
シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年
「…どうした?」
俺は、どうしてかルゥハンの真剣な雰囲気はどうも苦手だった。
いつもの俺なら目を逸らすことができたはずなのに…
酔っているからか、俺は彼を見つめ返す。
「俺は、怒ってるよ?」
「む、何故だ…?」
ルゥハンはゆっくりと近づいてくる。
「無茶ばっかり…
いつものミンソガじゃない。」
「いつもの俺…?」
ゆっくり、近づいてくる。
"逃げないと"って思っても動くことは出来なかった。
「自分を持ってて…何色にも染まらない。
必ず自分を突き通してた。」
今更、両手を塞がれているって気付いた…。
頭が上手く回らない。
「そんなミンソガが、俺は…」
ゆっくりとゆっくりと…
ルゥハンの顔が近づいてくる。
ふにっ。
ルゥハンの…唇が俺の頬に触れた。
俺は咄嗟に首を横にして避けていた。
「ちょ…!」
ごそっ…
ん?
横から音が…??
「ちょちょちょっとまったぁぁぁ!!」
少し開いていた襖から声がする。
するするするする…とゆっくりと襖が開いた。
「…お前か。」
ルゥハンが呆れた声を出した。
なんと…
カイだった。
理想とはかけ離れていた。
襖をバンッと開けることも出来なければ声もまともに出すことも出来なくて腰も引けていた。
いきなり飛び出すことって思っているより勇気がいることに気付いた。
「立ち聞きしてたのか?」
「み、ミンソク先輩に触らないでください!」
「なんで?」
「なんでってわかるでしょ!!」
「わかんねーよ。」
今だって次の言葉が見つからなくて足が震えている。
どうしよう…!
何て言えば!!
「やめろ。」
ミンソク先輩が声を出す。
ルゥハン先輩もミンソク先輩を見つめ…次の言葉を待った。
「き…」
「「き?」」
「…きもぢわるい…」
「「え?!」」
「う…うぇ…」
ミンソク先輩が口を手で塞ぐ。
「と、トイレ!」
「どこだぁぁぁ!!」
ドタバタドタバタ…!!
と、二人でミンソク先輩を担ぎ上げトイレまで向かって行く…
そのあと、その騒ぎにみんながざわざわ起きて…
「ミンソク先輩ここに!!」
と、俺は両手を差しのべる。
「うぷっ…」
と、したときは
時既に遅し…
****
スホ部長は、ミンソク先輩にポカリスエットを飲ませている。
「あとは、俺に任せて…二人とも風呂入ってこい。」
あのあと二人であたふたしていると4年生が帰ってきてぱぱっと手早く処理したのであった。
「…はい。」
「ああ。」
ああ、あのポジションに着きたかった…
と、ルゥハン先輩も思っているに違いない。
ぽいっ
「やっといて。」
お風呂場に向かう廊下を歩きながら
Tシャツを脱ぎ捨て俺に投げてくる。
ぽいっ!
投げ返しながら
「自分で洗ってください。」
ぽいっ
「はぁ?!
お前一年だろ!」
ぽ~いっ!
「…洗濯は自分で洗ってください!」
「やなこったっ!」
ぼんっ!!
ルゥハン先輩は、洗濯機の中にダイブさせた。
「やっとけ。」
「…。」
これ以上やっても無駄なので俺もTシャツを脱ぐ。
ウィィ~と、洗濯機がTシャツ2枚だけの為に回る。
俺は、洗剤をパラパラと入れた。
お互いにお風呂場に向かい
下のスウェットを脱ぎながらルゥハン先輩が呟く。
「あともーちょっとだったのになぁ~」
「…無理矢理のどこがあとちょっとなんですか。」
「あ、覗いてたんだ?」
にやっと、先輩は笑う。
「の、覗いてなんか…!」
「の・ぞ・き、の・ぞ・き!
きゃ~、へんた~い!」
と、女の子みたいにふざける。
女の子みたいな顔だからややこしい。
「な、なんとでも言ってください!
ミンソク先輩は助けられましたから!」
「助けた?
ただ覗いて話遮っただけだろ?」
ルゥハン先輩は鼻をフンッと鳴らし。
そのまま個別のシャワー室に向かった。
「明日は覚悟しとけよ?」
「え?」
「俺は、ミンソガみたいに甘くないからな?」
そう、言い残して。

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