
シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年
トイレの蓋をして、その上に両膝を抱えて座る。
飛び込んだ瞬間的を思い出す…。
明らかに差があった。
そんな簡単に縮まらない差が。
はぁ…
情けねぇ…
まさか俺のせいで負けるなんて思っても見なかった。
俺が練習に集中してなかったせいだ。
ちゃんとしてなかったのが悪い。
ずっと…
ミンソク先輩の事ばかり考えていた。
その報いに違いない。
「カイーどこー?」
遠くからタオの声がした。
その声はこちらに向かってくる。
ゆっくりゆっくり…
そして、トイレの個室で立ち止まった。
「か、カイですか?」
「…」
何でか声を出せなくて
トントンとドアを叩いて返事をする。
「ひぃ!!
か、カイなの??」
トントンと、返事をする。
「…カイ、大丈夫?
お腹痛い?」
トントンと、叩いた。
そーゆーことにしておこう。
「わ、わかった!
伝えてくる!!」
と、居なくなってしまった。
しんと静まり返り…
出るタイミングを失って後悔した。
はぁ…なにやってんだ、俺。
仮病じゃん。
キィ…
俺はしばらくしてトイレの個室のドアを開けた。
その時…
「カイ?」
トイレの入口から入ってくるミンソク先輩と目が合う。
「具合が悪いって聞いてきたんだが…
違うのか?」
やばい…
仮病って…ばれた?
俺はうつ向いた。
こんな姿見せたくなかったのに…
「…すみません。」
俺は、拳をぎゅっと握り…
次に何を言われるのか覚悟するように待つ。
呆れてるのか?
怒ってるのか…?
怖くて顔が見れない。
すると…
ミンソク先輩は俺に近づいて…
ぽんぽんと頭を撫でた。
「大丈夫か?」
ぽんぽんと優しく…
なんも言わないでただ優しく…
頭からなんとも言えない温もりがじわっと伝わってきて…
ぶわっと涙が溢れる。
「す、すみません…俺。」
「何も言わなくていい。」
それでも俺は話続けた。
「う…くっ…俺」
「うん。」
「くや…しくて…なさ…けなくて…」
「うん。」
嗚咽しながら話す言葉をずっと聞いていてくれる。
そしてぽんぽんと背中を撫でて軽くハグされた。
「大丈夫、大丈夫…」
ミンソク先輩には…
こんな情けない姿みせたくなかったのに。
「それでいいんだ。
悔しくて当たり前だ。」
先輩は優しい…
苦しいくらい。
それは…俺が弟だから。
ぎゅう…
俺は先輩の体を抱き締め返した。
俺はその時に誓ったんだ。
もう2度とこんな情けない姿をミンソク先輩に見せないって…
弟ではなく、男として見てもらえるように。
まさにこんな感じ…


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※画像はお借りしました。


