
シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年
練習が始まる前にスホ部長が話し出す。
「今日の午前中は、通常練習。
午後は、各自タイムを測る。
疲労もあるかもしれないが自己ベスト目指してほしい。」
「「はい。」」
「そして明日の午前練は紅白戦だ。
チームは明日直前で発表する。
以上!」
「「はい!」」
皆の声が少し浮き足だったように感じた。
…紅白戦とは、合宿の締め括りに行われるリレーのことらしい。
1~4年が混合チームで盛り上がり、一体感が生まれる…と、聞いた。
つまり本格的な練習は、実質今日までになる。
「明日終わったら、BBQだってさ。」
セフンがこそっと話しかけてきた。
「え?」
「配膳中、おばちゃんに聞いたら確実☆」
「マジか!」
ってかいつの間にセフン、おばあちゃんと仲良くなってんだよ!
セフン…恐ろしい奴。
そっかぁ…BBQか…
肉!肉!楽しみすぎる…。
自然とヨダレが出てしまう。
ミンソク先輩と、お肉を"あ~ん"
すでに、オートで出てくる妄想…
"あつっ!"
"熱いか?ふーふーしてやろうか?"
"ミンソク先輩、その唇いただきです!"
ぱくっ!
って、ないないない!
と、無意識にでへぇっ開いた口を戻しているところをルゥハン先輩がジーっと見られていた。
はっ…こ、こわい!!
…と、思ったらフッと逸らされた。
いつもなら睨まれるところなのに…??
ミンソク先輩がちゃんと伝えたっていってたけど…
だから大人しいのだろうか??
…静かは静かで怖い、気もする。
が、しかし…いつの間にか練習に集中してしまい気にかけることはなかった。
午後練も終わり…
乱雑した部屋の中でスホが皆のタイムを見比べて、あ~でもない、こ~でもないと、ぶつぶつ言っている。
き、汚い!
と、思いつつ…
俺は、自分の布団の周りを掃除しながら声を掛けた。
「どうした?」
「明日の紅白戦なんだけど…」
毎年、紅白戦はタイム、各自の種目を考えながら部長が調整してチームを決める。
「なんだ?難しいのか?」
タイムに差が出てしまうのだろうか?
それとも、相性とかそのようなことも考慮しているとか?
「確率使ったら、1000通り以上出来てしまって…」
「確率使ってどうする。」
考えたくもないな…
頭が良すぎると、使うのも大変なのだな。
真面目が真面目過ぎで、バカなことに…
とは、言わないが…
「だってな~、色んな可能性を秘めてると思うんだ、紅白戦は!!
ベストなメンバー、チームワークで競ってなんぼだろ!」
「ほぉ…確かにな。」
紅白戦はお遊びのようなものだ。
しかし、勝負、競うことは確かであり部の皆が団結する催し物でもある。
まぁ頑張れ…と、これ以上関わらないように距離を取ろうとすると…
「ルゥハンとな~カイとか競わせたら面白そうなんだよな~。」
「ん?」
気になって耳を傾ける。
確か、ルゥハンは、自由形の100m、200m、400mを集中して練習している。
一方、カイは自由形の、800m~
なるほど…
今まで一緒に練習してても合わなかったってことだな?
「二人が競ったら…タイムも上がりそうだし…
面白そうじゃないか?」
「うむ…是非!」
その勝負はどうしてもみたくて念押ししてしまった。
それが今後の選手生命に影響していくとは知らずに。

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