
PageTop

4.別れの決心【完】

【シウミン・セフン】


短編です。



_/_/_/シウミン_/_/_/


ジョンインと別れ、家に戻るとセフンがソファに寝ている。


「セフナ、起きて。」

トントンと肩を強めに叩く。

「…ん、ミンソギ?
…ごめん、寝ちゃった。」

起きたてのセフンは、ちょっと幼い。
きゅんとする気持ちを圧し殺す。

「…諦めて帰ってくれるように、遅くまで帰らなったとは思わないのか?」


わざと冷たく言ってるのに、手を絡めてくる。


「…そんなことわかってるよ。」

指の間を優しく擦られる…と、それだけで気持ちよくなる。

「やめ…」

「やめて欲しいようには見えないけど?」


耳元で囁かれて、慌てて手を離す。


「鍵、返して。」


距離をとって、手を出した。
しかし、その手を引っ張られてソファに寝転んでるセフンに抱きしめられた。


「離し…」

「何で別れたいの?」


抱きしめられてる力が強い。


「もう飽きたんだよ。」

「そんな嘘で僕を納得させられると思う?」

「はぁ?」


何でそんな自信があるんだよ… 


「ジョンイナにばれたくないから?」

いきなり確信を突かれてドキリとした。


「セフンだって…ルゥハンにバレたくないだろ?
だから…」


それは、あくまでお互いの従兄弟という共通点から言った一言だった。
セフンはそう捉えていなかった。


「ミンソギ、ジョンイナが好きなの?」

「え?…あっ」


セフンが腰を動かして、良いところに当ててきた。
そして、シャツを出して直接背中を撫でる。

逃げようと藻掻くが体を起き上がらせようとすると阻止するように唇を押し付けてきた。

「ん…んん…」


やばい、ふわふわしてきた。
久々に触れられて気持ちよくなりやすくなってるかも…

「ジョンイナにもこんな姿見せてるの?」  

「そんなわけないだろっ」

「よかった、全部僕のものだから。」

「っ…んぁぁっ」


セフンは俺の腰が浮かないようにガッシリと掴んで離さない。
そのままゆっくりと腰を動かして、擬似セックスをしている。
離れる頃には、甘イキして力が入らなくなっていた。

「はぁ…はぁ…」

「ミンソギ気持ちよさそうだね。」
  
「んぁぁっ」

セフンが上半身を起こし、俺の胸の飾りをきゅっと指で摘む。
それがいつもより痛くて、痺れる。


「好き、好きだよミンソギ…」


セフンが甘く切なく囁く告白に毎度ときめいて…
胸が痛んでいた。


「やめろよっ…」



でも、俺は抗った。

気持ちよくて気持ちよくて堪らなくても…
俺は抗わなければならなかった。


「俺はルゥハンの代用なんだろ…!」

「…え?」




あ。

言ってしまった。




ずっと思っていたけど、わかっていたけど言えなかったこと。

セフンはルゥハンの代わりに俺を愛して満足してるんじゃないかって、思ってても言えなかった。

俺が癒してあげるなんて言ったから…
セフンが満足するまで待とうと思ってたけど、もう限界だったのだ。



「…そんなこと思ってたんですか?」



びっくりした顔のセフン。
ああ、やってしまった。

わりと自分は重いと自覚している。
だから、恋人は作らずライトにその場限りの相手を探していたのに…


「忘れてくれ。」


俺は顔を手で覆った。


「いやです。」

あっさりと手首を掴まれて、顔を晒される。

「ねぇ、顔よく見せて?」


死ぬほど恥ずかしい…
あんなこといいたいわけじゃなかったのに…

どうせ笑うのだ、わかっている。


「嫉妬してくれて嬉しいです。」

「え?」

「僕ばっかり好きだと思ってたから…」


軽くキスされたあと、セフンが起き上がり俺を起き上がらせて、ベッドに向かう。

ベッドに寝転ぶとセフンが上から覆いかぶさってきた。



「あの日、僕は絶望してました。
苦しくてあの場所に行きました。」

「誰でもよかったんだよ、お前は…」

「違います。ミンソギに会いに行きました。」



セフンが俺の手の甲に口付けする。



「僕にもあの優しい視線を向けてほしかった。」

「あ…」 


焦らされ続けた下半身が晒された。
先走りの蜜は、己の蕾も湿らせるほどだ。

セフンは俺の脚をゆっくりと広げ指を入れる。


「ミンソギ…凄い、とろとろだ。」

「ばか…ん、ぁぁっ」



俺はそのままセフンを受け入れていた。



「せふなぁ」

「ん?」

「おかしくなりそぉ…」


ドックン…
俺の中にいるセフンが波打った。


「ごめん、今日はゆっくり出来ないかも…」










ー翌日ー

昨日はセフンがなかなか離してくれなかった。
体と腰が怠くて仕方がない。

俺はセフンの腕に抱きついた。
そして、肩をがぶりと噛んだ。

「痛っ」

「…ほんとかよ。」 

「何がですか?」


「俺に会いに来たって。」


あんなの、嘘ってわかってるんだ。
でも、その嘘さえ愛しいときもある。


「本当ですよ。」

「ふーん…」


がぶがぶ…


「そんなことより、ジョンイナは?!
何でもないよね?」

「…大事な従兄弟だよ。」

「僕より?」



「あ、コーヒー飲みたいな。」

「はぐらかすの下手すぎでしょ。」


うう…


「ミンソギは、ルゥ兄が好きだと思ってました。」

「…ああ、まぁ確かに初恋だったかな。」

「え?」


ルゥハンは心を許すとかなり距離が近くなる。
そしてあの容姿だ。


「本人無自覚だけど距離が近いし
誰だって一度は勘違いしそうにな…んんっ」


押し付けるほどの強い口付け…


「だめ、許しません。」

「セフンだって好きだったじゃん。」

「それとこれとは別です…んっ」


今度は俺から口付けする。
するとセフンがその後啄むキスを繰り返す。


「俺といると嫉妬ばかりで疲れない?」

「その度に疲労回復してくれます?」


ああ、セフンの目で俺はもう蕩けそうだ。


「…ふ」


俺は手を広げる。


「わかった、疲労回復する?」





別れる決心は、あっさりと崩れてしまった。





【完】


最後までありがとうございました。
ちょっと執着強めな話が書きたかっただけでした。

遅くなりましたがベッキョンお誕生日おめでとうございます!
金髪似合いますよね、可愛かったぁ♡

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

続きを読む

おまけ拍手
PageTop