
シウミン・・・大学4年
カイ・・・大学1年
カイは恥ずかしかったのか
周りをきょろきょろ見回したあと…座り込んだ。
わなわなわな…
俺は彼を見たまま体が勝手に小刻みに震えだす。
顔がほんのりと赤い…。
ふるふるふる…
ああ、何てことだ。
カイがいつのまにかブラコンになっていたとは…!!
「み、ミンソク先輩…?」
ちらりとこちらを伺う。
俺は平静を装う。
「カイ…大丈夫だ。」
「え?」
「俺はお前がいっちばん大切だからな。」
「!」
わしわしと、頭を撫でた。
「ほ、本当ですか?」
うつ向いていたが少しだけ顔を上げる。
「ああ、ほんとうだ。」
なんてかわいいのだろう…!
抱き締めてちゅーしたいくらいだ!!
「る、ルゥハン先輩よりも?」
カイはこちらを伺う…
「ルゥハン…?」
わしわししていた手が止まる。
”なんでルゥハンが出てくる?”
と、問いたかったが最近はルゥハンのことを考えている。
それだけ当たり前のように側にいたのだ。
「ルゥハンは…親友だからな。」
「親友…だから?」
カイは俺の言葉を反復させる。
「ルゥハンが何を考えているのかわからないんだ。」
「ミンソク先輩…」
「そう思ってるのは俺だけかも知れんがな…
カイは、どう思う?」
カイは黙ったままだったが…
ついに口を開いた。
「それは…」
「それは?」
ミンソク先輩がずいっと体を前に出してきて…
聞く体制だった。
ミンソク先輩はもしかしたらルゥハン先輩のこと…
自覚してないかもしれないけど…
好き?
そう思うと胸がチクリと痛む。
もし俺がここでルゥハン先輩の気持ちを言ったら…
ミンソク先輩は…?
”俺はお前がいっちばん大切だからな”
もう、そんな風には言ってもらえないかもしれない。
ルゥハン先輩を追いかけてしまうかもしれない…
ぎゅ…
テーブルに置いた手を握りしめる。
言ったら…先輩は俺から離れてしまう。
このまま気づかないままでいいのかも知れない。
そしたら…先輩はずっと俺の側に…。
その手が何でか温かくなる。
ミンソク先輩が俺の拳を上から包み込んでいた。
俺の手は震えていたのだ。
「言わなくていい。」
「え?」
「言いづらいことなんだろ?」
「ミンソク先輩…」
俺は…
なんて狡いやつなんだろう。
結局、ミンソク先輩の兄の部分に甘えている。
これじゃ自分の思い通りにならないとただを捏ねている子どもみたいだ。
これじゃ…
いつまでたっても弟から抜け出せない…
「ルゥハン先輩は…
先輩のこと…」
「ん?」
「嫌いなわけ…ないじゃないですか。
誰だってわかりますよ!」
「カイ…」
「あー!
もっと自信持ってください!」
「いだっ!」
体を前に出して先輩の肩をバシンと叩いた。
「流石にいたいぞカイ!」
「あは…すみません、つい力が強くなっちゃって…」
てへへと笑った。
叩いた手がじんじんと熱を帯びる。
心も後からじんわりと熱が伝わっていくようだった。

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