
シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年
「ミンソク先輩?!」
ひょこっとした頭に俺はとっさに叫んでしまった。
「残念、俺だよ。」
ひょこっと中から顔を出す。
ま、マネのぎょんちゃんこと
「ぎょ…ギョンス先輩!
いつの間に?!」
ギョンス先輩はマネージャーだから明日の朝から参加らしい。
「バスで、さっき着いたばかりだよ。」
「そうだったんすか!!
って、ここで何して…」
ん?なんか作ってるのかな?
「仕込み…ってほどじゃないけど…
チャニョルとかに見つかると面倒だからさ。」
「仕込み?」
「ああ。」
彼は、包丁で何かを切っている。
レモン…??
「食べる?」
彼は、俺にレモンの皮を差し出した。
「え?ただのレモンですよね?」
「うん。国産の美味しいよ。」
実際ギョンス先輩は一枚軽くかじる。
普通だ…まさか、甘いのか?
がぶっ。
思い切りかじると…!!
す…
「すっぱいぃぃ!!
ギョンス先輩騙しましたね!」
「騙してない。勝手に食べただけだろ?」
「なんすかそれーひど!
あははっ!」
「ま、明日のお楽しみだな。」
「お楽しみ?」
ギョンス先輩は、蜂蜜の瓶を取り出した。
「おおー!あれですね!!」
「そうそう、たくさん作って保存するんだよ。」
レモンは、まだまだある。
「お、俺も手伝います!」
「…いや、怪我したら困るから。」
「大丈夫ですよ!」
と、言ってレモンを切り始めた。
ギョンスと楽しそうに笑っているカイ…。
仲良く何かしている。
なんだこれ?
なんだこのもやっとした感覚は…。
「帰るぞ。」
俺は、部屋に戻る方向へ向かう。
壁を伝いながらひょこひょこ歩いてきたルゥハンをすり抜ける。
「え?ミンソガ…来たばっかじゃん!
どーしたの?!」
「…別に。」
俺は、すたすたと自販機まで戻ると小銭をさっさと出す。
ルゥハンは気になったようで中の様子をちらりと見た。
「ははーん、なるほどね。」
にひひと、ルゥハンが笑う。
「何?」
俺は、ルゥハンを見る。
「いんやぁ、別にぃ~♪
仲良かったんだなって…いや、合宿マジックかもね!」
「合宿マジック?」
「非日常が、仲を深めるってやつだよ…」
非日常…か。
いつもと違う状況が緊張感を与え、それが新鮮味を持たせる…?
つまり…
「ってことで、ね。
ミンソガ、俺たちも更に一歩前に…
っていない!!
1人じゃ帰れないよぉ!!ミンソガぁぁ!! 」
※結局、立ち尽くしたところを
トイレに向かったスホに助けて貰ったそうです。
-翌日-
…ついに朝がやって来ました。
今日は、陸上部が使う500mトラックを全員でジョグしたあと
「ダッシュ!」
「「はい!」」
…ダッシュ。
俺走るの大嫌いなのに!
学年ごとに、一周をダッシュする。
俺達は一番最初…
「よーい…ピッ!」
ホイッスルが鳴った。
*****
ダッシュ×5本…
やっと終わったぁ!!!
「はーはー…」
ぐぇぇ、吐きそう。
俺は、肩で息をする。
「カイ、意外と足遅いんだね。」
けろっと一位のタオが、俺のあまりのぜーはーぶりにびっくりしている。
「…うっさい。」
「あ、4年スタートした。
うわ~、ミンソク先輩速いなー」
「え?」
ほんとだ…。
ルゥハン先輩も速いけど…ミンソク先輩が少しずつ差をつけていく。
やべー、かっこいい。
と、思ったら…
え?
ええ?!
座ってるこっちまで来た。
タオは、その様子にビックリしている。
「はぁ…はぁ…」
と、少し荒い息づかいにドキドキする。
「カイ…はぁ」
首の汗をTシャツで拭いながら
ミンソク先輩は、俺の手をとり…
「合宿マジック…」
ぼそっと喋る。
「へ?」
今、なんて??
「カイ!
俺と、共に走ろう!!」
「は、はい!?」
「1年、4年もう一周!」
と、ミンソク先輩が叫ぶ。
「「えぇー!!!」」
…何故だか、もう一周走らされた。
合宿マジックの間違った使い方です。

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