体育会系男子の事情44

【カイ・シウミン】


シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年

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「お疲れ様でした！」




二日目の全ての練習が無事終わった。




ルゥハン先輩は、あんなことを言ってたけどとても穏やかに１日が終ろうとしている。




食事のときも普通だったし…

ちょっと怖いくらいだ。




「ぐぇ～飯後の練習ってきつぃ。」

タオが、ゴロンと布団に寝転がる。



「なんか、もたれてるな…。」

と、セフンも寝転がる。



「早くお風呂入って寝たい…」

タオがうとうとしている。




「今風呂何年？」

俺はセフンに聞いてみる。

「んー、まだ4年生入ったまま帰ってないみたいだ。」




うわっ…マジか！

まだまだじゃん！！




「えー！僕の肌が荒れちゃうよぉ！」

と、タオが嘆く。




「今年の4年生は、長風呂なんだと。」

「「へー」」




夜練が終わったら4年生から風呂に順番に入ることが出来る。
そのあと3年が入って、2年が入って…
俺達が入れるのはあと一時間くらいかと思われる。




夜の練習は、軽めだったものの…
ごはんを食べて直ぐに練習だったためかみんなぐてっとしている。




「あーー！合宿所がこんな辺鄙なところじゃなかったら今頃遊びにいってんのに！！」

「ねー！」



撤回。

ぐてっとはしてるが、元気みたいだ。



はぁ…。



まだ、二日目なのにスゲー長く感じる。

俺も、ぽてっと布団に倒れた。









トントン…

襖を叩く音がする。



「「はい！」 」



みんなが起き上がって凝視する。

２年か？？

その人物とは…！！





ススス…





「カイ、いる？」

「み、ミンソク先輩！」




「ちょっといいか？」

ミンソク先輩は、ちょいちょいと手招きする。




「は、はい。」




振り向くと、セフンとタオがいけいけと急かす。

俺は、頷いて…ミンソク先輩に付いていった。




***



「夜風に当たろうか？」

「は、はい。」



人気が少ない道路を歩きながら唯一光を照らす自動販売機へ向かう。




ドキドキドキドキ…

や、やばい…スゲー緊張する。




先輩のことを、ついに好きって自覚したあとだから更に二人っきりって状況を意識してしまう。




"先輩の想いを受け止めます！"

なんて言っちゃったあとだし…




先輩は、お風呂から上がったらあとだから少し体はピンク色に染まっている。
湯冷めしないか心配だ。




「せ、先輩…寒くないっすか？」

「…」




歩いてから全く口を開かない。

え？なんか怖いんですけど…。




今さら仲良くしたいのを撤回したいとか？

いや、やっぱり部屋替えしようとかか？！




と、心配になってミンソク先輩の正面に回った。





「ミンソク先輩！…どうし？」

と、顔を覗くと…




がばっ

と、抱き締められた。




「カイ！」

「み、みみみみミンソク先輩？！」

むぎゅっと抱き締められて俺は、硬直する。




「びっくりしたか？！」




無邪気に笑う先輩…俺を驚かせたかったのかな？

か、かわいい…



「は、はい…」




「おい、二人きりの時はひょんだろ？」

「ええ？！合宿の時もですか？！」

「当然だ！」




むぎゅぅぅぅ…！

と、されて痛いのに…
好きって意識してる今日はちょっと違う気がする。




先輩の胸板が、俺の体に密着して…
身体の体温が浸透してきて…！

あ、シャンプーのなんかいい匂いもしてきた。




や、やばい！

これ以上は！！




「ん？カイ、ポケットに何か入ってるのか？」

ミンソク先輩が俺のスウェットをチラッと見てきて…！

咄嗟に放れた。




「どぅわぁぁ！！

そ、そうです！ゴミかな！！」

「む、そうか。」




放れたことに若干、ムッとしながら先輩は俺を見ながら歩き出す。

…う、上目遣い…最強です。




「何か用事があったんじゃ…」

「む？ないぞ。

何となく話したかったんだ。」




どかーん。




…なにそれ。

可愛すぎでしょ！！





このひょんは俺に爆弾投げまくってくる。

危険です。





「明日の朝はな、俺が仕切るからな。」

「え？」

「毎年恒例だか、４年がローテーションで朝練は仕切るのだ。」

「へー」




そうなのか…先輩のこと見つめてても許されるんだな。




でへ…

っておい…マジで大丈夫か俺。




「カイには何するかこそっと教えるな。」

「え？ほんとですか？」




「特別だぞ？」

ニヤリと笑う。




ちょっと背伸びをしてきたので俺が屈んだ。

彼は耳元で囁く。





「縄跳びするぞ、縄跳び。」

「な…」






縄跳び？！






俺は、空いた口が塞がらない。






















そして、忍び寄る影に気付かずにいた。






「チェン！！見て！！

あれ、ミンソク先輩とカイだよね？！」




暗闇から二人が覗いている。




「なっ…

えらいこっちゃ…大スクープやで！」




「チェン、なんかいつもとしゃべり方が違くない誰？！」

「あ、つい…心の声が出ちゃったみたいです！」

「そんな、チェンも好きだよ！！」

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to be continued…


…誰？



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