体育会系男子の事情85

【カイ・シウミン】


シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年

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あっさりと合宿後の二日間の休みが終わったころ…

ルゥハン先輩は居なくなっていた。





居ないっていうのはもちろん消えたわけではない。

実は、全国学生選抜チームの合宿に途中参加したらしい。

セフンがスホ先輩から得た情報だ。





ルゥハン先輩って一体何者？






ルゥハン先輩は、部屋換えについて一切抗議することなく…

俺とミンソク先輩は今まで通り部屋を使うことになった。




*******




「お疲れ様です。」

「おつかれ。」




練習が終わり帰宅すると…

ミンソク先輩はいつもの席に座っている。





先輩の顔はぼーっとしていて…

どこに視点があってるのかわからない。







それは多分、ルゥハン先輩のことを考えているに違いない。







「ミンソク先輩…」



俺はなんでか先輩に声を掛けていた。



「ん？」



ぼーっとしていた先輩が振り向く。

はぅっ…俺、なんで話しかけてんだ？！




な、なにも考えてないのに！！





「あの…な、なんか食べに行きませんか？！」

「ぬ？」




あーーー！！

先輩、"？？？"ってなっちゃってる！！





「あ、もう食べちゃいましたか？！

それならカフェでも…！」



あわあわあわ…もー、口が止まらない！

先輩、何か言って…



「…うむ。」





先輩さらに悩ませてどーすんだ！！

俺のバカ！！

バカバカ！！





「そうだな。

久しぶりに部屋会するか？」





「…へ？」






ミンソク先輩は、支度をし始めた。

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─二日前─



俺はルゥハンの部屋に行った。

ガチャ…




「ルゥハン、部屋換えの話だが…」




ルゥハンは、てっきり荷物を出しているのかとおもったら全く出していなかった




…ように見えた。





「あ、ばれちゃった。」

「ばれ…？」




俺はよく理解できてなくて固まっていると
ルゥハンは俺の話を思い出したように話し出す。



「部屋ね…うん、いいよこのままで。

ミンソガを一人にさせちゃうしね。」




「ん？」





荷物を出してないのかと思ったが…

まさか荷物を積めている？





「…どこに行くんだ？」





「教えなーい。」

「ルゥハン！」




俺はルゥハンがこっちを向くように荷物を入れているルゥハンの手を掴む。


「なぜ…？」





ルゥハンのことが全然わからない。




ルゥハンは、ふふっと笑う。




「…安心してよ、ミンソガ。

実は合宿にお呼ばれされちゃっただけだから。」

「合宿？

お呼ばれ…？？」




何がなんだかわからない…




「実は、今の選抜のコーチが俺の恩師なんだよ。

で、参加しろって言ってくれててさ…」

「…そ、そうだったのか。

すまん。」





俺は慌ててルゥハンの手を離した。

ルゥハンは、離された手首を見つめていた。




「ねえ、ミンソガ

もし…俺が何処かに行っちゃうって知ったら…

引き留めてくれる？」






「え？

どこかってどこだ？」




俺はとんちんかんな質問をしたと思う。

ルゥハンは無理矢理笑顔を作った気がしたから。





「…なんでもないよ。

行ってくるね。」






それが、ルゥハンとの二日前の会話だった。

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