
続・ルゥハンとシウミンの一年生の時のお話
スホが水着に着替えて、体を軽くストレッチしながらこっちにやって来た。
「じゃ、平泳ぎでいいか?」
「ん。いーよ。」
俺は何日も泳いでないし、実際に泳げるかなんてわからない。
もしここで溺れるようなことがあるなら、スホに無様な姿を見せて、この先もずっと引き摺るに違いない。
体がヒヤリとして…
心臓が静かに波打つ…
とくん、とくん…
そう、今俺は自分の首を締めているようなものだ。
「スホがスタートしたらすぐに俺もスタートする…いいな?」
「随分自信たっぷりだな。」
何も言わずに見つめ返すと、スホは水中で泳ぎの体制になった。
ぐんっ…と力強く壁を蹴って
スホがスタートした。
スホが遠退くのを見つめる。
俺は、一瞬固まってしまった。
怖い。
このまま飛び出したらまた水の中に引き摺られるんじゃないかって…
ミンソガの顔が思い浮かぶ…
ああ、やっぱり…負けたくない。
このまま終わりたくない。
泳ぎたい…
俺は、壁を蹴った。
無我夢中で泳いだのだ。
パタパタパタ…
授業が長引いて、プール掃除に来るのが遅くなってしまった。
パシャバシャ…
誰かが泳いでいる。
そぉ…っとプールを盗み見た。
一瞬、誰が泳いでいるのかわからなかった。
スホと…ルゥハン?
スホはすぐにわかったが、ルゥハンは一瞬誰かわからなかった。
彼のフォームは荒々しかった。
水の泡が飛び散るような激しさ…。
まるで獣のような…
あの時の人魚のようなルゥハンではなかったのだ。
でも、泳いでる、泳げたんだ…。
心の中で心底ほっとする。
ざわ…
ざわ、ざわ…
プールの入り口付近に人が集まりざわめき始める。
二人がざばぁ…と、プールから出てきた。
「お前!なんでフリーなんだ?!
平泳ぎって言ったただろ?!」
「えー?そうだったかな??」
は、まずい!
「ルゥハン、スホ!」
しかし…一歩遅かった。
目の前に4年の部長が通りすぎる。
「何してる?」
二人がプールから出てプールサイドに正座をさせられているのを
俺は見守ることしか出来なかった。
初シウちゃん視点。
明日で最後です。

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