体育会系男子の事情49

【カイ・シウミン】


シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年

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ぼー…

俺は、トイレに行った後

そのあとの試合を見ずに空を仰いでいた。





負けたわ。

完敗。

マジで無力だった。




俺に宣戦布告するルゥハン先輩の実力は半端なかった。

あんな人に勝てるわけ…ない。





優勝とかさ…最初から無理だったんだ。










わー！

と、歓声があがる。




「うわぁぁぁ！！

２年の期待の星チェンが！」



と、ベッキョン先輩が崩れ落ちる。



「ってことは…

俺ら…ば、罰ゲームじゃん！！」

チャニョル先輩が、オーバーリアクションして…




うぉぉぉと、雄叫びを上げて他の学年がガッツポーズする。





準々決勝…

２年生が全員敗退になり、罰ゲームが決定したらしい。





いつもだったらそれだけでスゲー嬉しいのに。

今日はなんだかそこまで喜べない。





そんなとき、たった今試合が終わったチェン先輩がすたすたとこっちに歩いてくる。





「おい、チェン！」





引き留めてる声が、珍しい人の声だった。

３年のレイ先輩…





「何ですか？

先輩すぐ準決勝でしょ？

早く戻ってくだ…」



「ねぇ、チェン…俺のために手抜いた…？」




え？！

そうなの！？

俺は、見えないように体を更に地面にへばりつける。




「まさか、そんなわけないです。」

「嘘だ！

俺、そーゆーの嬉しくないよ！」




レイ先輩は、チェン先輩の胸をぽかっと叩く。

え？



「ばかばかばかばか！」

ポカポカポカポカ叩く。




「…辞退する！」

「レイ先輩、何言って…」




「今は、レイって呼んで！」

「レイ、誤解です。」



チェン先輩は、レイ先輩を抱き締める。



「俺は本気でしたよ？

本気で挑みました。」

「嘘、嘘だ！

途中で止まったの見たんだから！」



チェン先輩が同期を犠牲にするなんて…！

し、信じられない。




「強いて言うなら…

カニさんが目に入ってしまったんです。」

「か、カニさん？」

「咄嗟に避けてたら、ロスしちゃいました。」

「チェン…」

「ちょっとかっこ悪いですよね。
言い訳がましくて言いたくなかったんです。」


チェン先輩が、下がり眉で口角を上げて笑うと…



ちゅっ

レイ先輩が軽く唇に触れる。




「バカ、カニに優し過ぎるよぉ…」

「あはは、ほら、早く準決勝始まりますよ。」

「うん。」



と、背中をぽんぽんと叩いて早く動くように促す。

二人で向かった。




かに…

流石チェン先輩、万物に優しいぜ…☆




ってか二人って付き合ってたんだな…

ちょっとびっくりしたけどいい雰囲気だし。




そして、またもや俺は立ち聞き…

あれか？

あの家政婦の血が流れているのか？？





なーんて…

いつの間にか少し凹んでた心が安らいでいた。





「カイー！

タオ応援しろー！」





と、俺もセフンに叫ばれて砂浜に向かった。





タオの横に並んでいる人を見てビックリする。

…タオの準決勝の相手は




ミンソク先輩だった。

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準決勝から、２名で一本の旗を取り合う。
今残っているのは、俺、ルゥハン、と、３年のレイと、１年のタオである。


籤引きで、対戦は俺とタオ、ルゥハンとレイになった。


「ミンソクせんぱーい！」

「ミンソク先輩ファイティンですー！」




終わってしまった２年は大体俺を応援してるのか、歓声が凄い。




「タオー！がんばれー」

1年は1年しか応援していない。

少しアウェイである。



が、しかし…



「タオー！」

と、言ってるカイを見つける。

俺のことは見ていない。





「よーい…」

タオと俺は旗と反対方向に寝そべる…




むぅ…

同期は応援するべきだとわかってるが…。

応援されないと少し寂しい気もする。





ピーッとホイッスルが鳴り…

ザザッ…！！





「あーーー！！」




俺は、先に飛び込んだものの旗を掴めずに手探りしているタオからささっと上から旗を奪い…

決勝に進んだのである。






…次なら応援してくれるかも。

と、少し期待をしながら。





*****



「ミンソガ！

決勝で会うの楽しみにしてるからね♪」

「勝ってから言うんだな。」





…が、しかし。

ルゥハンは俺に旗を見せつけながら戻ってきた。





なんと。

…４年同士の決勝とは…。





「ミンソガぁ…まさか俺達が決勝なんてね。
運命感じちゃう！」

「うむ。下級生、たるんでるな。」



ふふ…と、ルゥハンが笑ったように見える。


「…ミンソガ。」

「なんだ？」




「優勝したら、"お願い"忘れてないよね？」

「もちろんだ。

男に二言はない。」





「一年の時から変わってないね…

ミンソガは。」

「ぬ？」




「だから、変わっていく君を見ていられない。」





どういうことだ？？





「スタート位置に付けー」

その理由を聞けないまま二人ともうつ伏せになる。





同学年だと応援はなく

ひゅう…

風だけしか音を出すものはいない。






ピーッ

ホイッスルが鳴った。

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変わってないしうたんは変態の事情で見ることができます☆←宣伝。

チェンチェンの相手は、レイでしたー！
当たったみなさんおめでとうございます！

…なんも景品はありませんがね！！



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