体育会系男子の事情【完】ｶｲｼｳ【カイ・シウミン】
シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年
「カイや、おいで。」
まるで人差し指をクイッと手招きするような仕草をして
俺を呼びつけるルゥハン先輩。
「な、なんすか？」
な、なんか…
機嫌が良すぎてこわい！！
「ん？理由が必要？」
「い、いえ！！
すぐいきます！」
機嫌が悪くなるのを恐れ、俺は走ってルゥハン先輩の元へ向かった。
ま、まさか体育倉庫みたいなところに二人きりになってボッコにされるんじゃ…！？
…………
と、思ったが実際はジョギングができる体育館２階の廊下で…
そこを般若ルゥハン先輩とで並んでジョグると言う…
恐ろしい状況に！！
「ミンソガの側にいたいのはやまやまだが、お前と話すなんて"ながら"でいいと思ってさ。
つまりついでだ、つ・い・で！」
と、いいながらこちらを見ずに軽く走る。
「はぁ…」
走るの嫌いだから苦しい。
いや、般若ルゥハン先輩が隣だから尚更苦しい…！
「ミンソガ、部屋替えに前向きみたいだ。」
え？
俺は…思わずルゥハン先輩を見た。
ルゥハン先輩は、むふーっと荒い息を押さえるように吐き出す。
「ペアマグも、嬉しそうに受け取ってたしな。」
「ぺ…」
ペアマグ？！
そんなの意味深すぎて普通受け取らないよな？！
俺だって、タオかセフンに貰ったらこわいし…！！
「因みに…柄は？」
ミンソク先輩が大好きな柄かもしれん！
シンプルな、飲みやすそうな…！！
ルゥハン先輩はニヤニヤする。
般若が…と、思うとゾワッと身震いする。
「Heartに決まってんだろ」
なんで、ハートだけやたら発音いい
んだ…って…
「は、ハート？！」
ここまで、分かりやすく求愛されて…
気づかないなんてあり得ない。
ミンソク先輩も…ルゥハン先輩のうっちゃりうっちゃり愛に感化された…のか？？
…そんな。
ルゥハン先輩は俺の様子に満足したらしい。
肩をぽんぽんと優しく叩かれ…
ぎゅぅぅう…！！
と、締め付けるように片方の肩を握られた。
(走ってます。)
「いっ…だだだだだだだ！！」
俺は…逃れようと体をひねり、ルゥハン先輩の手首を掴み離そうとする。
…が、相手の方が一枚上手だ。
ぐぐぐっ…
ルゥハン先輩が顔を近づけて話し出す。
「お前が唐突に出てきて、ミンソガと同じ部屋になったときは
下着泥棒に仕立て上げて"ぽいっ"としようと思ったけど…
俺とのミンソガの仲を取り持つ壁！！
つまり、乗り越える愛の障害だったんだな！！」
「ちょ…今凄く聞き捨てならないこと聞いたんすけど！！」
「え？何の話？」
手をぱっと離し、平然としてまた走り出す。
「しらばっくれないでください！！」
「とにかく、どうにもできない思いを
(お前へのイライラを)一年にぶつけてたけど…
その必要はもうなくなったよ。」
「ぶ、ぶつけてた自覚はあるんすね！」
お互いがお互いを抜き、抜かれつつ段々スピードが上がっていく。
夢中で、走って…
有り余っていたようにルゥハン先輩が凄い馬力でダッシュする。
…か、完敗だ。
「あ。」
ルゥハン先輩の声がワントーンあがった？
と、思ったら…
ゴールにミンソク先輩が見えた。
「ん？」
そう言えば、ルゥハンがいない。
はて。
自動販売機に行ったときまでは覚えてるんだが…
忘れてきたか？
と、思いながら自動販売機に戻ってふと2階を見た。
お、カイが走っているな！
感心感心…
ん？隣に誰か…
え？
目を一度綴じてもう一度、目を凝らす。
ルゥハンと、カイが仲良く二人で走っている…？
俺は…じっと上を見つめていた。
何を言ってるのか全く聞こえないが
カイがオーバーリアクションでルゥハンに身振り手振り…
そして…ルゥハンがカイの肩を…？！
俺の目を盗んで…仲良くしているというのか…？
俺は…思わず２階に上がる。
上がった時には既に二人は普通にはダッシュをしていて…
ルゥハンが一気に突き抜ける。
「あ。」
俺の存在には、たった今気づいたみたいだった。
「ミンソガ～！」
ルゥハンが、俺の元にさらにダッシュできた。
笑顔を俺に振り撒く…
白々しい…
先程まで俺の目を盗んで
カイと仲良くしていたというのに…
「ルゥハン…」
「何？！」
「…出来れば、もうカイに近づいてほしくない。」
「え？」
カイが遠くから俺をじっと見つめる。
ああ、なんて俺は心が狭いのか。
純粋な瞳に見つめられると
胸がきゅぅんと痛い気がする。
そう、良心が痛いのだ。
こんなこと言いたくないのに…。
「み、ミンソガ…それって…」
「ああ…俺のわがままだ。」
「わがまま…？！」
ルゥハンが固まるのがわかる。
「そうだよな…？
心がせますぎるよな？」
そして、カイが近くまで来たのを確認すると
心もとなくて俺は、逃げるように部室に向かった。
ミンソク先輩は見た。
昼ドラっぽい、サスペンスへ…！
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シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年
「カイや、おいで。」
まるで人差し指をクイッと手招きするような仕草をして
俺を呼びつけるルゥハン先輩。
「な、なんすか？」
な、なんか…
機嫌が良すぎてこわい！！
「ん？理由が必要？」
「い、いえ！！
すぐいきます！」
機嫌が悪くなるのを恐れ、俺は走ってルゥハン先輩の元へ向かった。
ま、まさか体育倉庫みたいなところに二人きりになってボッコにされるんじゃ…！？
…………
と、思ったが実際はジョギングができる体育館２階の廊下で…
そこを
恐ろしい状況に！！
「ミンソガの側にいたいのはやまやまだが、お前と話すなんて"ながら"でいいと思ってさ。
つまりついでだ、つ・い・で！」
と、いいながらこちらを見ずに軽く走る。
「はぁ…」
走るの嫌いだから苦しい。
いや、
「ミンソガ、部屋替えに前向きみたいだ。」
え？
俺は…思わずルゥハン先輩を見た。
ルゥハン先輩は、むふーっと荒い息を押さえるように吐き出す。
「ペアマグも、嬉しそうに受け取ってたしな。」
「ぺ…」
ペアマグ？！
そんなの意味深すぎて普通受け取らないよな？！
俺だって、タオかセフンに貰ったらこわいし…！！
「因みに…柄は？」
ミンソク先輩が大好きな柄かもしれん！
シンプルな、飲みやすそうな…！！
ルゥハン先輩はニヤニヤする。
般若が…と、思うとゾワッと身震いする。
「Heartに決まってんだろ」
なんで、ハートだけやたら発音いい
んだ…って…
「は、ハート？！」
ここまで、分かりやすく求愛されて…
気づかないなんてあり得ない。
ミンソク先輩も…ルゥハン先輩のうっちゃりうっちゃり愛に感化された…のか？？
…そんな。
ルゥハン先輩は俺の様子に満足したらしい。
肩をぽんぽんと優しく叩かれ…
ぎゅぅぅう…！！
と、締め付けるように片方の肩を握られた。
(走ってます。)
「いっ…だだだだだだだ！！」
俺は…逃れようと体をひねり、ルゥハン先輩の手首を掴み離そうとする。
…が、相手の方が一枚上手だ。
ぐぐぐっ…
ルゥハン先輩が顔を近づけて話し出す。
「お前が唐突に出てきて、ミンソガと同じ部屋になったときは
下着泥棒に仕立て上げて"ぽいっ"としようと思ったけど…
俺とのミンソガの仲を取り持つ壁！！
つまり、乗り越える愛の障害だったんだな！！」
「ちょ…今凄く聞き捨てならないこと聞いたんすけど！！」
「え？何の話？」
手をぱっと離し、平然としてまた走り出す。
「しらばっくれないでください！！」
「とにかく、どうにもできない思いを
(お前へのイライラを)一年にぶつけてたけど…
その必要はもうなくなったよ。」
「ぶ、ぶつけてた自覚はあるんすね！」
お互いがお互いを抜き、抜かれつつ段々スピードが上がっていく。
夢中で、走って…
有り余っていたようにルゥハン先輩が凄い馬力でダッシュする。
…か、完敗だ。
「あ。」
ルゥハン先輩の声がワントーンあがった？
と、思ったら…
ゴールにミンソク先輩が見えた。
「ん？」
そう言えば、ルゥハンがいない。
はて。
自動販売機に行ったときまでは覚えてるんだが…
忘れてきたか？
と、思いながら自動販売機に戻ってふと2階を見た。
お、カイが走っているな！
感心感心…
ん？隣に誰か…
え？
目を一度綴じてもう一度、目を凝らす。
ルゥハンと、カイが仲良く二人で走っている…？
俺は…じっと上を見つめていた。
何を言ってるのか全く聞こえないが
カイがオーバーリアクションでルゥハンに身振り手振り…
そして…ルゥハンがカイの肩を…？！
俺の目を盗んで…仲良くしているというのか…？
俺は…思わず２階に上がる。
上がった時には既に二人は普通にはダッシュをしていて…
ルゥハンが一気に突き抜ける。
「あ。」
俺の存在には、たった今気づいたみたいだった。
「ミンソガ～！」
ルゥハンが、俺の元にさらにダッシュできた。
笑顔を俺に振り撒く…
白々しい…
先程まで俺の目を盗んで
カイと仲良くしていたというのに…
「ルゥハン…」
「何？！」
「…出来れば、もうカイに近づいてほしくない。」
「え？」
カイが遠くから俺をじっと見つめる。
ああ、なんて俺は心が狭いのか。
純粋な瞳に見つめられると
胸がきゅぅんと痛い気がする。
そう、良心が痛いのだ。
こんなこと言いたくないのに…。
「み、ミンソガ…それって…」
「ああ…俺のわがままだ。」
「わがまま…？！」
ルゥハンが固まるのがわかる。
「そうだよな…？
心がせますぎるよな？」
そして、カイが近くまで来たのを確認すると
心もとなくて俺は、逃げるように部室に向かった。
ミンソク先輩は見た。
昼ドラっぽい、サスペンスへ…！
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