
シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年
-それは少しだけ前に遡る-
「みんな早く!」
スホに呼ばれて、俺はコーチの元へ向かった。
「4年全員集まったか?」
「「はい。」」
コーチは真剣な様子で口をゆっくりと開く。
「今日は練習終わったら顧問を含めて話し合うからな。 そのつもりで。」
「「はい。」」
みんなの顔が動揺しているように見える。
なんと今日は練習はなしになったがミーティングらしい。
…しかも4年だけ。
まさか、下級生が問題を起こしたのか?
もしくは4年がやらかしたとか?
よくない考えはどんどんと膨らむ。
その後
"練習が終わったらすぐに集まれ"
と言われ、誰一人一言も発せずにすぐに着替え…
「貴重品だけ持って車に乗ってくれ。
あ、防寒はしろよ?」
…車?
違う場所でミーティングと言う名の説教なのか?
それとも、いきなり置いてかれてそこから帰れと走らされでもするというのか?
とにかく、何をするのか全く分からずに10分くらいの場所で車が止まった。
「後から顧問がくるから…
中に入って座っててくれ。」
そう言われて、コーチの車から降りた。
するとそこは…
「いらっしゃいませ~
ご予約のE大水泳部様ですね。」
「「え?」」
お酒を飲みながら食事をする所謂居酒屋だったのだ。
****
「と、いうことで乾杯!」
「「乾杯」」
まさかの展開だった。
そう、飲み会だったのだ。
「ど、どーゆーことですか?!」
スホが動揺して、コーチに聞いている。
「びっくりしたか?」
コーチが、ニシシと笑っている。
「いやぁ、今日の朝練を見てどうしてもお話したいとおっしゃってな。」
と、いいながら俺とルゥハンを見た。
俺たちを呼び出したのは、施設の偉い人らしい。
水泳には余り詳しくない人らしく…今回のビーチフラッグはわかりやすくて見るのも楽しかったみたいだ。
「ミンソク君、ルゥハン君凄いよかったよ!
いや、熱かった!!」
「ありがとうございます。」
ルゥハンは、いつもの"営業スマイル"をする。
それで、大抵乗りきれる…はずなんだが。
「いやー、君、男のくせにやたら可愛いね。」
「とんでもない。」
手をやたらにきにぎと触る。
お酒が入っているからか少々ボディータッチが多い。
「君も…」
と、握手を求められ…
ルゥハンがもう一度その手を握る。
「このエロだぬきが。」
ぬぅ…
「え?何か言ったかい?」
「いやー、光栄だなって♪」
ルゥハン…
恐ろしいな。
****
既に、何杯かお酒を飲み…
ふと、時間を見ると23時を過ぎている。
できればもうお開きにしたい。
明日の朝練もあるし…
それに…
カイとの約束もあった。
カイには、俺が顧問たちと飲み会に行ってるのは伝わっているに違いない。
でも、帰ってくるかもと待っているのかもしれない。
そう、少し俺は酔っていた。
「あの…」
俺は、立ち上がる。
皆が俺に注目する。
「もう、大変申し訳ないのですが、帰らせていただいてもよろしいですか?」
「お、おい、ミンソク!
失礼だろ?」
眠そうだったスホが、ハッとして俺を無理やり座らせる。
「でも、明日も朝から練習があるだろ?」
俺は、強情にも引かなかった。
「ミンソク君は、真面目なぁ!
感心感心。」
と、顧問たちは酔っているため陽気に見えた。
無礼講で、終わらせてくれる。
…と、思っていた。
「では…」
「…でも、まだ酔っぱらってないみたいだね。」
「え?」
どんっ…
と、一升ほどの焼酎をテーブルに置かれた。
「これ飲んでから帰ってね。」
*****
そのときのことはあまりよく覚えていない。
「せ、先輩…
ミンソク先輩!」
「カイ…?」
ふと、目を覚ますとカイがいて…
「カイですよ。」
俺は、彼にしがみついて…
すごくすごく…安心する。
会いたくて
会いたくて
「会いたかったぁ…」
…会えた。
俺は、カイにもっと近づきたくて…
彼に抱きつく。
「カイぃ……」
カイの腰は俺より細くて…
でも、体は俺より大きくて…
守りたいのに、守られてるみたいだ。
「ひょんは、ひょんは帰ってきたぞぉ。」
ひょんとしてきちんと約束を守りたかった。
「お帰りなさい、ひょん。」
「…うむ。」
…だけか?
瞼の重みで疑問はうっすらとしてきて…
「ひょん…?寝ちゃったんですか?
…ひょん、起きて。」
彼の、優しい揺さぶりで心地よい睡魔が俺に囁いているようだ。
「起きないと…キスしちゃいますよー…」
き…す?
そう、疑問に思った瞬間…
俺は、意識を失ってしまっていて…
「ミンソガ…」
次起きた時には、ルゥハンの背中にいたのである。
所謂アルハラってやつですかね?
昨日寝ちゃいました。
では、また月曜日にm(__)m

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