
続・ルゥハンとシウミンの一年生の時のお話
正座…いてぇ。
じんじんを通り越して、麻痺してきた。
「あぁ、俺がルゥハンの誘いに乗ったばっかりに…」
と、正座しながら足の指をずらしぶつぶつ小言を言っている。
「…なんだよ、タイムが縮んだ!って喜んでたくせに。」
はぁぁ、と長いため息をついた。
スホが。
「お前は寮じゃないからいいけど、帰ってからも一年全員が連帯責任なんだからな!!」
「連帯責任…?」
ってことは…?
練習が終わって部長がやってきた。
そう、ミンソガを含む一年生も。
練習後、掃除が終わると一年生全員が正座させていただく。
練習中も正座しているスホとルゥハンは明らかに辛そうだ。
「「お疲れ様でした、お先に失礼します!」」
パタン…
と、二年生が出入り口を閉めると…部長が口を開く。
「とりあえず足崩して。」
「え…?」
「早く。」
「「はい。」」
…足に血流が流れ、一瞬でじわぁと温かくなるのががわかる。
「二人は空き時間に練習してたんだろ?
努力するやつは嫌いじゃない。」
一年生を一人一人眺め…
そして、スホとルゥハンを部長が見据える。
「が、しかし…他の部員に示しが付かないからな。」
なるほど…
うんうんと頷いた。
「努力は影でやれ。
結果を出せば文句は誰も言わない。」
「「はい。」」
ユノ部長…
かっこいい、流石…神。
「ルゥハン」
ユノ部長はルゥハンに視線を向けた。
「はい。」
「顧問や監督は認めても俺は特別扱いを認めないからな。
今日は寮に泊まってもらう。」
ルゥハンは暫し固まった。
「…嫌です。」
ざわっ…
一年全員が視線がルゥハンに向いた。
「ルゥハン、何言って…」
俺は思わず声を出した。
「俺にだってプライドがあるんだよ。」
プライド…?
それは長所であり短所だと言ったのに。
「ユノ部長、お話があります。」
ルゥハンはすくっと立った。
「る、ルゥハン?!
お前…まさかバカなこと考えてるんじゃないだろうな!!」
スホがルゥハンの腕を掴む。
しかし、振りほどかれた。
一体…何を?
不安が過る。
ルゥハンはユノ部長と話し合ったあと…
その日寮に泊まることもなく…自分の家に帰ってしまったのである。
─二日後─
一昨日の出来事が何ごともなかったかのように早朝から部屋掃除、そして玄関掃除をしている。
がさがさ…
「ルゥハンの、やつ…一体どうなってんだ?!」
スホはイライラしてるのか掃きが荒い。
ざっざっ…
「俺も悪かったよ…
でも、なんでこんなにややこしくなるんだよ!」
スホの悔しそうな顔…
血管が額に浮き出そうだ。
「スホ、まだ辞めるって決まった訳じゃ…」
「え?辞める??」
ガチャ…
こんな朝早くお客?
それとも誰かの朝帰り??
ふと、玄関先をみると…
「る…?」
「…ミンソガ、来ちゃったv」
それに反応したのはスホだった。
「来ちゃったじゃなーい!
俺の部屋に来た荷物やっばりお前だったのか!!」
俺は呆然としていた。
「は?なんで?!
俺はミンソガとおなじの301号室にって!」
「残念だったな。
ミンソクは部屋換えしてたんだよ~。」
「なっ…」
ルゥハンが固まって…
ようやくこちらに視線が向いた。
「…ルゥハン、一体どういうことだ?」
何が何だかわからない…
「ミンソガ!俺もここに住むことにした!」
「む?」
「これからはずーっと一緒だよ!
ミンソガ!!」
ルゥハンがにっこりと笑って…
「へ…?」
俺は思わず…
ルゥハンを抱き締めた。
「み…ミンソガ?」
今…
ぎゅってされてるのは…
げ、現実?!
ふんがふんが…
ミンソガの匂い…
はぁぁ~ん…嘘じゃないみたい♪
「…よかった。
俺、てっきり退部しちゃうのかと思ったんだ…」
ミンソガが…
俺をぎゅっと…って!!
「え?!
なんでそうなるんだよ!」
俺は体を少し離して彼の顔を間近で見つめる。
はぁ~ん
おめめ綺麗…♪
「俺のプライド…って」
「あ、あれね。
中途半端は嫌いなんだ。
それに、入るなら自分から…だろ?」
「…なるほど。
ルゥハンらしいな。」
と、納得したみたいだった。
「ってことで、ミンソガ…
改めてハグを…」
がしぃぃぃっ!!
と、スホに横から抱き締められた。
ミンソガと二人で。
「ルゥハンんんんん!!」
「ちょ、お前は呼んでねーし!!」
く、苦し…
こいつ腕力あるな!!
「苦難すぎる!!
問題だらけじゃないか!!
俺は明日から一体どうすれば…!!」
と、小言をぶつぶつ言っている。
「スホ、大丈夫だ。みんなで乗り越えて行こうではないか!」
「ミンソク…!
でも、それだけじゃなくていろいろあってだな…」
「ってそこ!!
いちゃつかない!!」
見つめあってる二人の視界を手で妨げる。
「俺はMMKと正々堂々と闘う!
住めば都!この寮もいずれは俺の天下だからな!」
「む?MMKとは?」
「「み、ミンソガ(ク)は知らなくていいから!」」
そう、俺と非公認組織団体MMKとの闘いが今、始まる…!
それはやつらが卒業するまでねちっこく続くとは知らずに。
【終わり】
ご愛読ありがとうございました。
来週から【体育会系男子の事情】をお送りする予定です。

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