体育会系男子の事情18

【カイ・シウミン】


シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年

---

"もっと仲良くなりたい…"

そんな風に言われて…



俺は、ミンソク先輩を思わず抱き締めていた。

先輩の髪はさらさらとしていて…
俺の鼻を擽る。



大きいオーラとは違ってその体は思ったよりも小さくて…

俺の身体にすっぽりと入り込んでしまった。



は、離れなきゃ！

と、思いつつ体は離れられなくて…



むぎゅ…


え？！



ミンソク先輩は俺の背中に手を回した。

先輩の体温が外側からじわじわと伝わるみたい…



むぎゅ…

ん？



「やっと認めてくれたか！！」



むぎゅぎゅぎゅぎゅーーーー！！

え？！




「いだだだだだだだだ！！

お、折れる！折れます先輩！！」




「あ、すまん！」

と、ぱっと手を離されて倒れる勢いで放れる。




こ、このひと腕の力つぇぇ…！！




「カイ！
これからは、ちゃーんとひょん！
って呼ぶんだぞ！」

「へ？」




ミンソク先輩は俺の手をとって歩き出す

「では、帰ろうか！弟よ！！」




それは、端からみたら手を繋いでいるようで…

「み、ミンソガ！！」



え？

後ろから聞きたくない声が聞こえた。

その声はもちろん…



「あ、ルゥハン。」



なんだこの展開…！！



「な、何してるの…？」

「何って帰る途中だよ。」



手を、繋いでぷらぷらさせている。

俺じゃない！

俺は振り回されてるだけ！！




「ちがっ！！

そ、その手は何？！」




ルゥハン先輩はふるふると震えている。

…もちろん、寒いわけではない。

俺の方が悪寒がしている。




「何って…

わかるだろ？」


「なー？カイ？」




え？

わかんねーし！

質問俺に問わないで！！



小さな手が"きゅ"っと更に握りしめる。




どきどきどきどき…って鳴りやめ心臓！！

ルゥハン先輩を見ると違う意味でどきどきどきどき…






「カイは、俺にとって特別なんだ。」





ミンソガ先輩は、ルゥハン先輩にニコッって笑いかけた。

---

むぎゅ

カイが俺のことを抱き締めてくれた。



びっくりしたけど…

嬉しかったんだ。




実は、カイの同期が少しだけ羨ましかったんだ。

三人でシャワー室で楽しそうに会話してて…
俺には見せないはしゃぎ様で…



俺は、カイのことなんも知らないんだなって思い知る。

コーヒーが苦手だったなんて知らなかったし。



だからさ、もっとカイのこと知りたいと思ったんだ。

何が好きで、何に興味があるのか…




もっともっと知りたい…




だって、カイは俺にとって特別存在…

"弟"

なんだから。




カイを引っ張って帰ろうとしたらルゥハンに会った。




「な、何してるの…？」

「何って帰る途中だよ。」



ルゥハンはお買い物？

買い物袋をぶら下げている。



「ちがっ！！

そ、その手は何？！」



「何って…

わかるだろ？」



やっと俺を兄って認めてくれた証！！

つまり、特別！！



「なー？カイ？」



が、カイは何故か黙ったままだ。

…仕方ない。

言いづらいなら俺が！！



と、思ったが兄弟ってことはNGなんだよな？

「カイは、俺にとって特別なんだ。」




結局、中途半端たけど
ルゥハンにはわかってほしいな。



ルゥハンも俺にとって特別な友達…

いや親友だから。




「ミンソガのバカ…」

「え？」




「この、あんぽんたん！」




バシーン！！



と、ルゥハンが俺に買い物袋を投げつけぴゅーんと走って行ってしまった。




「え？」




なんだ？

何がどうなってる？？




それをカイが追いかけてて…

益々訳が解らなくなった。





その買い物袋の中には、

コーヒーの付け合わせにほしいなーって俺が小言で言ったお菓子が入っていた。

---

寮に住んでるので意外に鉢合わせ率は高め。


FC2blogranking


にほんブログ村

ＸＯＸＯkaixiuＸＯＸＯ