
シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年
はぁ…。
今日も大変な目に合いました。
スホ部長の、
俺…自分にボロが出ました。
"敬語が使えてない。"
ってことでまさかの指摘で
追加50m×10本で泳いできました。
スホ部長にではなく、聞いていた先輩方にです!!
です…が、今回は、ルゥハン先輩に聞かれてなかったからマシ!
「はぁぁぁ…!!」
「お疲れ」
今日は、体育会御用達の大森屋という定食屋さんに来ている。
「あれ、敬語?なんて言えば良かったんだ?」
「"自分、存じ上げません"とか?」
セフンが、うんうんと自分で納得して頷く。
そんなの、すぐ出てこねーし!!
「部長ってあれ天然なのかな?」
別にわざとやってるようには見えなかったけど
あの一言でいろんな先輩に敵意剥き出し、トホホな1日だった。
まぁ、言葉使いじゃなくていらっとされたのは内容だろうけど。
「天然だろうな…」
と、セフンも呆れている。
「何が何が~?」
タオは、トンカス(薄いとんかつ)定食を食べて、ご飯粒を口に付けながらこっちの話に入ってくる。
「天然記念物の話」
「なにそれ!!」
と、セフンに明らかに話から外されたのがわかったのか
ぎゃーぎゃー騒いでる。
その間に大好きな唐揚げ定食を
大盛無料のキャベツの千切りとご飯で掻き込む。
ばくばくっ
ばくばくっ
くうぅ!!
食べなきゃやってらんねぇ…!!
************
けぷっ
はぁ…食い過ぎた。
ふと、スマホをみるとメールにたくさんの広告でいっぱい…
削除が億劫…
と、思いながら削除していると…
母からメールがあることに気づく。
"元気?"
"ごはんはちゃんと食べてるの?"
…全然見てなかった。
ラインをしない母からの連絡は正直意識しないと見ないから。
再婚を認めない…あのまま出ていってしまったが
その事については触れられておらず
俺のことを心配しているメールで埋め尽くされる。
『元気だよ。』
いろいろ書きたいことはあるけれど…
心配かけなくなくて一言だけ送った。
すると、すぐ返事が来た。
『いつでも帰ってきなさいね。』
大した言葉じゃない
でも、たった一言に救われる。
今までのこと、何もかもわかってるような口ぶりだ。
そんな母に、なんで俺はあんな手紙を渡したんだろう?
こんなことなら…
認める認めない関わらずとりあえず会っとけば良かったのかな?
結局、どうなったんだろうか?
再婚したんだろうか??
聞きたいけど聞きづらい…
ああ、この件は後にしよう…。
「只今、戻りました。」
部屋には誰もいなくて…
置き手紙だけテーブルに置いてある。
『17時には戻ります。
出掛けられる準備しといて。ミンソク』
なんか、こーゆーやり取りって新鮮だな。
あ、そうか…
連絡とか交換してなかった。
17時かぁ…
あと、2時間くらい?
じゃあちょっと寝られるな…
着替えを30分として…
ん?長い?
15分?10分?
5分でいいや…
知らぬうちに意識が遠退いた。
「わー、凄い!!」
俺は、女の子になったような夢を見ていた。
最上階の夜景の見えるホテルのレストランで…
トクトクトク…
シャンパンを注がれているグラスを見つめる。
「君の瞳に乾杯…」
なんて言われて、グラスを渡されたが
俺はうつ向いて前が見えないのだ。
だから、それが誰なのかわからない。
デザートまで食べて…
満腹…
ご馳走様と、言わんばかりに席を立ち上がると
俺は、ふらっと倒れそうになり…
ふわり…
それを、優しく包み込むように抱き締められた。
「大丈夫?」
俺の手をぎゅっと握られる。
「はっ…はい。」
顔を上げると…。
「ホテル予約してあるんだ。」
鍵を持った…
ミンソク先輩…?!
「おい。」
むにゃ?
「おーい、カイ。」
むにゃむにゃむむ??
ゆっくりと目を開くと…
目の前にミンソク先輩?!
「わーーーーーーー!!」
「ほ、ホテルは行きません!!」
ミンソク先輩は、耳を手で塞ぎ心底嫌な顔をする。
ん?
現実…??
「大丈夫か?」
「はっ…俺、寝てましたか?!」
ミンソク先輩はコクりと頷く。
見ると、17時30分…?!
「す、すみません!!」
「俺も帰ってくるの遅れたから大丈夫。
あ、後で連絡先教えて?」
「は、はい…!!」
と、首を傾げる。
り、リスみたいでかわ…
いくない!!
「じゃあ、玄関で待ってるからな。」
「え?!」
と、ドアを開けた。
先輩は既に私服でジーンズに赤チェックのシャツを羽織っている。
この辺だったら、スウェットにパーカー羽織るとかだと思ってたのに…!!
焦ってまだ、手をつけてない段ボールを開いて一番上にあった
ロンTにジーパンを急いで履いた。
「お、お待たせしました。」
「おー、早いな。」
先輩は前を歩いて俺は後ろ姿を見つめながら歩く。
心なしかぴょんぴょんしてて可愛…いくない。
先輩にいろいろ聞きたいことばかりだ。
まず…
「ど、何処に向かってるのですか?」
「駅だよ、ちょっと栄えてるとこ行くから。」
栄えてる…?
この周辺でも十分栄えてるけど…
「一時間くらいかなぁ…
あ、外泊届けだしたよな?」
「は、はい…」
そう!
外泊!!
「あ、あの…泊まりってことですか?」
どぎまぎしながら質問する。
だって、そんなの聞いてないし!!
すると、ミンソク先輩は俺を上目遣いで見てこう言うんだ。
「今日は、特別だからね。」
胸がトクンと、跳ねたような気がした。
どきどき…!

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