体育会系男子の事情32

【カイ・シウミン】


シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年

---

練習も終わり部屋で明日の準備をしながら嫌でも思い出してしまう自分の発言…



はぁ…

ルゥハンに気を使わせたみたいだ。
あれから、彼は俺の側から離れなかったし…




あぁ…恥ずかしい。

今さら己の愚かさに気づいた。

なぜあんなことを口走ってしまったのか…！！




少し顔が火照り、風に当たろうと外に出ると…



「あ。」

カイが、いた。




「た、ただいまです。」

「…お帰り。」





"カイに近づいてほしくない…"

俺は、自分が言ったことを思い出す。





ああ、俺はブラコンなのか？！




俺は、羞恥心でいっぱいになり…

外に出てしまった。

---

どすどす歩く先輩の後ろを見ながら



え？

やっぱり…さ、避けられ…てる？



いつもだったら

"カイ！お帰り！！"

とか、言ってくれる気がしたんだけど…勘違いじゃなかったのか？



いつも通りのテンションだったら部屋替えのことだって
いろいろ聞きたいことはあったのに。

まさか…ルゥハン先輩が言っていたことは全部本当のこと？




二人は、付き合うことになって…

俺とのことはもう、いいってこと？




****



ミンソク先輩は、外出してしまったのか
なかなか帰ってこない。

もしかしたら…ルゥハン先輩とデートだったりして…

いや、まさかまさか！！
明日から合宿だぞ？？
いや、明日だからこそ…



『ミンソガ…俺と毎日モーニングコーヒーを飲もうね？』

『ああ、もちろんだ。』

『ミンソガ、意味…わかってる？』

『ああ、もちろんだ…』



どさっ…




いやぁぁぁぁ！！

考えたくない…！

強制終了！！

※俺得ではないため、ミンソク先輩の返答が乏しい。




ふと、戸棚を見るとルゥハン先輩が持ってきたのであろう
ペアマグが、ハートマークになるように寄り添っている。




どうしよ…

スゲー嫌だ。




気になって気になって仕方がない。

心が狭いと思いつつ…
反対向きにしてハートが見えないように置き直した。

---

カフェで、一息つきながら考える。


…やっぱり、大人げないかもしれないけどやっと兄弟になれたんだ。

よく考えたらまだ数日しかたってないじゃないか。




否、ブラコン！！




カイだって、俺のことを"大切なひょん"っていってくれたじゃないか。

俺のこの想いは当然の感情なのだ。




そう思うと少し、心が軽くなる。

今ならカイとちゃんと会話できるはずだ。




ちゃんと話そう…

部屋替えは、やはりしたくない！





****


帰ってきたら、カイはこたつテーブルに突っ伏して眠っていた。




すぅ…

すぅと、規則正しい寝息が聞こえる。




こたつには、メモ書きが置いてあった。




"明日は、大学1号館に9:00出発です。
8:50分に集合お願い致します。"




それは、見せるためではなく…

多分口頭で伝えるものをメモ書きしたのであろう。

走り書きで、あまり綺麗とは言えない。





俺のことを待ってて、寝てしまったんだな。

彼の肩に毛布をかける。



眠っているカイをじっと見つめる。



カイの顔つきはとても大人っぽくて…

角度によっては彫刻のように見える。




瞳が綴じているとなると
目につくのはぽってりとした唇だ。




少し、荒れてる？

俺は、彼の唇に自然と触れていた。


ふにっ。



ぬ。

柔らかい、思った通りだ。




ふにふに…

調子に乗ってバウンドさせる。





ぱくっ！

「わっ！！」




柔らかい唇と唇に挟まれた。

いや、食べられた。




はて。

この感じ…どこかで…



がぶっ！

「うぉ！」




まさかの甘噛み！！

あまりの衝撃で思い出しかけていたことを忘れてしまった。




「る、ルゥハン…先輩、はにゃ…」

「…」



ベシッ

ちょっとムカついて頬を叩いてしまった。



「いだい…」




はっ！

大人げない！！

俺としたことが！！






結局、カイと一言も話せないまま合宿に突入するのである。

---

また来週！

明日は他のを載せる予定…


FC2blogranking


にほんブログ村
※画像お借りしてます。

ＸＯＸＯkaixiuＸＯＸＯ