
シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年
昼食で、全学年集まるとルゥハン先輩は一目散にミンソク先輩の方へ向かった。
「ミンソガァ…やっと会えたね。」
「ん?」
「こらこら、接触禁止だ!」
ストンと、真ん中にスホ部長が座る。
怖いもの知らず!!
は、般若くるか?!と、思いきや…
「ああ、ロミオとジュリエットみたい…」
「何を言っている?
卵と鶏肉だから親子丼なんだ。」
ルゥハン先輩がこの状況を楽しむかのように話しているが、ミンソク先輩との会話が支離滅裂である。
「ああ、ミンソガ…なんでミンソガはミンソガなの?」
「哲学的だな。それは…」
と、スホ部長が少しズレた返事をしても突っ込みなし。
「ああ、ミンソガ…もう少しの辛抱だからね…?」
「おい、俺は壁か?」
スホ部長の声が聞こえないほど…1人でロミジュリの世界へ…
「ふふ…」
食べてるミンソク先輩を見つめていて食べ始めるのは遅かったが…
いつの間にかペロリとたいらげている。
ちらりと視線が合うと…
ニヤリと意味ありげな視線で微笑む。
それはまるで、試合では負けたが勝負には勝った。
…みたいな、自信ありげな微笑み。
やはり、ミンソク先輩に俺の告白は無視されたってことなんだろうか?
***
食事が終わり、食器を片付けているとミンソク先輩と目が合う。
あ。
チャンス…かも。
「み…」
「ミンソガー!!」
「ん?」
「スホが寝ちゃったから俺と話せるよ♪」
昼休みは、唯一ルゥハン先輩がミンソク先輩と接触出来る機会になったらしく
全く入り込める余地はない。
いや、ルゥハン先輩はわかってるのかも…
俺がミンソク先輩に直接、あの告白を聞いたのか聞く勇気がないってことに。
*****
午後練の準備は2年生に任せているのでセフンとタオは、まだ眠っている。
俺はどうにも寝ることができず…掃除を手伝いにプールにふらふらと向かっていた。
「お疲れ様ですー。」
が、しかし2年生の姿はなく…少し早すぎたみたいだ。
後ろから声が聞こえてくる。
「ぎょんす、ウォータージャグはどこに置くの?」
「それは、中身入れるから置いといて。」
「ぎょんすぅ、そのストップウォッチどこ持ってけばいい?」
チャニョル先輩はギョンス先輩の気を引こうと必死である。
俺は、つい身を隠した。
「…それは、マネの仕事だからやらなくていいから。 」
「いいよ!やるよ!」
ストップウォッチを持っている箱を奪おうとするチャニョル先輩。
…しかし。
「いいから!」
ギョンス先輩が、箱を引っ張り返すと
カシャーン…
何個か散らばるストップウォッチ。
しゅるるる…
その中の一つがプールサイドを滑って水の中に入りそうだったので俺は反射的に表に出て掴む。
「か、カイ…」
狼狽するチャニョル先輩。
「す、すみません…お手伝いしようかなって…」
「ありがと。助かった。」
ギョンス先輩が俺に近づいてそのストップウォッチを受けとるとそのまま、出ていってしまう。
それを見つめたままのチャニョル先輩…
ああ、完全にやってしまった。
「す、すみませんでした。」
「いや…」
空気読めなすぎだろ俺!!
どうしようかしどろもどろしていると…
「やっぱ、ダメみたい。」
「え?」
「勇気だして告白したんだけど…
ギクシャクして今は避けられててさ。」
「…そうだったんですか。」
言葉が見つからずそれしか言うことが出来ない。
「…言わなきゃよかったのかな。」
「え?」
「言わなきゃ、こんな思いしなくてすんだのかな…」
「せ、先輩…。」
チャニョル先輩の、大きな瞳がじわりと潤みだす。
「欲張りすぎたんだ。
今まででも十分幸せだったのに…」
しゃがみこむチャニョル先輩の背中を擦った。
俺も胸が痛い。
無責任なアドバイスしてしまったから…。
でも…
「言ってよかったと思います。
…言わないと何とも思ってないのと同じですから。」
その言葉は、自分にもじわりと染み込む。
そのあとの先輩は散々で…
「チャニョル!!
お前何回言われたら気がすむんだ!!」
「すみません!!」
練習中のチャニョル先輩は注意散漫でコーチに怒られまくっている。
ギョンス先輩は、叱られてるチャニョル先輩をじっと瞬きもしないで見つめていた。
チャニョル先輩のこと気にしてるはずなのに…
いや、二人の中がどうなのかなんて実際はわからない…
俺にはどうすることも出来ない…ただ見てることしか。
ぼーっとしていると、ぽんっと肩を叩かれた。
「カイ。」
「わっ…はい!」
「どうした?ぼーっとして。」
振り向くとミンソク先輩…
俺が黙っていると
「ん?」
と、首を傾げる。
俺もこの距離感を失うのかもしれない…
と、思うと急に怖くなった。
それでも。
「先輩…」
「ん?」
「練習終わったら、時間ありますか?」
俺もやっぱりこのままじゃいけないんだ。
ストック切れ…
遅れました。

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