
【チェン・レイ】
二人のなれそめスピンオフ
「ぎょ、ぎょんすは、俺の隣で寝るよね?」
「え?」
チャニョルがたどたどしくギョンスに話しかけた。
俺、ベッキョン、チャニョルの3人で川の字で布団の順番だったが
新しい布団をチャニョルがここぞとばかりに敷き始める。
「チャニョル、寝相いい?」
遠慮がちにギョンスが聞く。
「も、もっちろん!!全然いい!!」
「えー、昨日"壁に俺の長い脚ぶつけたぁ"とか言ってなかったっけぇ~?」
「べ、ベッキョン!」
二人がギャーギャー喋っててギョンスは黙ったままだ。
そんなことになったら、ギョンスが潰れてしまう。
でも、チャニョルは隣で眠りたいんだもんなぁ…
どうしよう…と、考えていたら
「僕はチェンの隣に寝るよ。」
と、いそいそと布団を引きずってこちらにきた。
チャニョルが羨ましそうにこちらを見ていて…
ぷいっとふて寝してしまった。
************
夜は、何でか肌寒い…
それは、いつもいるはずの人がいないから。
"チェン…好きだよ。"
あの日からいつも言ってくれる。
言われ過ぎてくすぐったい気持ちだったのに…
言われないと不安なんて相当重症かもしれない。
先輩…好き。
俺も好き。
ちゃんと言わずに恥ずかしがってばかりだったな…
はぁ…
抱き締めて貰うだけじゃなくて…
俺も抱き締めればよかった。
合宿の期間中なんてあっという間だと思ってたのに。
すごくすごく長く感じる…
「チェン…まだ起きてる?」
「え?」
ギョンスが小声で話しかけてきた。
「眠れないの?」
「あ…うん、ごめんなんかうるさかった?」
「ううん。
僕も眠れなくて…」
そうだったんだ。
俺は起き上がる。
「ちょっと外の空気でも吸わない?」
「え?」
俺とギョンスは二人を起こさないようにゆっくりと外に出た。
「あ、お茶でも飲む?」
ギョンスが給湯室でお湯を沸かして、事前に持ってきたであろう柚子のジャムをコップに入れる。
「はい、どうぞ。」
「ありがと。」
こくっと一口飲むとほわぁと、柚子の香り…
それを飲みながらふたりで薄暗い食堂の椅子に座ると、ギョンスが話し出した。
「こーゆーの修学旅行以来でさ、なんか落ち着かなくて。
…なんか緊張しちゃって。」
「そうだよねぇ。」
俺らは寮に住んでるから少しは慣れてる…気もするけど、ギョンスはマネだから始めての共同生活だ。
「ってかさ、気を使ってる?」
「え?」
ギョンスがさらっと聞いてきた。
まさか、気まずかったのかな?
「チャニョルのぎこちないの…こっちまで気まずくて、嫌だったかな?同じ部屋なの。」
「へ…?」
あ、そっちか。
チャニョル…ガチガチだもんな。
「…何にやにやしてるの?」
ギョンスが"?"を頭に乗せている。
「嫌じゃないと思うよ。
チャニョルは仲良くなりたくてぎこちないだけ。」
俺は彼に耳元で話した。
「…え?」
ギョンスの頬がほんのりと赤くなった。
気になる相手に伝えるのって…やっぱり難しいのかも。
*******
─翌日─
「「お早うございます!」」
「おはよぉ~」
レイ先輩は、至って普通だ。
俺と目が合うと優しく微笑む。
先輩は平気なのかな?
穏やかそうに見える。
はぁ…
レイ先輩を練習中にも見てしまう…
先輩のほわぁんとしたところも好きだけど、あの真剣な眼差しも好きだ。
でも、なんかみたことあるような…
それはレイ先輩よりもっと昔の…
うーん…
「チェンぼーっとしてるぞ!」
三年のスホ先輩に注意されてしまった。
「は、はい、すみません!」
「どうした?
レイのこと見てたよな?」
「み、見てないです!」
「フォーム綺麗だよな、お手本にしたらいい。」
お手本って…
「じ、自分はバタなので…」
「あ…そうか。
チェンは知らないのか。」
俺は首を傾げる。
「いや、レイはさ、中学のときバタ専門だったんだよ。」
え?
「どうしてやめちゃったんですか?」
「腰に負担がかかるからって聞いたな…
高校は海外にいたらしくて詳しくは知らないけど…」
「そうなんですか…」
何もかもが初めて聞く話だった。
レイ先輩のこと、俺…実は何も知らないのかも。


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「ぎょ、ぎょんすは、俺の隣で寝るよね?」
「え?」
チャニョルがたどたどしくギョンスに話しかけた。
俺、ベッキョン、チャニョルの3人で川の字で布団の順番だったが
新しい布団をチャニョルがここぞとばかりに敷き始める。
「チャニョル、寝相いい?」
遠慮がちにギョンスが聞く。
「も、もっちろん!!全然いい!!」
「えー、昨日"壁に俺の長い脚ぶつけたぁ"とか言ってなかったっけぇ~?」
「べ、ベッキョン!」
二人がギャーギャー喋っててギョンスは黙ったままだ。
そんなことになったら、ギョンスが潰れてしまう。
でも、チャニョルは隣で眠りたいんだもんなぁ…
どうしよう…と、考えていたら
「僕はチェンの隣に寝るよ。」
と、いそいそと布団を引きずってこちらにきた。
チャニョルが羨ましそうにこちらを見ていて…
ぷいっとふて寝してしまった。
************
夜は、何でか肌寒い…
それは、いつもいるはずの人がいないから。
"チェン…好きだよ。"
あの日からいつも言ってくれる。
言われ過ぎてくすぐったい気持ちだったのに…
言われないと不安なんて相当重症かもしれない。
先輩…好き。
俺も好き。
ちゃんと言わずに恥ずかしがってばかりだったな…
はぁ…
抱き締めて貰うだけじゃなくて…
俺も抱き締めればよかった。
合宿の期間中なんてあっという間だと思ってたのに。
すごくすごく長く感じる…
「チェン…まだ起きてる?」
「え?」
ギョンスが小声で話しかけてきた。
「眠れないの?」
「あ…うん、ごめんなんかうるさかった?」
「ううん。
僕も眠れなくて…」
そうだったんだ。
俺は起き上がる。
「ちょっと外の空気でも吸わない?」
「え?」
俺とギョンスは二人を起こさないようにゆっくりと外に出た。
「あ、お茶でも飲む?」
ギョンスが給湯室でお湯を沸かして、事前に持ってきたであろう柚子のジャムをコップに入れる。
「はい、どうぞ。」
「ありがと。」
こくっと一口飲むとほわぁと、柚子の香り…
それを飲みながらふたりで薄暗い食堂の椅子に座ると、ギョンスが話し出した。
「こーゆーの修学旅行以来でさ、なんか落ち着かなくて。
…なんか緊張しちゃって。」
「そうだよねぇ。」
俺らは寮に住んでるから少しは慣れてる…気もするけど、ギョンスはマネだから始めての共同生活だ。
「ってかさ、気を使ってる?」
「え?」
ギョンスがさらっと聞いてきた。
まさか、気まずかったのかな?
「チャニョルのぎこちないの…こっちまで気まずくて、嫌だったかな?同じ部屋なの。」
「へ…?」
あ、そっちか。
チャニョル…ガチガチだもんな。
「…何にやにやしてるの?」
ギョンスが"?"を頭に乗せている。
「嫌じゃないと思うよ。
チャニョルは仲良くなりたくてぎこちないだけ。」
俺は彼に耳元で話した。
「…え?」
ギョンスの頬がほんのりと赤くなった。
気になる相手に伝えるのって…やっぱり難しいのかも。
*******
─翌日─
「「お早うございます!」」
「おはよぉ~」
レイ先輩は、至って普通だ。
俺と目が合うと優しく微笑む。
先輩は平気なのかな?
穏やかそうに見える。
はぁ…
レイ先輩を練習中にも見てしまう…
先輩のほわぁんとしたところも好きだけど、あの真剣な眼差しも好きだ。
でも、なんかみたことあるような…
それはレイ先輩よりもっと昔の…
うーん…
「チェンぼーっとしてるぞ!」
三年のスホ先輩に注意されてしまった。
「は、はい、すみません!」
「どうした?
レイのこと見てたよな?」
「み、見てないです!」
「フォーム綺麗だよな、お手本にしたらいい。」
お手本って…
「じ、自分はバタなので…」
「あ…そうか。
チェンは知らないのか。」
俺は首を傾げる。
「いや、レイはさ、中学のときバタ専門だったんだよ。」
え?
「どうしてやめちゃったんですか?」
「腰に負担がかかるからって聞いたな…
高校は海外にいたらしくて詳しくは知らないけど…」
「そうなんですか…」
何もかもが初めて聞く話だった。
レイ先輩のこと、俺…実は何も知らないのかも。


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