
##シウミン##
「あ、もうこんな時間っ」
時計を見ると代行を待たせていることを思い出した。
「ごめん、今日は先に帰ります!」
俺は更衣室に向かい、貴重品を持ち出すとそのまま車に乗った。
本当は下っぱだから最後まで残らないとダメなんだけど…
今日だけはどうしても会いに行かねばならんのだ!
俺が少しでも稼ぎたい理由…!
それは目に入れても痛くないほど可愛い弟の為…!
「ミニョン!」
俺は嬉しくて思わず抱き締めた。
「わぁ、ミンソギヒョン?!」
そう、僕の愛する弟、ミニョンはこの大手アイドル事務所
STAR★POPの練習生である。
「デビュー内定おめでとう!」
遂に愛する弟がデビューするのだっ
その知らせを仕事中に聞いて飛んできた!
「ビックリしたぁ、まさか本当に来てくれるなんて!」
「当たり前だろっ」
ぎゅぅぅぅ…
ああ、久々のミニョンの匂い…!
「く…くる…」
「ミンソギヒョン~、ミニョン苦しがってますよ?」
「え?」
パッと体を離した。
「お、ドンヒョク!」
ミニョンと仲がいい練習生である。
そして、ルームメイトらしい。
家が近ければ通うことも可能だったのに、ミニョンは自分で宿舎に行きたいと申し出た。
両親は海外にいるし、俺も反対したかったが…
仕事をリストラされてしまい仕方なく同意したのだ。
「過保護なお兄ちゃんがいていいなぁミニョンはぁ」
「もお、ドンヒョクてばっ」
全く、過保護とは失礼なやつである。
「って言うか、さっきからいるのはミンソギひょんの友達?」
ドンヒョクが俺の後ろを指差した。
「え?!」
ま、まさか…サセンってやつか?!
俺は後ろを振り返った。
するとスーツを着た…
背の高い…
イケメ…
「せ、セフンとカイ?!」
*****************
「初めまして、弟のミンヒョンです。」
「かわいいだろぉ~
それに、歌も上手いしピアノもギターもなーんでも出来て…」
なでなでなで…
「はいはーい、僕たちもう宿舎戻りますねっ」
と、ドンヒョクがミニョンの腕を掴んだ。
「あぁ…」
丁度きた車で二人は宿舎へ向かってしまった。
確かにデビュー前だから、歩くのは危険なのだろう…
1ヶ月ぶりだったのに…ぐすん。
「な、何?」
車に戻ろうとすると二人がついてくる。
「ミンソギ、実弟がいたんですね。」
「あ、うん。
それより、なんでお前らこんなところに?
まさか、練習生…?」
「「違いますっ」」
「だよなー。」
「そんなことより、家に泊めてくだたい。」
「「え?!」」
セフンから衝撃的な言葉が放たれた。
「タクシー捕まらないし、代行いましたよね?
カイは?」
「それは流石に…」
と、カイは遠慮してくれ…
「じゃあ僕だけ泊まりまつ。」
「ちょ、僕も泊まる!」
えぇ?!
「こ、困るよいきなり!」
勝手に着いてきたくせにっ
なんなんだこいつらっ
「元はと言えばミンソギがいけないんですよ?
僕のNo.1記念も行わずに帰るから。」
「え?」
そんな風習あるのか…?!
「僕たちをここに置いてくんですか?」
結局二人は俺の家に来ていた。
「わー、綺麗ですね。」
カイは周りをキョロキョロしてる。
「こじんまりとした家でつね。」
「文句言うなら帰れ。」
むっとした顔でリビングに座った。
「はいハンガー、スーツ掛けて、あ、ファブリーズ掛けていい?、小さいと思うけど寝巻き。」
てきぱき作業するが二人はふらふらしている。
「カイかセフン先にシャワー浴びていいよ。
俺は一杯飲むから。」
「え、まだ飲むの?」
セフンがビックリしている。
「当たり前だろう、ミニョンのデビュー内定記念だし!」
ビール一杯は飲まないと…!
「…カイが立って寝てます。」
カイは目を擦っていた。
「マジか。」
カイを寝室に案内した。
寝かせるといつの間にか一瞬で眠っていた。
「あーもう、スーツのまま!」
俺はカイの上着とズボンを脱がした。
「おお…」
良いからだ…羨ましい。
はだけたシャツから隆起した腹筋が浮かび上がっ…
「僕お風呂入る。」
後ろからセフンの声がする。
「はいはい。こっちだよ。」
あーもう、ここは動物園かっ
いやいや、キンキンに冷えたビールが俺を待ってる!
セフンを案内して一息つこうとしたら忘れ物をした。
「あ、ごめんパンツ忘れてた。」
着替えてる最中のセフンに新品のパンツを渡した。
「え、ミンソギのパンツ?」
「ばかっ、新品だよっ」
バタンッ
なんで、俺がセフンに自分のパンツ差し出すんだよっ
って、セフンの…通常なのにでかかった…
ぐびっ
思わずキンキンに冷えたビールをグッと煽るように飲んだ。
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