
シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年
みんな朝食を死に物狂いで食っていた…
先輩二人の分はきちんと残ってラップされているが…
「俺の分は!?」
「食べちゃった!」
って、悪気ない顔のタオ。
「食べちゃったって…」
「いないのが悪い。」
と、セフンもタオには怒らない。
…てか、俺に怒ってる?
はっ…そうだよな。
そもそも、こんな地獄朝練になったのは…
「ごめん…。」
「何が?」
「朝練…俺のせいで大変なことに…」
セフンとタオがじーっと俺をみる。
睨んでいるようにも見える。
そうだよな…
ルゥハン先輩にしごかれるの実はこれで二回目だし…
許してくれるわけ…
「朝飯でチャラ!」
「た、タオ!
すぐ許したらこいつ調子乗るぞ!」
セフンが、タオを睨む。
「だってぇ…。
このままギスギスしても仕方ないじゃん」
「まぁ…そうだけど。」
「運命共同体でしょー?」
「たおぉぉ…!!」
俺は、両手を広げたが…
タオは大きい声でこそこそ話をする。
「せふなぁ、ここで借りを作っておくんだよぉ。
いつか役に立つよ!」
「まぁ、それもそうだな…。」
………。
「仕方ないなぁ~。
合宿終わったら、スペシャルバブルティな!!」
「あー、僕はパンダパフェね!!」
「…はい。」
みんな、いつの間にかルゥハン先輩の黒さが付着してきてるのは気のせい…?
***********
俺は、午前練の掃除が始まるまでそわそわ無駄に廊下を歩いたりしたが…
ミンソク先輩と、ルゥハン先輩には結局会えず…
「あ。」
すでにもう、お約束なのか…
チャニョル先輩に会ってしまう。
…スマホを見てにやにや笑っている。
「せんぱーい!」
ぽんっ!
と、肩を叩くと
「いだぁーー!」
と、オーバーリアクションされた。
「いてーよ!馬鹿!」
「す、すみません…!」
チラッとスマホの画面が見えると…
ハート、ハート、ハート…の、迷惑極まりない連打である。
「ま、俺は今猛烈に幸せだから許してやるけどね!」
目をキラッキラさせている。
うずうずうず…
明らかに話したそうだ。
「何か…」
「よくぞ聞いてくれた!!」
反応ハヤッ!!
耳を寄越せと催促してくるので体を寄せる。
「実は…」
「実は??」
「じゃんじゃかじゃーん!!
ギョンスとお付きあい出来ることになりましたーー!
パフパフー!!」
なっ…
いつのまに!!
「マジすか!!
おめでとうございます!!」
「ギョンスの鋼鉄のココロがな…
俺のハッピィなスマイルで溶岩のごとく溶けはじめたんだ…!
happy open mind!
あ、この詞いいな!!ポエム本に書かないと!」
「それは俺のっス!!」
はっ…口が勝手に!?
「え?何か言ったか?
…ん?!ぎょんすの匂い!!」
くんくん嗅いでいる仕草のあと…
「チャニョル!」
「ぎょんすぅぅ~」
飼い主の小さな声なら聞き取れるのか
呼ばれたら犬並みに素直に向かって行ってしまうチャニョル犬。
ムツゴ◯ウさんのよりは控えめなものの頭を撫でているギョンス先輩。
いいなぁ…
雰囲気が甘い…
…ギョンス先輩もチャニョル先輩のでれスマイルに釣られて笑ってる…
ミンソク先輩の心も…溶けてるかな?
ルゥハン先輩と俺のこと誤解するくらいだし?
尻も揉まれそうになるし…
ちゅーも…
「おい、覗きだぞ。」
振り向いても誰もいない。
え?!
天の声?!
まさかのギョンス先輩が振り向いて、俺に嫌な顔をした。
二人はそそくさと行ってしまう。
え?!
ちょ、違うんです!
誤解!!(じゃ、ないけど。)
あーあ…
と、思ったら…
「ぎゃっ!!」
ぎゅむっ!
と、後ろからお尻に違和感があった。
よくみるとしゃがんでるミンソク先輩にお尻を掴まれている。
「なっ!なにやってんすか!!」
ミンソク先輩が下からじろじろ吟味している。
「ふむ…カイの尻は小振りだな。
きゅっと引き締まっててスキニーとか似合いそうだ。」
わきわきわき…
「そーなんですよー、俺もなんか締め付けられるくらいピッチリしたパンツが好きで…
って、おい!何でお尻掴んでるんですか!」
「驚かそうと思ってしゃがんだら尻があってな…。
つい、掴んでいた。」
「"そこに尻があったから"みたいな返事はいりません!!」
はー、はー…
叫んで疲れた。
いつの間にかミンソク先輩は立っていてじーっとうるうるした瞳で見つめらていた。
「カイ…明日で合宿終わりだな。」
「え?」
「少し寂しい気もするが…
なかなか思慮深い春合宿だった。」
「…そうですね。」
俺は、色んな意味でドキドキばくばくな合宿でした。
「帰ったらまた、部屋会しような。」
部屋会…?
ってことは…??
「部屋換え、ルゥハン先輩納得してくれたんですか?!」
ミンソク先輩はゆっくりと頷く。
嘘…
信じられない。
「これからもよろしくな。」
「はい!」
俺は、リズミカルに…
そう、まるでダンスをするかのように、午前練の掃除に向かったのである。
黒い影は、忍び寄っていたというのに。

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