体育会系男子の事情63

【カイ・シウミン】


シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年

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"…そう思うと胃がムカムカする。"



今までこんなことなかった。

メンタルは弱くなかったはずだ。

気持ちで体調は簡単に左右されるなんて知らなかった…




「ルゥハン先輩には盗み聞きされてただけです！」

認めたくなかっただけかもしれないが。

「む、そうなのか？」



「もちろんです！

それより…」



その一言で俺は少しずつ安心を得る。

でもな、まだ曖昧なんだ。

体調が万全になるためには不足している。



「じゃあ…なんで俺には言ってくれなかったんだ？…」

「え？」

「なんで、秘密にしたんだ？」

「そ、それは…」




彼の言葉は詰まる。

そうすると、全部嘘に聞こえてくる。




「俺のこと信じてなかったのか？」

「それは違います！！」




「嫌われたくなくて。」

「…俺に？」




カイが頷いて…

カイも俺に対して不安だと知る。



カイも、体調が俺に左右されている？



「できないやつって思われたくなくて…

いいとこだけ見せようとして…」



それで、俺は安心したんだ。

ああ、これはおかしいことじゃない。

心で体調が左右されるのは。




「好きになってほしくて…」

「む？」





嫌いになるわけないのに…！

俺はお前の事が好きだって何回もいってるではないか！！



って思っていだが…



とくんとくんと胸が高鳴り…

どどどどどどどどどどどど！



こ、これはいかに？！




「カイ…」

「は、はい！！」

「く、苦しい…。」

「だ、大丈夫ですか？！」




胸を自然と手で押さえていると、カイが俺の手の上に手を重ねる…と、更に



どどどどどどどど…

どたん、どたん！！



む。胸が暴れだしている！！

病気か？！




「カイ、俺はどうやらおかしいらしい…」

「え？！

吐く、吐きますか！？」





ああ、吐きたい！！

出きることなら…



この心臓ごと…！！




俺は、彼の差し出される手を掴んでいた。


トクントクン…


心臓は、吐き出されることはなく…

俺の胸の中で、だんだんと軽快なリズムで動き始めた。





それは、求めていた通常の体調より何倍も心地いい。




ああ、そうか…





「お前を独占したい気持ちで一杯なのだ。」





俺はカイとこうして二人でいることに心地よさを感じている。





「え？」

戸惑うカイを余所に、俺は彼に近づいた。




近づきたい。

もっともっともっと…




柔らかそう…。




カイのふくよかな唇を視ながら

あの時のことを思い出す。




もしかして…？

俺は、疑問を解消したくて彼の唇に

唇で触れてみた。




むちゅ…。

あの時の感覚が鮮明に思い出される。




「お！なるほど！」


やっとわかった！！




「あのときの感触は、唇だったんだな！」





でも、何故？

って疑問に思うのはまた後の話である。






その時は、痛い胸ももやもやとした蟠りもなくなっていて

とてもすっきりとした気持ちだったから。

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「おーい！！」



はっ…誰かの声がする！

凄い今さらだけど…

俺ら特別メニュー中だったんじゃないか？！



それは、ミンソク先輩も思ったらしく…



「海だ。」

「え？」

「海に飛び込め！！」




「今、３月ですよ？！」

「いいから！！」




俺はミンソク先輩に手を引かれ砂浜を駆けていき…

どぼーん！！





と、ダイブしたのである。

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しうたんの、飛び出した心臓を思い出しました。




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