
シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年
誰かがばひゅーんと一気に抜いて走り出す。
え、えぇ?!
誰?!
そして、後ろでざわめきが起きる。
「おさきにぃ~」
颯爽と三年生が俺たちを抜かし…
その後ろからチャニョル先輩が長い足をバタバタと音を立てて俺たちを抜かす。
「おい、今日の仕切りミンソク先輩じゃなかったのか?」
「知らねーよ!」
ベッキョン先輩と会話をしながら一気にダッシュする。
え?
ええ?!
ダッシュなの?
ジョグじゃねーの?!
「とりあえず行くしかない。」
セフンがボソッと言う。
「え?」
タオとセフンがダッシュして、俺もそれに続く…
後ろを振り替えると…
安定のジョグをしているミンソク先輩…と、般若と他4年の先輩。
もしかして…前にいるのはスホ部長?!
"先輩が前に来たら、それに合わせて走らなければならない!"
…という、ルールがあるとかないとかで。
更にそれを守らなくてはならないため
俺たち(3年まで全員)は海まで結局全力を使ったのである。
***
スホ部長は、何気に体力がある。
嬉しそうに後ろを振り返りながら…
「お前ら、青春に向かってダッシュだ!」
とか、俺たちを励ましながら加速したままの速度で走る。
き、きちぃ…
そして、砂浜に皆が座っている様子が見えてきて、ゴールを悟り俺は最後の力を振り絞る。
「はーはー…」
つ、着いた…!
やっと…
俺たち下級生は、皆砂浜に寝ころがり…
後からコーチと共に車で来たぎょんす先輩のウォータージャグに群がる。
「お疲れ様」
と、コップに入ったスポーツドリンクを配ってくれる。
ああ、マジで生き返る…!!
「ぎょんすぅ!コレ美味しいよ…!」
へばって倒れて動かなかったチャニョル先輩が、匍匐前進でレモン蜂蜜漬けにてを出す。
不格好な、輪切りのレモン…
それって…
「あ、それ俺切りました。」
「は?!そんなわけ…!」
チャニョル先輩が驚いた顔をした。
ぎょんす先輩を見ると、頷いている。
「俺、お手伝いしたんです。」
「え?!なんで?!
どーゆーこと、ぎょんす!!」
俺とぎょんす先輩を交互に見て挙動不審のチャニョル先輩。
え?俺、余計なこと言ったかな?
「まーまーまー」
と、ベッキョン先輩がチャニョル肩をぽんってした。
「お前だけ特別じゃねーってことだよ。」
と、にっこり可愛くベッキョン先輩が放つ。
や、やばい…
やっぱり失敗したかもしれない!
***
ジョグして後から来る4年生が来るまで俺たちは休憩時間だった。
砂浜で座り込んでいるチャニョル先輩に近づく。
「ちゃ、チャニョル先輩誤解です!
たまたま、ぎょんす先輩がレモン切ってたから手伝っただけなんです!」
チャニョル先輩がいじけて、砂山を作っていた。
俺もしゃがんで手伝う。
「ふーん…二人きりでね。」
「一人で大変そうだったんですって!」
「へー…」
ああ、ヤバい…
凹んでる!!
「ぎょ、ぎょんす先輩はチャニョル先輩のこと好きですって!!
だって特別扱いだったじゃないですか!」
「…え?
もしかして見てたのお前か!?」
はっ…
やばっ…バレた!!
「す、すみません!」
「…べ、別にいーけどさ…
で、特別に見えたか?」
こそっと耳打ちしてくる。
「は、はい!」
「声でけーよ!」
と、言ってため息を吐いた。
「俺のことチャラ男だって、信じてくれないんだよ…」
「なるほど…先輩マジで王子みたいでカッコいいっすからね。」
チャニョル先輩がの顔が赤くなる。
「ば、バカ!何言ってんだよ!」
「いだっ!」
バシンッと背中を叩かれる。
「誠実に先輩が好きって伝えたら多分わかってもらえますよ…」
と、言った瞬間に頭の上に影が出来る。
「何がわかってもらえるんだ?」
サクッ!
と、砂山に棒みたいのが刺さった。
ん?旗ついてる??
と何気なく上を見上げると…
ミンソク先輩が俺たちを覗き込んでいる。
ひぃ!!
陰ってて怖い…初めて会ったときのオーラがある!!
「充分休んだよな?
今からその砂山9個作れ。」
「「え?」」
「出来次第始めるぞ?
学年別…ビーチフラッグを!」
朝練長い…

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