
シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年
※ビーチフラッグとは…
海岸で後ろ向きでうつ伏せになり、両手を顎の下に置き20m離れた地点に1.2m間隔で置かれた、競技者の数より少ないホースチューブを取り合う競技である。
「ビーチフラッグ…?」
「ほら、ライフセービングの人がやってるじゃん!」
「あー!」
なんて、誰かがこそこそと話して聞こえる。
その間に俺とチャニョル先輩は、急いで砂山を9個作った。
一つ置きにその上にミンソク先輩が棒を差していく。
準備が整うと、予備の旗が付いた棒をフリフリさせながら全学年が立ってる方を向いた。
「ってことで…
簡単に説明すると、この棒を取れば勝ちだ。」
ざ、雑…
説明雑過ぎますミンソク先輩!!
クスッ
「ミンソガってばぁ…」
その横で、天使のように微笑む般若…ではなくルゥハン先輩。
「む?何か変だったか?」
「俺が簡単に説明するよ…」
と、先輩が説明を始める。
ルゥハン先輩…
もしかして今日何するかわかってた?
落ち着き具合がちょっと怖い。
「…と、言うことで学年対抗で競ってもらう。
最下位の学年は勿論罰ゲームだ。
じゃ、早速…」
「ミンソガ、ちょっと待って。」
と、始めようとするとまたもやルゥハンに止められる。
「む、なんだ?」
「それじゃ、最後にならなきゃいいって考え方になるよ。」
「…最下位以外順位は気にならなくなるってことか?」
むむむ、目標が低くなるのか…!
「そうだなぁ…
優勝者にはごほうびをあげるってのはどどう?」
その声に"おおおおお!!"
と、声が上がる。
「む、ごほうびとは?」
「お願いごとを聞くとか…かな?
そっちの方が盛り上がると思うよ。」
…ふむ、よし。
「わかった。優勝者はごほうびだ!
出来る範囲で何でも叶える。」
と、言った瞬間、全学年の雄叫びが聞こえた。
「さっすがミンソガ!
男に二言はないよね?」
「うむ、もちろんだ。」
優勝したらどうしようかな!
なんて、俺は少々浮かれていた。
そう、俺は"お願い"について深く考えてなかったのだ。
そして気づかなかった。
ルゥハンが、ニヤリと笑っていたことに。
とりあえず、始まった。
最初は、各学年2名ずつ8名で5本ある棒を取り合う。
「さーて、今後のレースの行方はどうなるのでしょーかぁ!!」
既にレースを終えたベッキョン先輩が実況中継役に回っている。
もちろん、旗をちゃっかり持っている。
…その横でうつ向くチャニョル先輩。
「お前、暇なんだからちゃんと解説しろ!」
「うー…優勝出来たらギョンスに告白しようと思ってたのに。」
「お前、反射神経とか関係なく足遅いからな。
優勝なんて無理無理ぃ。」
「ひど、酷いぞベッキョン!!
俺の列ルゥハン先輩で勝ち目なんかなかったんだよ!」
ピーッとホイッスルが鳴った。
「お、始まりましたー!
ミンソク先輩ぶっちぎりですー!」
ミンソク先輩…カッコいいな。
旗を持ってガッツポーズしてる。
俺と目が合うと、さりげなくウインクされた。
ドキッ…
…が、そのまま4年生の輪の中に入って見えなくなった。
寂しい…な。
こんなにも遠いよ。
俺は心の中で先輩に声を掛ける。
ミンソク先輩…改めて好きです。
もっと一緒にいたいんです。
俺、頑張りますね。
優勝できたら…自信持って告白します!!
ルゥハン先輩に、文句なんて言わせない!!
そんな想いで、ビーチフラッグに望んだのである。
****
いつのまにやら、人数はどんどんと減り
1~4年各一人ずつで3本の旗を取り合うのである。
わー!
と歓声が凄い。
俺も、そんなに脚は早くないものの誰も狙ってない旗を見つけ生き残っていた。
…が、しかし、今回からはそう言ってられない。
隣に走るのはルゥハン先輩なんだから。
ルゥハン先輩の脚はよくみると凄い。
蹴りあげられたらめちゃくちゃ痛そうである。
うつ伏せになり、ホイッスルが鳴るのを待つ。
一瞬の静寂…
そして集中…
「俺が優勝したら…
ミンソガは俺が貰うからね。」
え?
ピーッ
ホイッスルが鳴り、俺が慌てて走ったときにはもうルゥハン先輩の背中を追っていて…
先輩の華麗なダイブを急ブレーキを掛けながら見つめていた。
俺の優勝は、あっさりと砕け散ったのだ。
カイ君の目的もニョルの目的もあっさりと砕け散る。
※引用:コトバンク
スポーツ用語がわかる辞典
ビーチフラッグスとは

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